「自分が自分であって大丈夫」「生きているだけで周りから肯定される感覚」 [Ⅱー416]

先日の新入生保護者会で、家庭と学校で大事にしていきたいことの一つとして、「自己肯定感」のお話をさせていただきました。それは、故 高垣忠一郎さんより学んだ「自分が自分であって大丈夫」という感覚、「生きているだけで周りから肯定される感覚」です。高垣さんの自己肯定感は、よいところをほめたり、資質、能力を評価して「自己肯定感」を高めるのとは違います。

その話の後で、6年生一人ひとりの卒業期「自分史」の取り組みを紹介させていただきました。お子さんにご家族が心を込めて話してくださり、それはその子その子のかけがえのない命の大切さを伝えてくださっていることで、「生きているだけで周りから肯定される感覚」を感じさせられるものだと思います。

ある人は、「お母さんと一緒にアルバムや育児日記をみながら、私が生まれるまでと赤ちゃんだった頃の話を聞きました。日記には赤ちゃんだった頃の写真や、楽しいエピソードがたくさん詰まっていて、思わず笑顔になりました。お母さんは、私が生まれた日のことや初めて歩いたときのことを楽しそうに話してくれました」と書きはじめていました。話を聞いて「思わず笑顔に」なったり、「楽しそうに話してくれ」ことをうれしく受けとめるなど、幸せな時間だったと思います。私も自分史よりたくさんのことを感じ、学んでいます。読ませていただいて、ありがとうございました。

自分史 お腹にいる時~歩くころまで

[お腹にいる時]

お母さんのお腹にいると分かった時、僕は、三・六ミリでした。でもその時、まわりに血のかたまりができていて、切迫流産と言われ、お母さんは家で安静にしていたそうです。一カ月くらい安静にしていて、病院の先生から/「もう大丈夫ですよ。」/と言われ、心の底からうれしかったと言っていました。毎回病院の健診でエコーの写真をもらっていましたが、生まれるまでずっと顔をお腹のすみによせたり、後ろを向いたりしていたので、生まれ時にやっと顔が分かったそうです。僕はなんで顔を見せなかったんだろうと未だに疑問です。

お母さんは心臓の病気があったので、お腹の中にいる時に僕も検査を受けましたが、病気はなかったのでお父さんもお母さんもほっとしたと教えられました。でも、へそのおがたいばんのまん中ではなく、はじっこについていたので、栄養が十分に僕に行かないかもしれないと先生に言われ、お母さんはそのことをインターネットで調べ過ぎて不安ばかりが強くなったそうです。

[僕が生まれた時]

お母さんの心臓に負担がかかると大変なので、大学病院で計画出産でした。入院した人の夕方四時頃に陣痛が来てお母さんが、/「病院に着いてるのが分かってたのかな?」/と思ったそうです。

その後、心臓が逆流して菌が入らないように、薬を点滴しながら、陣痛をたえていたらしいです。僕が生まれる四十五分前、僕の頭が出るたびに、一分間に一四〇回あった心拍がなんと四十四回くらいまで下がって、低い音で「ドッドッ」と機械からアラーム音が鳴って、病院の先生があわてていたので、お母さんも不安になって、/「このまま赤ちゃんに会えなかったらどうしよう。」/と頭が真っ白になりました。そこで、病院のえらい先生が来て「鉗子」という道具を使って僕の頭をつかんで引っ張り出して、やっと僕が生まれました。一気に引っ張り出さないと心臓が止まってしまう状況だったなんて初めて知ったので、ちょっと怖くなりました。僕が生まれる時、命の危険にさらされてたけれど、医師や助産師の人ががんばって処置をしてくれて生まれたので、あの時つくしてくれた人に感謝したいです。あとお父さん、お母さんがここまで育ててくれたのでこの命を大切にしたいと思いました。/生まれてから分かったことですが、僕の体の下にへそのおがあって圧迫して血の流れが止まりそうになっていたので、心拍が下がったそうです。

[僕が〇才の時]

僕は母乳やミルクをよく飲んで、よくねてニコニコ笑顔が多かったそうです。/僕が初めて歩いたのは〇才十一カ月の時でした。ハイハイで速く移動することが得意でつかまり立ちも早かったそうです。お父さんもお母さんも/「いつ歩き始めるのかな。」/と楽しみにしていましたが、初めの一歩は保育園にいる時でした。その日にお迎えに行くと、先生から、/「今日歩きましたよー!」/と嬉しそうに報告があってお父さんもお母さんも見られなくて残念だったけれど、先生達みんなでよろこべてよい思い出になったと言っていました。僕はその時のことは覚えていないけれど、みんなに見守られながら歩いたと知ってうれしかったです。

[僕の名前の由来]*ここでの内容は、作者の名前がわかってしまうので、掲載できません。

名前の由来を聞いた作者は、そこに込められた願いを受けとって、「もし困っている友達がいれば、力になってあげたいと思っています。」と書いていました。

[感想]

僕は今回、作文を書く前に、僕がお母さんのお腹にいる時の写真やへそのお、生まれた後のアルバムなど、色んな物を見てきましたが、やっぱり僕は、お母さんやお父さん、さらに祖母などに愛情を注がれてここまで成長できたので、僕は自分を大切にしようと思いました。

こうした自分史の取り組みは、私たちが大事にしたい「子どもの権利条約」*につながります。子どもは、「あせらず、ゆっくり、たっぷり自分(たち)らしく子ども時代を過ごそう」と願うし、そうした社会にしたい。権利としての「安心」「自信」「自由」などを、ご家族が伝えてくださっていると、私は思います。

*「子どもの権利条約」/1989年、国連総会で採択、日本は1994年に国会で批准し、世界で158番目の締約国となりました。その内容は、

〇「子ども」は、あせらずゆっくりたっぷり自分(たち)らしく子ども時代を過ごそう。

〇「権利」とは、人間として誰もが持っていて当たり前のこと。たとえば、「安心」、「自由」、「自信」など。「安心」とは「心が安らか」で「いのちの危険や病気になっても治療が受けられるなどの不安がな」いこと。「自由」は、「自分の考えが大切にされ、行動できる」こと。「自信」は、「自分のことを価値ある存在として自分自身を認められること」です。


作品は、2月に実施した美術展より

テンダーさんから学ぶ

環境活動家のテンダーさんが来校し、学ばせていただきました。

 5年生では、テンダーさんの著作や動画等を通じて「プラスチックゴミと環境問題」「エネルギーと環境負荷」について少しずつ学習を重ねてきました。そして、いよいよテンダーさんと対面。火起こしにも挑戦しました。

「その辺のもので生きる」という低コスト・低負荷ながらも豊かな暮らしを実践するテンダーさんから、子どもたちは大きな刺激を受けていました。自身の生活を見直し、これからの過ごし方や地球環境について考えていくきっかけとなりそうです。

 

 

中央線沿線説明会「個別相談会」のWEB受付を17(月)正午より開始します!

続報をお待ちだった方、大変お待たせいたしました。

2/23(日)明星小学校にて開催される「中央線沿線小学校合同相談会」にお申込みいただいた方で、当日本校の個別相談会への参加をご希望されている方向けに、本校のWEBサイトから個別相談会の事前予約ができます。

予約開始は2/17(月)正午からです。

本校ホームページ内、紫色のバナー「説明会、体験会予約画面」から入場していただき、ご予約へとお進みください。

WEB限定枠でのご予約数が、すべての時間帯で1枠となっております。
先着順なので申し込みが完了するまえに、満席となってしまう可能性がございますこと、あらかじめご容赦ください。

これまで会場校にて当日受付限定で整理券を配布し、個別相談会を行ってまいりましたが、大変ありがたく、そして申し訳ないことに整理券が早い段階で締め切りとなってしまいました。そのため、今回からweb予約席を試みることにいたしました。
ご予約が取れた方は、当日整理券配布の列にお並び頂かずに相談が出来ます。
ご予約後、受付票を印刷し事前にご記入をお済ませの上、お時間になりましたら本校ブースにお越しください。

 

尚、当日の整理券配布はこれまで通り行いますので、ご予約が取れなかった方もぜひ当日本校ブースにお越しください。

 

★ご案内★

※初めてのご予約にあたっては、ミライコンパス新規ID登録が必要です。ご新規の方は事前にご登録いただけるとスムーズに予約が行えますので、よろしければ先にご登録をお済ませください。

※本校の説明会や他校様でミライコンパスサイトの予約を行っているご家庭は、事前にログインできるかご確認をお願いします。

※幼稚園の事前予約は行っておりません。当日お越しください。

 

 

中央線沿線説明会サイトはこちら←クリックするとサイトへ移動します 

中央線沿線説明会 ★ご予約はこちらから★

 

 

★注意★

※本校の個別相談会の予約を取る前に、中央線沿線説明会の予約申し込みが出来ていないと、そもそものご入場が出来ず、本校の相談会には参加いただけませんのでお気を付け下さい。

また、中央線沿線説明会自体が満席の場合、ご予約時間が午前・午後でお間違いの場合、本校の予約をお取りいただいてもご入場できませんまずは、説明会のお申し込みをお願いします。

子どもたちの開発したレシピ

 ドライフルーツや、サニーミラクルズの商品を使った食べ物を試食したあとは、子どもたちがレシピを考案する時間。パキスタンに笑顔と栄養を届けるため、メニューの開発に取り組みました。

 

 

 

 

 

 

 

 パキスタンで実際に商品化されるかもしれないので、子どもたちのワクワクは止まりません。真剣に話し合う子どもたち。様々なアイディアが浮かび、子どもたちの発想力や創造力に驚かされました。

・ミラクル コールド

→ 暑い国でもキンキンに冷えたアイスのようなお菓子が食べられます。さらに、はちみつや牛乳で栄養満点!はちみつとフルーツで後味に残る最高のお菓子!!身体は冷やして心は熱く、そんな思いが込められた一品です。

・ドライおせんべい

→ 見た目は悪いかもしれないけれど、にんにくの栄養も入っているし、全体的に甘いからおいしい。フルーツにも栄養があるし、おいしい!パキスタンは、おやつが少ないからおやつにした。

・SFM(サニーフルーツミラクルズ)

→ ザクロパウダーを多めにかけて、ドライフルーツをかくせるから見た目を気にしないで食べてもらえる。マンゴーを多めに使っている。(パキスタンではマンゴーがとれるから)混ぜてザクロパウダーをかけるだけだから簡単に作れる。さらにフルーツを使っているから栄養がとれる。

 

 単にメニューを考えるだけではなく、パキスタンの実情などを理解したうえで、笑顔と栄養を届ける工夫をしていました。みんなで試食した食べ物は、少しだけ余ったので職員室の先生におすそ分け。いろんな人が笑顔になる時間でした。

 グループごとに考案したメニュー。もしかしたら、近いうちに商品化され、パキスタンの子どもたちに笑顔を届けることができるかもしれません。その日が来ることを、楽しみに待っています。

初等部の将来構想 [Ⅱー415] 

2025年度、初等部は創立70周年を迎えます。60周年からの10年間を振り返り、80周年に向かって10年間を計画していく「将来構想」を話し合います。2023年度より初等部将来構想として、〈目標、子ども像、保育、教育観など〉を含めた保育・教育計画、制度設計を叙述した中長期の総合計画を話し合ってきました。私たちの将来構想が、社会にとっても大事なこととして認められることを願い、社会的意味を叙述します。そこには、私たちの社会、世界に対する願いも込めています。

たとえば、2025年度に発行予定の「新学校案内」では、子どもたち、私たちがこれから生きる社会、世界を、平和で幸せなものになってしていくことを願い、大切にしたいことを次のように考えました。

一人ひとりが、民主的な対話を通じて平和を希求し、社会に参加するための根っこを育みます。地球環境を守る願いをもち、人権を尊重し、お互いのちがいを認め合いながら、共に生きていきます。地球市民の一員として、社会のつくり手へと成長させるよう、その土台を築いていきます」(新学校案内の〔教育目標〕)

それを実現するための〔柱〕として、

学ぶことは楽しい!」、「遊びは最高の学び」、「自治を大事に」、「実際に行う・本物と出会う」、「学びの過程や意味を大切に」、「ともに学ぶ・ともに働く・ともに遊ぶ」、「子どもの発達に合わせた教育過程の自主編成教育を」、「親と教師、親と親は、子どもの「今」と「未来」のために結び合う」、「子どもも大人も自分らしくいられる学校に」を考えてきました。

今後、子どもたち、保護者の皆さん、それから社会に〔目標〕と〔柱〕などを示し、できるだけ同意を得て、それを実践し、実現できるように保育・教育をつくり出していきます。そこには、どのような社会、世界を私たちは創出したいのか、その担い手を育てるための保育・教育とは、を示していきます。

少し違う角度からも述べてみます。こども家庭庁から「幼児期までのこどもの育ちに係る基本的なビジョン」『はじめの100か月の育ちビジョン』が出されました。このビジョンは、「こどもが小学校に入るまでの重要な時期に、一人一人が健やかに育つことができるよう」「大切にしてほしい考え方をまとめ」たものです。

「はじめの100か月」とは、こどもを妊娠してから、小1、7歳くらいまでの100か月。「長い人生において、人格の基盤を築く、はじめの重要な時期というメッセージが込められています」。その時期を、「人生を幸せな状態(ウェルビ―イング)で過ごすため、特に大切な時期」として、「幸せな状態」とは、「身体、心、それを取り巻く環境や社会の状況、すべての面で良い状態にあること」と捉え、5つのビジョンを示しています。

 

幼児期までのこどもの育ちの5つのビジョン

1 こどもの権利と尊厳を守る

2 「安心と挑戦の循環」を通してこどものウェルビーイングを高める

3 「こどもの誕生前」から切れ目なく育ちを支える

4 保護者・養育者のウェルビーイングと成長の支援・応援をする

5 こどもの育ちを支える環境や社会の厚みを増す

〇乳幼児は生まれながらに権利をもっている。すべての乳幼児が大切に育てられている。

〇乳幼児の生命や生活を保障する。

〇乳幼児の思いや願いを尊重する。乳幼児は、言葉だけでなく、様々な形で思いや願いを表現。一人一人のペースに応じて、それらが尊重されている。

〇乳幼児の育ちには、「安心」と「挑戦」の繰り返しが大切。「豊かな遊びと体験」「アタッチメント(愛着)」(こどもが不安なときなどに身近な大人が寄り添うことや、安心感をもたらす経験を繰り返すことが、「安心」という土台を築く)

〇育ちの環境を切れ目なくつくり上げ、次世代を支える好循環をつくる。 *ここまで引用

このビジョンの最後に、「国や自治体などの関係者が、同じ方向に向かって具体的な施策に取り組む。社会全体にビジョンを広め、人々の行動を変えるきっかけに」とあります。このビジョンも「将来構想」と捉えることができます。そして、私たちはこのビジョンからも学んで、実践していきたいと考えます。

写真はすべて年長の深大寺お蕎麦遠足(2月4日)より。たくさんの方にお世話になり、ありがとうございました。

2.23(日)中央線沿線説明会に参加します!

2026年度入学学校説明会のスタートとして、2.23(日)明星小学校で開催される「中央線沿線私立小学校説明会」に桐朋小学校も参加します。

開催地の明星小学校は京王線「府中」駅を最寄りとしており、本校のある京王線「仙川」駅の沿線上に位置します。

当日は、本校のブースがあり、そちらで先着順とはなりますが、本校教員による個別相談会を実施します。

尚、附属の桐朋幼稚園も本校のブース内で展開しており、こちらも先着順ですが、幼稚園教諭との個別相談会を実施します。

参加にあたっては、中央線沿線説明会のサイトから、説明会のお申し込みが必要です。

例年、個別相談会は早いうちに満席となってしまいますが、ブース内では写真の展示など、少しでも学校の様子が知れるように準備してお待ちしております。

現在、中央線沿線説明会にお申込みいただいた方で、当日本校の個別相談会への参加をご希望されている方向けに、本校のWEBサイトから個別相談会の事前予約が出来るように準備中です。
予約開始の際は改めて、お知らせいたします。★注意★事項を確認下さい。

ご参加をお待ちしております。

 

中央線沿線説明会サイトはこちら←クリックするとサイトへ移動します 

中央線沿線説明会 ★ご予約はこちらから★

 

 

★注意★

※本校の個別相談会の予約を取る前に、中央線沿線説明会の予約申し込みが出来ていないと、そもそものご入場が出来ず、本校の相談会には参加いただけませんのでお気を付け下さい。

また、中央線沿線説明会自体が満席の場合、ご予約時間が午前・午後でお間違いの場合、本校の予約をお取りいただいてもご入場できません。まずは、説明会のお申し込みをお願いします。

 

 

2年生 総合「学校のお仕事調べ」でインタビュー

2年生は総合の学習で、「学校で働く人のお仕事調べ」をしています。

子どもたちは、冬休みの宿題で「お家のお仕事調べ」をしました。「人々は生活を支えるためにお仕事をしている」ことを学び、学校でも自分達の学校生活を支えるためにお仕事をしてくれている人達がいるのではないかと考えました。

警備員さん、用務員さん、印刷室の方、図書室の方、購買部の方、パンを販売している方…などなど

「自分たちが知っているお仕事内容以外にも、していることがあるかもしれない。」「詳しくお仕事について教えてもらいたい。」「どのような、思いをもってお仕事をしているのか知りたい。」など解決したい問いをもちながら、インタビュー活動に臨みました。インタビューをすることに、ドキドキしながらも質問に答えてもらったことをしっかりとメモをし、教室で自分の学びをクラスの友達に上手に伝えることができました。

 

 

桐朋幼稚園のおもちつき [Ⅱー414]

「おもちつきって どんなの?」「やったことないけど やってみたい。」「おもちつき やりたいな!」

年少の人たちは、桐朋幼稚園でのおもちつきは初めて。おもちつきの日に向けて、材料や道具を準備したり、臼や杵に触ってみました。おもちつきの本を読んでもらったり、おもちつきの歌を教えてもらったりしました。年長の人が研いだもち米を見せてもらって、形が丸いことを発見しました。臼と杵をたわしで洗って、準備をすすめました。

秋に園庭で焼き芋をしていたので、火を見たり、あたたまったり、においを嗅いでみたりしています。また、年長や年中の人が火をつけたり、いろいろなものを試して燃やす姿も見ています。年少の人たちも、おもちつきのために、火に入れるため小枝を拾ったりしました。

当日、ふかしたもち米を一人一口ずついただきました。どんなことを感じたのでしょう。

年少の人たちが、杵を持ってついてみました。

「それぞれの子に、この経験が心に残るといいな」と、保育者は願います。

年中や年長の人たちは、これまでの経験があります。

たとえば、もち米をふかすかまどに火を燃やすための薪が必要で、みんなで取りに行きました。施設管理の方が縄で組んでくださった薪を運びます。思っていたよりも「重くない。」「軽い軽い、簡単!」。段々重さが腕にのしかかり、途中で組んでた薪が縄から落ちるなども。こうしたハプニングが、「こうやって持ってみればいいんじゃない、」「俺がここ持つから、そっち持って」など試行錯誤や協同が生まれて、より一緒に運んだ実感を深めてくれたかもしれません。

自分の力で杵を持ってつくように、保育者ははじめから手を添えるようにはしませんでした。足腰に力を入れ、ふんっと杵を持ち上げ、搗いていく子どもたち。実際に手にしてみると思いと感じたのか、「いっしょに持って」と伝えてくる人もいました。困ったときになんとかしよう、助けをもとめることが身についています。

おもちをついている子の周りで見守り、「よいしょ、よいしょ」などのかけ声など、おもちをつくことが「「一人ひとり」と「みんな」の目的として、大人から与えられたものというより、彼らの内側から生まれ出たような感じ」を受けたという保育者。こうした率直な思い、捉えを聞いて、その眼差しに嬉しくなりました。

<もちつき手遊びうた>

年長の人たちは、3回目のもちつきです。手遊び歌を思い出したようです。

「とうほうようちえん もちつきうた」

ぺったん ぺったん おもちつき / とうほうようちえんの おもちつき

ぺったんこ ぺったんこ ぺったん ぺったん ぺったんこ / とん こねて とん こねて とん こね とん こね とん こねて / とっ ついて とっ ついて とっ つい とっ つい とっ ついて

とんとんとん とんとんとん

当日、2階にいる小学生の人たちからも、おもちつきの歌が聞こえてきました。懐かしい、たのしい思いが湧き上がってきたのでしょう。

 

準備、実際のもちつき(「こづき」や「ちぎり」なども見せていただきました)、片付けと、たくさんの大人の手を借りて、無事に出来ました。皆様、ありがとうございました。

*本文は、「たんぽぽつうしん」「ばらぐみつうしん」「ゆりぐみつうしん」をもとにしました。保育者の眼差し、かかわりに、私自身が学ばせてもらっています。

 

笑顔と栄養をパキスタンに

 フードロス問題の話になると、どうしても「個人の意識」が解決につながると思われがちですが、個人の意識だけではどうにもならないケースもあります。この間、子どもたちとは先進国と開発途上国で起きているフードロス問題の違いについて学習してきました。

 パキスタンでは、暑い気候に適したニガウリやニンジン、ナスなどの夏野菜が豊富にとれる他、果物は、特にマンゴーの生産量が世界4位で有名。その一方で、収穫した野菜や果物の5割近くが廃棄処分になっている現状です。背景には、市場に直接持ち込む食べ物以外を保管する施設や技術がなく、捨てるしかない事情があるのだという。物流コストをかけられない農家も多く、国内輸送網も発達していない。大変なフードロス問題が起きています。道路の整備がされていない、輸送手段がない。こうした状況からもフードロスの問題に発展していくことを知りました。

 その問題を解決すべく、ミラクルズ財団を設立した高垣絵里さんは、野菜や果物を加工、乾燥させることで保存期間をのばし、国内輸送しやすくすることに成功しました。名付けて「サニーミラクルズ」。

 授業の中で、実際にサニーミラクルズの商品、ドライフルーツを試食させてもらいました。

 食べた瞬間、感動の嵐。

・ドライマンゴーがものすごく美味しかった。

・ドライバナナがこんなに美味しいとは思わなかった。

 食べる手が止まらない子どもたち。

 

 その後、高垣さんが考案したレシピで調理し、実際に食べてみました。ホットケーキミックスとマシュマロ、ドライフルーツを混ぜて作った料理。これもまた美味しくて至福のひと時。

 パキスタンに笑顔と栄養を届ける前に、私たちを笑顔にしてくれる、そんな素敵な時間でした。今度は、子どもたちがパキスタンに笑顔と栄養を届けます。