断熱改修の取組[Ⅱ-467]

初等部の改修工事は、関係者、職人さんらのお力で進んでいます

 写真は、高学年校舎1階の様子です。廊下壁は、多摩産材のはり付け作業をすすめていただいています。木の香りがして、肌触りがよく、木目や木の表情などもいろいろでたのしみです。図書室、5、6年教室は、中にあったものをすべて運び出し、木の温もり、断熱改修を行う準備が整いました。幼稚園では、3部屋の天井を取り外し、新しい天井板がつけられます。作業をすすめてくださっている皆さん、ありがとうございます。

左写真 高学年校舎1階の壁。右写真 幼稚園 たんぽぽの部屋

 温度計を見ると、早い時間から38度台になっています。高学年校舎と低学年校舎の渡り廊下は、日差しが強く、40度以上あるのではないかと思います。酷暑のなかで作業をすすめていただいている皆さんには、休憩もしっかりとっていただくようお願いしています。

 24日(金)新聞報道では、「浜松で41.4度」「東海地方では3日連続で酷暑日を記録」「40度以上を6市7地点で記録」(朝日新聞)、「最高気温40度以上の「酷暑日」が相次ぐなど各地で猛烈な暑さが続き、熱中症で搬送されて亡くなる人が相次いでいる」(東京新聞)などと書かれています。また「欧州熱波 死者数1.9万人増」「フランス南西部のピソスでは6月23日に最高気温が44.3度を記録」「山火事の被害も拡大」「猛暑の影響で、約1万3500校が休校や授業時間の短縮を余儀なくされた」(朝日新聞)などの記事もありました。

 酷暑日が増え、「気象庁は今後も8月にかけて厳しい暑さが続くと予想」「命の危機と捉え対策を」(東京新聞)と言われています。命と健康を守る取り組みをしていきましょう。

図書室の様子

私たちは、「断熱」を選びました ―『断熱学校』著者の竹内昌義さんを講師に学ぶ

 2019年度より園舎・校舎のことを、子どもたちの健康、生活や学習と気候変動危機を結びつけて、教職員で話し合ってきました。たくさんの本や専門家に学んできました。

 7月23日は、今回の改修工事でお世話になっているエネルギーまちづくり社の竹内昌義さん(東北芸術工科大学教授)を講師に学習会を行いました。以前、竹内さんらがお書きになった『断熱学校 学校から脱炭素社会』(鹿島出版会)を職員で学び、断熱の必要性を話し合いました。 

 著書には、「いまの学校は熱くて寒い。気候変動が進み、いままでは大丈夫だったこどもたちの教育環境が大きく変化している。この問題は重要であるとともに緊急性を要している」3ページ

いま学校は「暑い」。ある学校では、冷房がついている教室内の温度が35.1℃に達したこともあった。温暖化の影響で気温が上昇し、夏の暑さは危険度を増しており、学校にはエアコンは設置されているはずである。でも、涼しくなってない」13ページ

われわれを取り巻く環境が大きく変化をしているにもかかわらず、50年前に建てられた学校は、冷暖房設備こそ設置されてきてはいるが、建物の性能としては何も変わっていない。これでは暑さ寒さは増す一方」28ー29ページ

天井のコンクリートは蓄熱容量が大きい。つまり、当たった太陽の熱を吸収して保持しやすく、昼間暖められたコンクリートは夜にも熱を放出している。天井は室内に影響をとても大きく及ぼしている」、「寒さに対しても、冬も夏と同様に天井が冷やされるとコンクリートがその冷たさを保持しているので、ことから冷気が下りてくる」、「コンクリートでつくられているのは天井だけでなく、壁、床も同様」68ページ

必要なのは建物と外部の間の熱を断つ「断熱」」「夏の暑さや冬の寒さを建物に取り込まない、その温熱・冷熱を断つこと」29ページ

 本に書かれた内容、竹内さんのお話と、私たちの園・学校の状況と課題で重なることが多くあり、「断熱」の必要性、大切さを学んでいます。 

 

左写真 幼稚園ゆりの部屋、右写真 高学年校舎1階壁 

「断熱」をして「省エネルギー」へ。地球の温度をあげないように

 温暖化、沸騰化による影響は、海水温の上昇、台風の巨大化、線状降水帯の発生、豪雨災害の増加、山火事の増加などに現れています。地球の温度を上げない取り組みが必要です。政府は、「2050年カーボンニュートラル」(温室効果ガスの実質的な排出量をゼロとするもの)を目指すと表明しています。

 2015年、COP21(国連気候変動枠組条約締約国会議)で採択された「世界の平均気温上昇を産業革命以前と比べて2℃より十分低く保ち、1.5℃以内に抑える努力をする」という世界共通の長期目標、その後、COP26で「1.5℃」を目標としました。しかし、2024年には1.5℃を超え、今後さらに上昇する可能性があります。

 温度の上昇は、政府の表明した「温室効果ガス」によるもので、主なものが二酸化炭素です。ですから、二酸化炭素を抑制することが必要です。私たち園・学校がめざすものとして、「断熱」し、省エネルギーをすすめて、二酸化炭素排出を抑制したいと考えました。

 竹内さんのご著書には、断熱の効果として、「夏季には日射を適切に防いだり、適度な通風が保たれることで冷暖房を必要とする時期が短くなることや、冷暖房を切っても室温が長く保たれること、必要な換気を行うために窓を開けた後でも、冷暖房がすぐによく効くこと。結果として、冷暖房の容量が少なくて済み、電気代や灯油第を小さくできることなどが数字となって現れる。中略 二酸化炭素の排出量が減り、気候変動対策になることが最大の効果」46ページ と書かれています。

 また、「ヨーロッパでの思考プロセス」の紹介があり、学び、刺激を受けます。「「➀温暖化が進んだら大変だから、自分たちができることをする(社会のコンセンサス)」「➁建物が使用するエネルギーは消費エネルギー全体の3分の1である(情報の共有)」「➂建築物の二酸化炭素排出が減る政策を立て、実行する(政策化)」「④いろいろな方法に試行錯誤する。小さい規模で、横断的に、実行する(実行力)」「➄うまくいったところの真似をして、さらにうまくいくようにする(連鎖)」-結果的に脱炭素が進む」191ー192ページ

図書室前の壁 木質化と多摩産材、右写真 高学年校舎1階廊下壁 

「脱炭素」の意味、捉え

 現在、「脱炭素社会」「カーボン・ゼロ」などのことばが使われています。竹内さんの本では「すべてのエネルギーが化石燃料ではなく、再生可能エネルギーで賄われる社会(おもに電力供給において)」189ページと、「脱炭素社会」について説明しています。

 「脱炭素」というと、炭素をなくすという意味、イメージにならないかと考えます。地球では、二酸化炭素は、有機物の燃焼や動物の呼吸、火山の爆発など自然界で排出されており、植物や海中プランクトンなどが持つ葉緑体により、再び有機物に戻され、自然界で役だちます。「循環」することを大事にしてきました。

 ところが、産業革命以降、人間が二酸化炭素を過剰に出し過ぎて循環できず、地球の温度が上がっています。人間の生産活動のひろがり、化石燃料の大量活用、土地の開発のための森林伐採などの過剰を見直すことが必要だと考えます。ですから、「脱炭素」というよりは、二酸化炭素を抑制し、循環ができる社会、世界を目指していこうと、少し長い文にして考えます。

 生き物は、炭素化合物で出来ていることからもそう考えています。

タイルのおへやで考えよう

2年生の算数では、「929-292」や「321-143」のような、繰り下がりのある三けたの引き算の仕方を考えました。

机の上にはテープで「タイルのお部屋」をつくり、実際にタイルを動かしながら、計算の仕組みを確かめました。その後は、絵や言葉を使って、友達に分かりやすく説明するための「解説づくり」に取り組みました。

  

考えをまとめる中で、「どうして百の位から借りるときは、下の数ではなく上の数からなの?」など、新たな疑問も生まれてきました。ただ計算のやり方を覚えるだけでなく、「なぜそうなるのか」を考えようとする姿がたくさん見られました。

 

心が動く算数の学び~1億タイル完成!~

「1億」という大きな数の大きさを体感するために、新聞紙をタイルに見立てた活動を行いました。

新聞紙を細かく破って広げていくと、プレイルームいっぱいに。「1億ってこんなに大きいんだ!」と、子どもたちは驚きの声を上げていました。

はじめは遠慮がちだった子どもたちも、活動が進むにつれて夢中になり、「ストレス発散だ!」と笑顔いっぱい。最後は全員で協力し、あっという間にきれいに片付ける姿も見られました。

授業の終わりには、「最高の算数だった!」という声も聞かれました。数字を読むだけでは想像しにくい大きさも、実際に体を動かしながら学ぶことで、より実感をもって捉えることができたようです。

体験を通して心が動いた学びは、子どもたちの記憶に残りやすいものです。これからも、「わかった!」だけでなく、「楽しかった!」「もっと知りたい!」につながる学びを大切にしていきます。

学校体験会と学校説明会の予約受付を、7月23日(木)13:00~開始します。

本校にご興味をお持ちくださる皆様

8月29日(土)開催の体験会と説明会の予約を、7月23日(木)13:00~から受付します。

★満席表示は、以降にキャンセルがあった場合に解除されます。お手数ですが適宜ご確認ください。

★男女の枠、年齢の制限などよくおたしかめください。
性別を間違って予約されたままご参加いただくことはできません。
間違って予約をされた場合は一度キャンセルをした上で改めてお申込みいただくか、空席がある場合のみ「イベント一覧」から「申込内容の変更」が可能です。

★年長児体験会と説明会どちらにも参加される場合は、それぞれお申込みが必要です。

★夏季休業中は、お電話が繋がらない場合もございます。ご承知おきください。

※申し込み時の性別の間違いによる相談はお受けできません。キャンセル後改めてお申込みください。

 


 

学校体験会(小学校低学年校舎内)  
対象:年長児+保護者1名(保護者のみの参加や、乳幼児含めきょうだいの同伴不可です)

各回、開始時刻の15分前受付です。

① 9:00~10:00(男女枠あり) 

② 9:30~10:30(男女枠あり)

③10:00~11:00(男女枠あり)

④10:30~11:30(男女枠あり) 

⑤12:45~13:45(男女枠あり)

⑥13:15~14:15(男女枠あり)

⑦13:45~14:45(男女枠あり)

⑧14:15~15:15(男女枠あり)

内容:低学年校舎での教室体験と、低学年校舎内ブース見学

・各回60分程度の予定です。

・双子のごきょうだいは、それぞれお申込みください。(付き添いの保護者は1名でも構いません)

説明会と重なってる枠への重複申し込みは出来ませんのでご注意ください。

※また、体験会に参加された後、お子さんを連れてそのまま説明会に参加することはご遠慮ください。(時期柄、暑さなどから説明会中に体調を崩されたり、当日キャンセルされる方がいらっしゃいました。)


 

小学校説明会(ポロニアホール) 
対象:お子さんの年齢制限なし

①  8:45受付 10:00開始 11:00終了予定

② 10:30受付 10:45開始 11:45終了予定

内容:校長挨拶、運営委員長より出願について、担任教諭から地球市民の時間の授業の様子をお話しいたします。

・大人向きの説明会です。1家庭2名まで。(お子さんの年齢制限なく、参加できます。)

・こちらの説明会に関しては乳児、未就園児のお子さんは人数に含めません。

・体験会とのお子さんの連続参加は、負担が大きいためご配慮ください。

・塾、幼児教室の方はご遠慮ください。


 

桐朋小学校 教務

桐朋学園小学校との交歓会

桐朋学園小学校の6年生が来校し、交流活動を行いました。

はじめは、名前を覚えるゲームや伝言ゲームを通してお互いを知り合い、その後はグループに分かれてスポーツやカードゲームを楽しみました。活動の始まりは少し緊張した様子も見られましたが、時間が経つにつれて笑顔が増え、自然と会話が弾むようになりました。実行委員の子どもたちも進んで声をかけ、交流を盛り上げてくれました。

 

活動の最後には旧短大食堂に集まり、一緒にパンを食べながら交流を振り返りました。子どもたちにとって、来年度につながる温かな出会いの時間となったようです。

桐朋学園小学校のみなさん、どうもありがとうございました。

【子どもたちの感想】

私はカードゲームとボーリングをしました。カードゲームでは、自己紹介ゲームをして、おたがいのことをよく知れてよかったです!!相手校の子が、ダンスをやっているそうで、「私もやってる!」と盛り上がりました。ボーリングでは、ペアの子とすごく仲良くなり、楽しくおしゃべりしながらならんでました!!最高得点8点取れてうれしかったです♡また来てください!


自分はドッジボールだった。自分は逃げてるだけだったけどなぜか楽しかった。相手校の人は個性的な人が多かった。パンはよもぎアンパンにした。席の近い人と話してて楽しかった。

 

放課後は小さな成長の時間

「さようなら」のあとも学校に残り、それぞれが思い思いの時間を楽しんでいます。

みんなの大好きな放課後あそびの時間です。

鬼ごっこやサッカー、ブランコ、けん玉、畑の水やりなど、友達を誘い合って遊ぶ子、一人でじっくり好きなことを楽しむ子…。一年生らしい笑顔が、学校中に広がっていました。

 

夢中になって遊びながらも、下校時刻の15分前になると、自分たちで遊びを切り上げ、帰る準備を始める姿も見られました。

放課後は、楽しく遊ぶ時間であると同時に、友達との関わり方を学んだり、自分で考えて行動したりする時間でもあります。これからも、一つ一つの経験を積み重ねながら、小さな成長を重ねていってほしいと思います。

  

 

みんなの声の木 ~ 少数派の意見もちゃんと聴こうよ!~

桐朋小学校では毎年、「みんなの声の木」を作成しています。各クラスの会議から上がってくる願いを、自治活動(委員会)やそれらの代表が集まった委員長会議などを通して話し合っていきます。

オレンジの葉っぱに「こんな学校にしたい」みどりの葉っぱに「そのためにやりたいこと、つくりたいもの、ほしいもの(遊びの提案)」黄色の葉っぱに「遊びのきまりについて考えたこと、言いたいこと」を書くことになっています。

4年生では、それぞれの班ごとに意見を出し、話し合いがされました。

1班 : 幼稚園や中高生とのかかわりをもう少しふやしたい。そのために必要なのは、時間と予定。 異学年交流の場を設けたい。
2班 : びょうどうでケンカなし! そのために必要なのは、やさしい心。
3班 : 時計をふやす、なおす。 いろんな人と遊ぶ。 しぜんをふやす。
4班 : しぜんを大切にする。 そのために必要なのは、しぜん広場の生き物をころさないこと、いじめないこと。 もう少し自然がほしい。
5班 : ルールを守って、安全に遊べる学校。
6班 : 室内でも遊べる学校にしたい。そのために必要なモノは、室内で遊べるアスレチックやブランコなど。
7班 : 室内でも、沢山遊べる学校がいい。だから、プレイルームにトランポリンがほしいです。
8班 : みんなが平等に楽しめる学校。 必要なのは、みんなの努力。
9班 : 安全に過ごせる学校がいい。 だから、昇降機をふやしたほうがいい。

貴重な意見がたくさん出されました。でも意見を出し合うことより、みんなから出された意見をまとめるのがものすごく大変で、頭を使う作業です。「多数決?」という声があがりましたが、それに対して「少数派の意見もちゃんと聴いた方がいい」と言ってくれる人がいて、そのおかげで議論が深まりました。

以下も、子どもたちから出された意見です。

・昇降機が低学年校舎にあると、かえって危ないんじゃないかな。
・低学年だったら大人の人が抱えてあげればいいから、そんなに問題ないと思う。
・むしろ昇降機をつける時、その間は階段を使うことができないから大変では?
・自然はもう十分あるから、これ以上増やす必要はないんじゃないかな。
・ルールを守って安全に、っていうけど、遊ぶ前にみんな走ってしまう。だから、放送委員会が放送で流せばいいと思う。そうすれば、走る人が減るかも。
・時計を直すのは毎年代表委員の仕事になっているから、代表委員に頼むのは?

こうやって整理していき、結局、3つの内容を出すことにしました。以下3つの意見に関しては全く別の角度からの意見なので、まとめることができませんでした。どの意見もとても大切で、実現したらもっともっと、いい学校になりそうです。

1.幼稚園や中高生とのかかわりをもう少しふやしたい。そういう場をつくってほしい。
2.室内でもたくさん遊べる学校にしたい。だから、室内遊具などがほしい。
3.みんなが平等に楽しめる学校にしたい。そのためには、やさしい心が必要。

どんどん話し合いが上手になっています。「ケンカなし!」の意見に対して、喧嘩することは別に悪いことではない。喧嘩するほど仲が良いって言うし…。ちゃんと仲直りできればいいでしょ!といろんな意見を出してくれました。たのもしい4年生です。

 

さて、すべてのクラスから葉っぱが集まってきました。今年のみんなの声の木も、とっても豊かに育っています。

 

 

 

お世話になった先生方から [Ⅱ‐466]

 6月、ご退職された教職員の方の集いに参加しました。お会いし、お話して、たくさん励まされました。ありがとうございました。

 先輩方より、「他校と違う、独自性を。その良さをさらに追求して!」「しぜんひろばに行ったら、カワセミがいたよ。これからも自然を大切に!」など言っていただき、嬉しい時間でした。現在を大切に、未来を築いていこうと思います。

2階に張り付いていたクワガタを見つけて、落として捕まえたんだ! 

 これまでをともに過ごし、励ましてくださった先生方のメッセージに勇気づけられます。背筋が伸び、このような生き方をしたいと思います。

『あかるい日本つくろうよ♪』〈初等部のうたより〉

 年が明けて間もなく、ある記事が目に留まりその映画を見に行きました。『女性の休日』です。1975年10月24日にアイスランドで全女性の90%が参加して行われた女性のストライキをアメリカ人映画監督がドキュメンタリー映画にしたものです。

 16年間ジェンダーギャップ指数世界1位(WEFによる)のアイスランドにも、その始まりの日があったわけで、黙っていて自然に1位であり続けているのではなかったのです。2025年は50周年ということで、日本でも3月8日の国際女性デーにかけて様々な団体が全国各地でイベントやアクションを展開しました。

 毎年ジェンダーギャップ指数が下位の日本は、女性首相、女性都知事を擁してはいますが、賃金格差、雇用状況、(家父長制における)家事・育児・介護、ハラスメント等々、女性が安心して生きていくには程遠い社会になっています。

 学生時代に「女性論」をかじった者としてはこの現実を前に1人の人として、女性として、教員として、母親としてするべきこと、できることは何か、と問い続けています。

 私達の学園でも、この間、女性初の役職者が選出されました。初等部でも様々な多様性の教育に取り組んできています。学園で生活する園児・児童・生徒・学生の皆さんに、授業や生活のあらゆる場面ですべての性の大人がお互いの生き方を大事にしながらフェアに関わり、共に働く姿を感じ取ってもらえたら、次代があと一歩豊かになれると思うのです。

 この度、次の道を目指すことに致しました。これも男女雇用機会均等法世代の1つの生き方へのチャレンジと自負しています。

 立場や生活の場は変わっていきますが、引き続きご縁のあった皆さまと共に「みんなの幸い」について考え続けていきたいと思います。

   PTA代表委員の皆さん、ありがとうございます

 内外の政治情勢から経済や社会、教育や文化のあらゆる部面が大きく揺らいでいる現代。決して大げさでなく、本格的な戦争の時代の前ぶれのような、世界が未曽有の危機下にあることは誰もが感じているところです。

 国家の論理に回収されない「市民」という自覚的目線がことのほか大切な時代だと考えます。

 学園の歴史をひも解けばわかるように、桐朋女子は前身の山水高女時代も含めて、「戦争と平和」の昭和という時代が作った学校です。2024年1月、多摩の全26市が、平和文化振興に向けた共同宣言(平和宣言)を発表しました(平和首長会議議長(広島市長)の呼びかけに賛同した「多摩26市平和ネットワーク」=国内初の自治体間平和ネットワーク名による)。中でも桐朋学園のある調布市は、いち早く「非核平和都市宣言」を制定した自治体です(1983年)。中略

 このような時代だからこそ、私学である桐朋学園には調布市や多摩26市平和ネットワークと同様の理念を再確認し、協働し、国家に徒に回収されない「市民」という目線を明確に堅持しながら、健全で良識ある教育活動につとめていただきたい、と願っております。中略 

 この国の社会や教育や文化がどうなってゆくのか、過去をふり返り想像力を働かせることが今、何よりも大事です。「歴史は繰り返さないが同じ韻をふむ」(M.トウェイン)。

 今から81年前、縁故疎開先の広島で、若いいのちを原爆により断ち切られた15歳の山水高女生のことを、先の「桐朋教育」57号で紹介しました。先日、2026年度新執行長に選任された●●さんが、仙川キャンパスの被爆桜の由来(広島市爆心地から2キロ圏内の安田女子高校より寄贈のソメイヨシノ2世)について、生徒会誌「思奏」に書いて紹介してくれました。(Ⅱ‐458参照)

 女子部門・男子部門・音楽部門を問わず、私学である桐朋学園がもっとも大切に守らなければならない不変の校是は、こうした歴史の積み重ねに由来するものです。皆さまと思いを共有できますように。

*広島で亡くなった山水高女生徒のこと  戦況が厳しくなり、動員のために勉強もままならぬ中、故郷や親族のもとに転向する生徒が連日のごとく増えてきた。鈴木信子さん(一年菊・二年藤・三年楓組)もそのようなお一人で、四月に故郷の宮島に戻り、広島市内の学校に転校されてすぐ、原爆によって若い生命を失ったという悲しい記録が残る。長く寮にいて先生方に可愛がられ、相良校長〈山水高等女学校の初代校長、相良達夫氏〉時代の「針供養」という学校行事を楽しんだ記録がある。温和な性格を伺わせる「祖母のこと」と題した作文が「山みづ」に遺されている。『桐朋教育』№57 特集「学園史資料との対話」41ページより

ワールド人口密度カップ開催!

 日本vsスウェーデンをやっているちょうどその頃、6年算数ではワールドカップならぬ「ワールド人口密度カップ」を行いました。


人口密度(人/㎢)は、人口(人)÷面積(㎢)で求められることを確認し、まずは、練習がてらシンガポールとモンゴルで練習試合をしてみました。

・シンガポールの式 611万人÷ 0.07万㎢=約8728人/㎢
・モンゴルの式 355万人÷156.4万㎢=約2人/㎢

想像してみると、モンゴルの人口密度の低さやシンガポールの高さに驚きます。(あくまで1あたり量なので、全部の場所でそうであるわけではありませんが…)


 
さて、ここからが本番です。3人一組で、A~Lからの1グループ決めます。その4か国の人口密度を協力して求めます。Fグループを選んだ三人組は、日本・スウェーデン・チュニジア・オランダです。トーナメント形式で、お互い1つの国を選び、「せーの」で出します。
例えば、FグループvsAグループの場合
日本…12310万人÷37.8万㎢=約325人/㎢ vs メキシコ…13200万人÷196.4万㎢=約67人/㎢
                 

この場合は、人口密度を比べ、人口密度が高い方、日本の勝ちです。計算ミスをした場合、本当の人口密度÷2になってしまうので、計算力も重要ですし、どの順番で出すか戦略も大切です。何よりも4年に1度のワールドカップの雰囲気を楽しみながら、人口密度の理解もできる時間となりました。

 

 

想像を広げて読む

 1年生の国語では、物語文『けむりのきしゃ』の学習に取り組みました。このお話は、空から落ちてきた流れ星を煙突掃除のおじいさんが煙突の煙に乗せて空へ返してあげる、心温まる物語です。

 

 学習の始めには、「どうして流れ星は空から落ちてきたのだろう」という問いについて考えました。子どもたちからは、「星と星がけんかをして落ちてきた」「まだ小さい星だから落ちてしまった」「夢をかなえるために人間の世界へ来た」「空で星同士がぶつかってしまった」「地上から空へ戻ろうとして落ちた」など、さまざまな考えが出されました。

 

 

 また、おじいさんに拾ってもらったお星さまがどんな言葉をかけるのかも想像しました。「ありがとうございました。また会えたらお返しをします。」「空へ戻してください。」「次に流れ星が落ちてきたら、願い事を言ってね。願いをかなえます。」「おじいさんも星の世界へ来てみませんか。」など、同じ場面を読んでいても、一人ひとりが思い描くお星さまの姿はさまざまでした。

 学習の終盤には、お話の続きを想像して絵で表現しました。空へ帰ったお星さまが虹に乗って戻ってきたり、家族を連れておじいさんにお礼を言いに来たり、雷様と一緒にやって来たりと、子どもたちならではの豊かな発想がたくさん見られました。描いた絵をもとに友達同士で交流すると、「空に帰ったお星さまが虹に乗って戻ってくるところが面白かった」「お星さまが家族を連れてお礼を言いに来るのがすごかった」などの感想も聞かれました。どの子も友達の話をよく聞いていて、印象に残った場面を上手に紹介する姿が見られました。

 

 授業の最後には、作者である矢崎節夫さんが文章化した『けむりのきしゃ』の読み聞かせも行いました。子どもたちが考えてきた「なぜ流れ星は落ちてきたのだろう」という問いに対して、作者なりの答えも描かれていました。しかし、それは唯一の正解というわけではありません。物語を読む楽しさの一つは、自分なりに想像を広げることにあります。

 

 『けむりのきしゃ』の学習を通して、子どもたちは登場人物の気持ちや物語の続きを自由に想像し、自分の考えを友達と伝え合ってきました。一人ひとりの数だけ生まれた物語や考えを大切にしながら、これからも学びを深めていきたいと思います。