投稿者: tohoblog
「僕はAさんに賛成だ」「私はBさんに賛成します」~6年生との授業 [Ⅱー332]
授業では、「自分の意見を大切にしよう」「思考力、判断力を耕そう」「相手に伝わるように表現しよう」などを大切に、子どもたちを励ましています。
ある文を読み、自分の考えを書いて、お互いにその考えを聞き合った時間のことをお伝えします。
[教材]Aさんは、「『男の仕事』『女の仕事』はあると思う。いくら世の中が進歩したとしても、男でなければできない仕事、女でなければできない仕事というものはたくさんある」と、自分の立場を示したうえで、「力を必要とするような仕事は男の人でないとできない。大工さんや工事現場の仕事などは、男でなければ困る。一方細やかな気づかいや優しさが必要な仕事などは、女の人でないと難しい」などと述べた。
一方、Bさんは「『男の仕事』『女の仕事』は、ほとんどないと思う」と、自分の立場を示したうえで、「少しの例外を除いては、男だけにしかできない仕事、女だけにしかできない仕事というものはない。今では多くの仕事が機械化され、男でなければできない仕事はほとんどない。たとえば、大工さんや工事現場の仕事は、女の人でも十分にできる」と述べた。
この二つの文章のうち、あなたが賛成するのはどちらの文章ですか。まず賛成する文章はどちらの文章かを示し、なぜその意見に賛成したかを説明してください。
卒業アルバム写真「思い出の場所」の撮影より
[意見]➀僕はAさんに賛成だ。なぜかというと、大工さんとかは、女性がやると力がなく、時間がかかり、男性とかに厳しく怒られて女性が傷ついてしまう。逆に何かを考える人とかは、男性がやると大ざっぱで、分かりにくいけど、女性がやると細かいところまで教えてくれるのでいいと思った。男性と女性は、得意なことと得意じゃないことがあるから、やる気があるなら別だけど、僕はAさんに賛成だ。
➁私はBさんに賛成します。もちろん、力を必要とする仕事、気づかいや優しさが必要な仕事、というのはあります。ですが、女の人でも力がある人はいるし、男の人でも気づかいのできる優しい人はいます。それは、人それぞれであり、「男の仕事」「女の仕事」ではなく、「自分に合った仕事」というのがあると思います。例えば、男のモデルさんはコスメなどに詳しいし、女のパイロットや政治家さんも増えています。これらの理由により、私はBさんに賛成します。
③Aさんに賛成します。なぜなら、キャビンアテンダントのように、男の人や女の人しかやれない仕事もあるし、機械では出来ないような精密な仕事などでは、体力がある男の人の方が向いていると思う。一方で、Aさんが言ったように、気づかいや優しさが必要な仕事は女の人しかできないと思う。
➃僕はBさんに賛成します。「男は力仕事、女の優しい仕事」というひと昔前の考えに賛成できません。保育士、介護士は男性でもできるし、力仕事をできる女性もたくさんいるだろうし、力仕事とか関係なく、協力することが大事だと思う。
⑤私が賛成するのはAさんです。確かに、今の世の中、ジェンダーがとても大事にされているけど、やっぱり体の構造が違うから、難しいのではないかな、と思いました。私の考えでは、例えばスポーツのバレーボール。男、女の試合を見たときに、球のスピード、身長も、男性の方が高いため、ネットの高さも、まったく違います。そういうことも考えると、女性が大工をできない、とは思いませんが、女、男の仕事はあるのではないかな、と思いました。
⑥私はBさんの意見に賛成する。確かに今、世の中は男の仕事、女の仕事で分けられているが、力の差などは、小さな頃から鍛えていれば補えるのではないか? 裁ほうや料理が得意な男性もいれば、力が強くたくましい女性もいる。今、現時点では男の仕事、女の仕事が分けられているが、いつかその区別がなくなる日がくると、私は思う。
⑦Aさんの意見にも、Bさんの意見にも賛成します。適材適所というように、人は向き、不向きはあるので、ただ僕は適した場所で仕事をやる必要はないと思う。自分がやりたい所に行けばいいと思う。ただ、適した所でやるのも面白いと思う。
⑧私はAさんの文章に賛成します。理由は、やっぱり男の人の方が力はあるから、女の人に出来ない事もあると思います。工事現場とかだと、力仕事が大半だと思うので、何十㎏もある物を持ち上げるのは難しいと思いました。でも、自分がやりたい事をやった方がいいと思った。
⑨僕はBさんに賛成します。「男の仕事」「女の仕事」、男でないと困る、女でないとおかしいなどあると思う。でも「男でないと困る」仕事に挑戦する女性もいます。それを否定するのはおかしいと思う。力や技術、男が有利な条件を持つ仕事でも、努力して、その仕事をできる。それがすばらしいと思った。
Bさんに賛成した人がたくさんいました。いろいろな考えを聞き合うなかで、たとえば⑤の人(Aさんに賛成)が意見を述べた後には、「なるほど~」「わかるわかる」という感想もBさんに賛成した人たちからも語られました。一人ひとりの違いを大切にしながら、お互いにかかわるなかで、一人ひとりが変化や成長を続けています。ぼくもその一人です。
幼稚園年少児「音をたのしむ」世界へ
その時間の最後に、藤明里さんの記事を紹介しました。藤さんは、日本初の女性旅客機機長として、今も日本航空で乗務を続けられています。藤さんは、大学受験のころにはすでにパイロットという目標を抱いていました。国内に女性機長の前例はありませんでしたが、藤さんは「性別が関係する仕事ではないはず」と信じて、挑戦を続けました。
藤さんは桐朋小学校の出身です。「桐朋で自由を尊重し、夢とか可能性を否定しない環境で育ったせいか、私はそんな理由で諦めるということを知らなかったのです。」と言われていました。
前の文で、⑥の人が願った「いつかその区別がなくなる日がくる」を、藤さんがつくり出していることを子どもたちと共有したいと思いました。藤さんについては、NIKKEIリスキリングの記事を参照しました。
ウクライナの方との出会いで生まれたもの
3年生から始まる地球市民の時間。
地球に生きるひとりとして、さまざまなルーツを持った方たち
と出会い、ふれあい、交流し、心に生まれる言葉をふやしていきます。
今年の3年生スタートはウクライナから日本に来たある家族との出会いでした。
子どもたちは、事前にこのお話を聞いた時から、どうやって出会おうか一生懸命考えました。
「このおりがみはね、日本の国旗と、ウクライナの国旗の色にしたんだよ。」
「日本ぽいものをあげたいんだけど、兜をつくるのはやめたの。だって争いを想像させちゃうかもしれないから。」
「ウクライナってどんな遊びがあるのかな、コマって見たら驚いてくれるかな。」
「ねぇねぇ、ウクライナの国旗の意味って知ってる?こんな素敵な意味があるんだよ!」
「あいさつ、この言い方で伝わるかな・・・。ようこそってウクライナの言葉でみんなで言うのはどう?」
ウクライナの文化を事前に調べ、自学ノートにまとめ、
国語でも『ちいちゃんのかげおくり』と今の世界を結びつけて
そしてこれから出会うウクライナの家族に思いを馳せながら、当日を迎えました。
まずは、自分たちが日々やっているコマやけん玉、なわとび、民舞を見てもらい、お出迎え。
その後、ウクライナの学校生活や、食事、文化、そして今の現状、自分たちが願っていることを聞きました。
子どもの感想をもとに、ふりかえっていきます。
・リアちゃんの絵が上手だった、言葉が通じなくても伝わると思った。
・シェルター(地下)にかくれるときに、さむかったと言った時に、すごくたいへんだったんだなと思いました。
・私は、日本の学校とウクライナの学校が全くちがうのに気づいてびっくりしました。あとは、リアちゃんの目。黒じゃなくてとってもきれいな目でした。すっごくきれいでした。
・ヤンくんの好きなものが、私といっしょでうれしかったです。私たちの日常にちじょうとは、まぎゃくのことがおこっていて、びっくりしました。大変な時に、私たちに会いにきてくれるなんて、とってもうれしいです。
・家族が日本にきて、日本は町がきれいで人がやさしいというところもありましたが、言葉が通じないので困っていることも多いそうです。同じ言葉をしゃべっていなくても、コミュニケーションが簡単にとれるようになるといいです。
・ヤンくんが話してくれた家族とはなればなれになる不安、リアちゃんが話してくれたほかの国に行って何もわからないまま、すごさなくてはならない不安、本当にたいへんだった気持ちが伝わりました。
・ぼくは、一家のゆめが、「みんなで安心してくらせますように」というないようを聞いて、おどろいた。ぼくたちにとって、当たり前のことだったから。
いろんな言葉が子どもたちの中に生まれた時間でした。
この出会いは、”これから”に繋がっていくと信じています。
WEB交流会ご参加の方へ
本日(2月18日)はWEB交流会を行います。
お申し込みいただいた皆様には、受付完了メールにZoomのURLを記しております。
各組、開始時間の3分前からご入室の操作を開始いたします。
お名前の表示方法などご確認の上ご準備ください。
限られた時間ですが、本校の雰囲気を少しでもお伝えできればと願っております。
ご参加が難しくなった場合、特別なご連絡は不要です。またの機会をお待ちしております。
なお、接続に関するお問い合わせは、
03−3300−2111(代)
「小学校WEB交流会の件で、小学校職員室」とお呼び出しください。
(お手元に、「受付完了メール」をご用意ください)
各組、開始時刻よりしばらくの間、お電話をお受けします。
また、交流会後、アンケートのご提出をお願いしております。
ミライコンパスマイページよりお願い致します。
桐朋小学校 教務
「その時」に備える
先月、初等部の避難訓練を行いました。
「休み時間中に火災が発生した」という想定で、放送で伝えられた火元を避けるルートを自分で判断しながら子どもたちは校庭に集まります。幼稚園でも、先生のよびかけにあわせて園庭に避難しました。
訓練の様子を見守りに来てくださった調布消防署の方からお話を伺いました。
避難の最中少ししゃべる姿があったこと、集合時になぜ真っ直ぐに並ばないといけないか、などをご指摘いただきました。心に留めて、いざという時に備えなくてはいけませんね。また、今はマスクをしていることが多いですが、煙の状況によってはさらにタオルなどで口元を覆うのも有効なのだそうです。
乾燥した冷たい冬の空気に体を縮こませながら、28年前の1月に発生した阪神淡路大震災でも、大変な火事の被害があったことを改めて思い出しました。
いつ遭遇するかわからない「その時」に備えて、ご家庭でも備蓄品や緊急時の約束事などを確認してみてください。
美術展の作品、コメント ~その人の思いや考えを知る [Ⅱー331]
美術展の作品には、その人のコメントが掲載されています。作品をみて、コメントを読むと、作品への気持ちや考え、過程での試行錯誤、対象を選んだ理由など、いろいろなことがわかり、その人と作品に対して理解が深まります。金、土、月の3日間、一人ひとりの作品とコメントをじっくり見ました。少し紹介します。
「さいしょは、さかなをやろうとしたけど、できないことがわかると、しましまをつくりました。」
「長い間がんばって練習してきた『みかぐら』なので、がんばってかきました。」
「黒のこさがいろいろあって、かくのがむずかしくて、何回もかきなおしました。」
「この絵に描かれている字は五・七・五とリズムがよくなるように考えました。また、かぼちゃをリアルに描くため色をこくしました。」
「ここを歩いた時、とてもきれいで、思い出に残っているので、この絵にしました。」(八ヶ岳合宿)
「僕がこの作品を選んだ理由は、運動会の七頭舞で踊ったことが一番の思い出だったからです。」
「私は絵を描くのが苦手ですが、このシクラメンは優しい色あいで、とても気に入っています。」
本校では、対象との出あい、心のふるえ(感動)を大切に取り組んでいます。美術科「カエルの日光浴」(『桐朋教育54』より引用)を例にすれば、
「子どもたちは、ただ見て観察するのではなく触ったり、持ったり、逃げたのを追いかけたりしながら、カエルを感じます。あのカエルを持った時の感触は、持った人でないとわかりません。あの臭いにおいも嗅いだ人でないと、本当にはどのようなものなのかは、わからないのではないかと私は思います。とにかく子どもたちは、触ったりつかまえたりしながらこの生き物を感じ、観察するのです。」
「一通り遊びながら観察したら次はスケッチをします。大人は頭で論理的に考え、カエルの体のつながりを理解しようとしますが、子どもたちの多くは、感覚的です。パッと見て、足の曲がり方が、つじつまが合っていなくても、感覚的に自分の思うものに合致していれば「うまくできた」と感じます。私はそんな風に感覚的に描かれた子どもの絵はものすごく面白いと感じますが、皆さんはいかがでしょう。中略 /この感覚的に描いて生まれた行為を繰り返しながら子どもたちは成長していきます。」となります。
本日の美術展保護者鑑賞について
本日の美術展は予定通り開催します。
お足元に気を付けて、暖かくしてご来校ください。
・鑑賞時間は学年、クラスの指定があります。案内をよくご確認ください。
・IDカード、スリッパなどお忘れなく。
・お子さんと合流される方は、各クラスに直接迎えに行ってください。
(事前に連絡帳でお申し出のあった方のみ)
教務
本日の美術展について
先ほど、調布市の大雪注意報が、大雪警報に変わりました。
しかし、警戒すべき時間は「昼過ぎから」ということです。
本日の子どもたちの下校は、急な変更による混乱を避けるため予定通りとします。
また、交通機関も現時点で平常通り動いていることから、午後の鑑賞も予定通りといたします。
みなさま足元にお気をつけていらしてください。
桐朋小学校 教務
もうすぐ美術展 [Ⅱー330]
美術展では、授業で制作したものの中から「描く」「つくる」の作品を一人ひとりが選んで展示します。
1年かく 「画用紙のへんし~ん」「金魚鉢と金魚」「土の中の動物や虫のおうち」「版画・ローラー遊び」「柿の色作り」「絵描き初め」。1年つくる 「おいしいランチ」「ねんどのおやつ」「モンスターのパペット」「山のおみやげ」「おりもの」
2年かく 「きれいな海のきれいな魚」「自転車にのって行ってみたいな」「見て描くカメ」 2年つくる 「空想のお家」「紙工作ジオラマ」「粘土の鈴」
3年かく 「大きな春の木の下で」「いろいろこいのぼり」「あじさい」「たなばたかざり」「ザリガニと遊んだよ」「なつの思い出」「みかぐらをおどったよ」「ステンドグラスのように」 3年つくる 「すてきな植木鉢」「楽しい屋台作り」「動くどうぶつ」「アルミランプシェード」「手ぶくろをおる」「心のおにをやっつけろ」
4年かく 「絵巻物」「消防自動車がやって来た!」「カエルの日光浴」「一版多色刷り木版画ー生き物たちの不思議な世界」「スニーカーのデッサン」 4年つくる 「世界にひとつのオリジナル黒板」「動物の貯金箱」「ふくろを織る」
5年かく 「窓の向こうの世界」「見て描く 手のデッサン」「木版画 好きな動物のいる風景」「秋の絵手紙」 5年つくる 「魔よけのかお」「スポーツその時、その一瞬」「すてきなカリンバ」「絵を織る」
6年かく 「チョークで描く~こころ落ち着く風景を」「わたしの『一字』」「パートナーに読む絵本づくり」「炭でリラックス」「七頭舞を踊ったよ」「見て描くシクラメン」「思い出の風景・校舎・八ヶ岳」 6年つくる 「一生一碗」「一枚の板から」「はりこでランプ‥オブジェ創り」「アルミレリーフ彫刻」
子どもたちは、創意工夫をしながら、楽しみ、時に踏んばり取り組んできました。日々の授業では、一人ひとりが完成に向けてめあてを持ち、誠実に取り組むように声をかけてきました。
子どもの作品に耳をかたむけると、どのようなことがきこえてくるでしょう? 作品から、子どもたちの息吹を感じていただけると嬉しいです。
ひろがるハーモニー
6年生は、アルトリコーダーと歌のミニ発表を行いました。
音楽会は隔年開催ですし、十分にスペースが確保できない音楽室での参観は難しいため、クラス懇談会に来校される保護者にプレイルームで聴いていただくことになりました。
1学期からコツコツと練習してきたとはいえ、人前で演奏するとなるといつもとは違う集中力と覚悟が必要です。
冬休みを挟んでしまったため、3学期の授業は思い出すところからの開始です。
パートを決めて、となりの人と助け合いながら突貫練習をして迎えた本番。
3年前の音楽会では、小鳥を模したかわいらしい掛け合いの歌を披露していた人たちが、ぐんと大きくなって、力強い大人の声になっていることに、感慨を覚えました。
毎日接している私もそうなのですから、久しぶりに6年生が集団で並んだ「生」の姿を目にするおうちの方は、より感じられたのではないかと思います。(授業参観中の撮影はお断りしているのですが、せっかく揃う場でしたので演奏の合間に写真タイムを設けると、記者会見のようなシャッター音が響いていました!)
歌うことに少し抵抗を感じやすい年代に入ってきた子どもたちですが、みんなで声を合わせて、目の前の人に届けようという気持ちが素直に伝わってきました。(○○のお母さんがまだ来てないよ、と心配する声が聴かれたりして、ほほえましい場面もありました。)
自分の声を大切に。みんなの響きを大切に。これからも音楽を身近に、豊かに味わっていってほしいです。
下校しました
1月31日(火)17:00更新
登下校に小田急線を利用する児童の保護者の方へ
小田急線 新宿駅~向ヶ丘遊園駅間の運転見合わせは、16:30に全線再開になりました。
16:45に学校を出て、教員が残っていた児童をバス停まで引率しました。
自宅に着くまでにもうしばらく時間がかかると思いますが、よろしくお願いします。