投稿者: tohoblog
5年生八ヶ岳合宿その①
4年生の八ヶ岳合宿の後すぐ、今度は5年生が合宿に行きました。
2回目の合宿。学年のテーマは、「深める」。去年の経験を活かし、今年は様々な活動を深めていきたいという願いを込めてこのテーマにしました。
いよいよ合宿本番。行きのバスはバスレクリーダーのリードで楽しく遊びながら行きました。
バスが到着し、重い荷物を背負って寮へ向かいます。30分ほど歩いて寮に到着。管理人ご夫妻が雨の中出迎えてくれました。
合宿リーダーのリードで入寮式を行い、これから楽しみなことを発表するなどしました。
本当はこの後、昨年度雨でできなかった川遊びリベンジの予定でしたが、連日の雨で川が増水していたため今年も断念…残念ではありましたが、午後には雨がやんでいたため、たっぷり自由時間を楽しむことができました。早速、虫や池にいる生き物を捕まえる人、とりあえず外に出てあちこち歩いてみる人…寮の中でも部屋でのんびりしたり、おしゃべりを楽しんだりする人がいました。
去年の経験があるため、「あの実はここにある」などのことがわかっている子どもたち。アブラチャンの実をたくさん取ってきて、きれいに皮をむいて「森の真珠」づくりもしました。
夜は星空散歩の予定でしたが曇っていたため、銀河鉄道(日本一標高の高い鉄道、小海線)を見ることに。しーんと静まり返った森の中で虫の声を聴きながら、列車が通るのを待ちました。
その②に続く…
「初めてセミの羽化を見た」 4年合宿その③
自由時間にお腹にブローチをつけて歩いている人がいました。なあに?と見ると、セミのぬけがら…ではなく、動いています!セミの幼虫をつかまえたとのこと。部屋の網戸に移して少しずつセミがカラの外に出るのを見守ります。夕方になって、自由時間がおわっても「セミを見てくる」と言って、何人も外から見守っていました。「初めてセミの羽化見た!」「緑だったよ」誕生の一瞬に出会えた喜びを友達や先生と共有していました。
夜はキャンドルナイト(CN)です。CNリーダー達が「全員集合~!」と呼びかけて入場するところから始まりました。前半は歌いながらキャンドルツリーに点火して、静かに火を見ながら八ヶ岳での2日間を思い出しました。後半はクラス対抗伝言ゲームと両クラスの団がまざってのばくだんゲームで盛り上がります。そして、ダンスタイムは♬バナナ と♬マイムマイムで盛り上がりは最高潮に。「楽しい~」「もう一回やりたい」の声もありながら、各クラスの代表の人が思い出を表現し、聞き合いながらみんなの気持ちも落ち着いていきました。
1日目に比べてぐっすり寝ている人が多くて、遊び疲れたかな、活動をやり切ったかな、星は見えなかったけど、いい夢見てね…と眠りにつきました。
3日目は大掃除。自分達が生活したところを自分たちで掃除して退寮するために、分担をしました。「トイレ掃除もやるの?」「あんな大きいお風呂、そうじしたことないよ。」と言いながらも、一生懸命手を動かします。管理人さんご夫妻に「4年生なのにすごい!おそうじが上手!」と、特別に褒められるほど一生懸命やりました。
準備から2か月かかって作ったきた「私たちの合宿」。目に見えないお土産をたくさん抱えて東京に帰る道は梅雨明けの青空。夏休み明けの合宿レポートを読み合いながら、またみんなで思い出にひたる時間も楽しみですね。
最近、心ふるえたこと [Ⅱ‐432]
1、考えさせられました
生き物が大好きな子どもたちなのだが、生き物とふれあう直接的な体験があまりない子どもたちについて書かれたコラムを読みました。
コラムを書いた方は、その子たちと過ごす中で、「目の前に広がっている世界(生命が生きている姿や、起きていること)にはそれほど惹かれずに、言葉で作り上げてきた世界を当てはめようとしている」と捉えていました。
私が知っている子たちにもそうしたことがあるのでは、と読みました。よく「知っている!」と言い、「知っている」ことで満足してしまって、対象との関わり、感動はどうなのだろうと思う場面に出あいます。(私自身がそうなっていないかという問いも)
コラムでは、子どもたちの様子から、図鑑的な知識の習得がまずあるようだと捉えていました。それに対して、目の前に広がる世界に感動するからだがあって、それを分かち合いたくて、言葉が生まれることを書いていました。
「僕たちは生き物です。どれだけ図鑑や動画に囲まれようとも生き物です。豊かなからだこそが豊かな言葉を生み出し育みます」。その通りだと思いました。
8月1日、しぜんひろば、畑の様子
2、教育、教員に関わること
(1)『崩壊する日本の公教育』(鈴木大裕著、集英社新書)
本書を読み、鈴木さんの講演会に参加をしました。少し前には、『ルポ 学校がつまらない 公立小学校の崩壊』(小林美希著、岩波書店)を読みました。
『崩壊する日本の公教育』は、日本の教育現場を取り巻く息苦しさ、その正体を突き止め、少しでも息を吸うことのできる空間をつくろうとする願いを込めて書かれていました。構成は、
第1章 「お客様を教育しなければならない」というジレンマ―新自由主義と教育
第2章 人が人でなくなっていく教育現場―教員の働き方改革の矛盾
第3章 新自由主義時代の「富国強兵」教育と公教育の市場化―政治による教育の「不当な支配」
第4章 「自由」の中で不自由な子どもたち―コロナ禍が映し出した教育の闇と光
第5章 「教師というしごとが私を去っていった」―教育現場における「構想」と「実行」の分離
終章 「遊び」のないところから新しい世界は生まれない
でした。
教員の困難な現実として、「長時間労働」「心身の回復に不可欠な休憩時間すら確保されていない」「仕事が精神的な負担が大きい」などがあります。そのような中で、よりよい教育をと願い、葛藤する日々を過ごします。
著者の鈴木さんは、教員の仕事を取り戻すために、「教員の現場裁量を保障すること、教員の数を増やして子ども一人ひとりと向き合う余裕を確保すること、自己研鑽するための休みを確保すること、生徒の成長と直接関係のない調査などの事務作業を外部委託もしくは撤廃すること、点数に依拠したPDCAサイクルを廃止すること…」などを提案しています。
それから、「教員が教えに浸り、子どもの成長を促す環境づくりのために行政ができることはたくさんある」と言います。「行政と学校との主従関係の解消と教育現場における構想と実行の結合、そして教員の自由裁量を取り戻すこと」を求めています。
教員の本来の仕事として、「子どもの心に火をつける」「子どもの問いに寄り添い、彼らの好奇心を育む」「子どもたちの心を豊かに」することに力を注ぎたい。教員としての喜び、やりがいを持ちたい。「今日の学校教育は、教育基本法に定められた目的である、『人格の完成』の追求に恥じないものだろうか。豊かな愛を育み、人を育てる学校であれ。それと関係ない業務は極力削減し、M先生のような教師たちが、自由に、そして生き生きと活躍でき場所であれ。」と言います。
(2)民間教育研究団体での学び
この夏も各地で、民間教育研究団体の全国大会、集会が開かれます。8月、桐朋学園(仙川)を会場に、「第73回 全国作文教育研究大会 2025年関東大会」(主催 日本作文の会)が開かれます。
日本作文の会は、生活綴方の伝統を継承しつつ、作文教育を中心に全国の実践・研究の発展と交流をはかり、日本の教育の進歩に寄与することを願って、全国の先生たちが学び合っています。
今回は、『未来を拓く 子ども・表現・仲間 ~教育の自由を作文教育から~』をテーマに研究大会です。7月28日(月)午前中、全国の皆さんよりたくさんのレポートが桐朋小学校へ届きました。レポートは、青森、山形、宮城、福島、群馬、千葉、埼玉、東京、神奈川、新潟、長野、京都、大阪、和歌山、奈良、三重、高知、鹿児島の先生たちからでした。会場校である桐朋小学校の先生たちと、大会準備をすすめています。
参加された皆さんが、表現を通し、子どもたち、そして仲間たちとつながり合いながらがんばろう! と思える大会にしていきたい。
全国の皆さんと学び合いの様子から
今年は戦後80年。平和を願いながら、桐朋の子ども、保護者が、沖縄の伝統的な踊り「エイサー」を踊ります。『平和の創り手としての根っこを育てる子どもたちの表現』では、桐朋小学校の卒業生で、現在中学1年生の人たちが、広島や大久野島を訪れ、戦争の加害と被害を学び考えたことを発表します。参加者一人ひとりが表現を受けとり、一緒に考え合える機会となります。
会講演は、法政大学名誉教授、イシス編集学校学長、そして多くの研究機関で理事をされている田中優子さん。江戸時代などの研究とともに、現代社会が抱える課題にも多くの発言や提起をされています。
田中さんは、江戸時代の文学、美術、生活文化を研究され、江戸時代の価値観、視点、持続可能社会のシステムなどから、現代社会が抱える課題にも多くの重要な提起をされています。
たとえば、「サステナブルな循環型社会だった江戸時代には、現代社会を豊かにしてくれる多くの教訓」があることとして、「春夏秋冬の1年サイクルで時間が循環する感覚をもっていた江戸時代の人々にとって、サステナブルに働くことは生きていくための前提でした。農地を開墾しすぎたり、木を切りすぎたり、あるいは魚を取りすぎると、翌年の生活がままならなくなる。自然は巡るものであり、その恵みを享受するためには自己コントロールが必要だと理解していたのです」と述べています。また、「江戸藩邸を守る任務に当たった各藩の留守居役をはじめ、全国から江戸に集まった武士たちは盛んに情報交換を行っていました。また、農民の地位にある人たちは、『農書』という詳細なイラスト入りの農業マニュアルを作成し、出版することも多かった。『農書』が全国に行き渡ることで農業イノベーションが広がり、また新たな発想やアイデアが生まれる循環が形成されていきました」なども。(ビジネス誌「WORK MILL with Forbes JAPAN ISSUE07 EDOlogy Thinking 江戸×令和の『持続可能な働き方』」(2022/06)から転載)
全国の先生たちが、困難な中でも、自分の大切にしたい教育活動を続けています。桐朋学園を会場として、生活綴方、作文教育を大切にしたいと願う教師が学び合います。
子どもの良さとそれをひろげることを大切にしていきたいと思います。
―研究大会に参加をされた方からの感想。「励まし、ありがとうございます。」
●桐朋学園の子どもたちによるパフォーマンスは、とても心がポカポカしました! 平和のポスターの話は、自校でも、実践できそうと思いました!
●実行委員さん中心にさまざまな歓迎の催しがあって嬉しかった。オンラインが進んだ現代でも、心を動かすのはリアルなものだと再確認した。
●どの企画もとても良かったと思います。桐朋小の企画からは1つ1つから日頃の教育の素晴らしさが伝わりました。
●桐朋学園の子どもたちの発表、エーサーも戦争についての学びの発表も、とても心に残るものでした。ここまでの準備、きっと大変だったことと思います。大変な中でも私たちの心に響く、私たちがこれから大切にしていかなければならないことに気づかせてくれました。
●エイサー、広島見学後のポスター発表など、桐朋小学校の素晴らしさを十分に感じることができました。
ウクライナの絵本作家 ロマナさんとアンドリーさんからいただきました
「カエルを57ひきつかまえた!」「見て見て、サワガニ!」 4年合宿その②
出発前からの雨予報…。バスを降りて、レインウエアを着ての寮までの道のりとなりました。到着してお昼ご飯の時は土砂降りでしたが、みんなが外に出る頃にはほとんど雨が上がり、外で遊ぶことができました。池に小さいカエルがたくさん泳いでいるのを見つけると次々と捕まえ始める人、それを見て一緒になって捕まえようとする人たちでとうとうバケツはカエルたちでいっぱいに…!ヤゴを見つけた人、サワガニを見つけた人などで入れ物を総動員させて、なんとか“獲物”はそれぞれのところに収まりました。
二日目は予定を変更して、寮内の森でネイチャーリーダーが作ってくれたネイチャービンゴを楽しみました。「森のエビフライあったー」「黄色い花、たんぽぽだ。あれ?(春の花なのに)まだ咲いてるの?」と、発見し、歩いているうちに何種類ものきのこも見つけたり、葉っぱの名前を調べたり。団ごとに何ビンゴできたかな?と確かめると、「1ビンゴ」「2ビンゴ!」「え~0ビンゴ」結果はともかく歩いているうちに森に詳しくなりました。
雨が降らないように祈りながら、U字構で火おこし。「まず新聞紙を丸めて。」「その上に枝を置いて。」「マッチを順番にすってね。」火おこしリーダーの出番です。学校で練習した成果を見せながら、団のみんなが順番にマッチをすり、おっかなびっくり新聞紙に移そうとします。「燃えた!」「うちわであおいで!」あおぎ過ぎて灰が舞ってしまったり、消えてしまってもう一回やり直したりしながら何とかどの団も火が起こせて、焼きマシュマロと紅茶でホッと一息つきました。
森のおみやげ作りでは、拾ってきた石や実でキーホルダーやブローチ作りに挑戦。思い思いにポスカで色をつけ、ボンドでくっつけたりして素敵なお土産ができました。ついでに手や顔や着ているTシャツにもアーティスト風のペイントが…!ほっこりと楽しいひと時でした。
全員がリーダー!みんなで創る合宿を… 4年合宿その①
4年生にとっては、初めての宿泊行事「八ヶ岳合宿」がありました。みんなで創る行事としては初めての大きな仕事でした。手探りながらもみんなが自分の持ち場を支え、お天気とにらめっこしながらも楽しい3日間を過ごしました。
まず、5月28日にキックオフ集会。「どんなところ?」「どんなふうに過ごすの?」「何を持って行っていいの?」行ったこともない高原寮での生活にみんなの頭の中はハテナ?でいっぱい。前の4年生の写真や係と団(グループ)の作り方などをスライドで見ながら、まずは係や団をどうやって決めるか、クラスごとに話し合うところから。「自由がいい!」「好きな人同士がいい!」「くじ引きでだれがなってもいいようにしようよ。」いろんな意見が出ましたが、話し合った上で「自由に」決めてみました。が、限られた人数のグループになりたいメンバーが収まりませんし、自分が一緒になりたい、と思っても相手も思ってくれるとは限りません。言い合ったり、泣いてしまう人がいたり…「自由」ってなんだろう?上手くいくにはどうしたらいいんだろう?とたくさん時間を使って考えました。
やっとメンバーや係が決まると、今度は週に一回のリーダー会(係会)、団ミーティングで合宿のめあてや楽しみを話し合ったり、仕事の分担や生活のルールを決めたりしていきます。全員が部屋・保健、ネイチャー、ミーティング、キャンドルナイト、バスレク、ハイキング、火おこし、食事の8つのリーダーになり、どうやったら八ヶ岳合宿がより楽しくなるか、それぞれの話し合いを重ねました。
合宿直前の7月9日の学年集会では、各リーダーからお知らせや進み具合を共有されました。そして、クラスごとに練習していたキャンドルナイトのダンスの合同練習で盛り上がりました。合宿本番がますます楽しみになりました。
わくわく ほくほく 蒸かし芋
2年生は1年生の頃に植えたジャガイモの収穫をしました。これまでの期間、草取りをしたり葉や花の観察して元気に育っているのか確認したりしながら育ててきました。大切に育ててきたジャガイモはシンプルな味付けで素材本来の味わいを楽しむことにしました。
ヨモギだんご作りで「蒸す」という調理を知った子どもたち。今回のジャガイモの調理も蒸籠を使って蒸していただくことになりました。
「蒸かしたじゃがいもってこんなに甘いんだ!」
調理実習をする前までは、他の料理を作ってみたいと呟いている子もいました。しかし、今回の経験で簡単の調理で素材の味を楽しむことを面白がれたようです。また、1年生のときに植えたじゃがいもが立派に育ったことから、土の中の見えない世界に不思議さを感じた子もいました。
さあ、今回の経験を糧に2学期はどんな学習をしていきましょうか。楽しみですね!
体験会と説明会の予約受付を、7月24日(木)正午開始しました
本校にご興味をお持ちくださる皆様
8月30日(土)開催の学校体験会と学校説明会のお申し込みを、本日(7月24日 木曜日正午)から受付しています。
★満席表示は、以降にキャンセルがあった場合に解除されます。お手数ですが適宜ご確認ください。
★男女の枠、年齢の制限などよくおたしかめください。
★年長児体験会と説明会どちらにも参加される場合は、それぞれお申込みが必要です。
★夏季休業中は、お電話が繋がらない場合もございます。ご承知おきください。
◆学校体験会(小学校校舎内)
対象:年長児+保護者1名(保護者のみの参加、未就学児、きょうだいの同伴不可です)
各回、開始時刻の15分前受付です。
①9:00~10:10(男女枠あり)
②10:30~11:40(男女枠あり)
③13:00~14:10(男女枠あり)
内容:低学年校舎での教室体験と、校舎内ブース見学
・各回、70分程度の予定です。
・双子のごきょうだいは、それぞれお申込みください。(付き添いの保護者は1名でも構いません)
※②の枠は、下記説明会と重なっています。重複して参加することは出来ませんのでご注意ください。
◆小学校説明会(ポロニアホール)
対象:お子さんの年齢制限なし
〇10:40受付 11:00開始~11:50終了予定
内容:校長、運営委員長、現4年担任がお話しいたします。
・大人向きの説明会です。1家庭2名まで。(お子さんの年齢制限なく、参加できます。)
・こちらの説明会に関しては未就学のお子さんは人数に含めません。
・体験会とのお子さんの連続参加は、負担が大きいためご配慮ください。
・塾、幼児教室の方はご遠慮ください。
桐朋小学校 教務
地球環境危機に直面する現代 [Ⅱ‐431]
2025年もたいへな暑さが続いています。
世界気象機関(WMO)は、2024年の世界平均気温が、産業革命前の水準と比べて1.55度上回ったと発表しました。気候変動対策の国際ルール・パリ協定で、気温上昇を抑える目標とされる1.5度水準を単年で初めて超えたのです。日本の気象庁によると、日本の平均気温も観測史上最高でした。
地球環境危機の進行と保育、教育の課題
近年、特に6~9月に、猛暑のため、外で自由に遊ぶことができない、グラウンドの使用ができない日が多くあります。最上階の暑さが酷いため、教室空調の設定温度を下げて使用をしています。窓には遮熱シートを貼り、風の通りをよくするなどの対応をすすめ、子どもたちの健康を守る取り組みをすすめなくてはなりません。
科学者のヨハン・ロックストロームらに学んで、地球環境危機を9つの視点でとらえると、「気候システム」は「危険ゾーンに突入」し、現時点でも「異常気象の頻度が増加し、その現象も極端になっている」状態です。私たちの現在がすでにそのことを示していると考えられるのではないでしょうか。
2019年、日本学術会議会長より、『「地球温暖化」への取組に関する緊急メッセージ』が出され、その内容は「私たちが享受してきた近代文明は、今、大きな分かれ道に立っています。現状の道を進めば、2040 年前後には地球温暖化が産業革命以前に比べて『1.5℃』を超え、気象・水災害がさらに増加し、生態系の損失が進み、私たちの生活、健康や安全が脅かされます。これを避けるには、世界の CO2排出量を今すぐ減らしはじめ、今世紀半ばまでに実質ゼロにする道に大きく舵を切る必要があります。」というものでしたが、私たちの取り組みは不十分で、危機は進行しています。そして、「いったん上昇した気温を元に戻すことはほぼ不可能なので、このままの状況が続けば『温暖化』では収まらず、まさに『沸騰化』が常態となります」と言われてきました。
私たちは社会の担い手として、地球環境危機の進行に対する取り組みを具体化することとともに、保育、教育においてどのように向き合うのか大きな課題です。
子ども一人ひとりには、子ども時代を謳歌する権利があり、そのための成育環境づくりをすすめなくてはなりません。それは、幼児期、児童期、青年期に、地球環境のすばらしさを実感し、大切にする気持ちや考え、行動を励ましていくことが土台として必要です。園や学校、地域などで豊かで多様な体験を生み出し、その体験から自分(たち)で環境の大切さや意味をつくり出していくことをすすめていきたいと考えています。
1学期、暑さのために時間は限られていましたが、園庭やしぜんひろばの木陰で過ごす気持ちよさ、風の心地よさを感じながら過ごす子どもたちの姿がありました。学園では地下水をくみ上げて使わせてもらっていますが、水の冷たさも感じます。しぜんひろばの川の流れ、いろいろな生き物がそこで暮らしているなども、子どもたちの成長にはなくてはならないものだと思います。
音楽の道に進む卒業生が、「音楽というのは身近な所から感じとれます。例えば、しぜんひろばで耳をすませると、木が揺れる音や葉っぱの擦れる音、鳥の鳴き声や虫が動く音、すべて音楽なんですよ。音の調和があり、波の重なりが奏でられています。」と言っていました。大切な世界がここにある、私たちの過ごす場所だと思いました。
世界では ―グレタ・トゥーンベリさんの訴えから、世界へひろがる声、行動
2018年、高校生のグレタさんは、毎週金曜日に学校を休んで、スウェーデンの国会議事堂の前で座り込み、地球温暖化への対策を訴える活動を1人ではじめました。この活動は世界中に広がり、「地球を守るために僕たち若い世代が自分たちの未来のために動かないといけない」などと、集会やデモで訴え続けています。日本で『未来のための金曜日』など多様な活動がひろがっています。私たちはそうした声と行動に学び、地球環境への責任をもち、対策を行っていかなければなりません。
2019年、国連の温暖化対策サミットにおけるグレタ・トゥーンベリさん(16歳)の演説を読みました。この演説の「あなた方」とは、サミットに参加した各国の代表であり、地球の状況を理解せず、必要な政策、解決策をとっていない私たち大人と捉えれば、この演説より学ぶことの意味は大きいと考えました。
私が伝えたいことは、私たちはあなた方を見ているということです。そもそも、すべてが間違っているのです。私はここにいるべきではありません。私は海の反対側で、学校に通っているべきなのです。
あなた方は、私たち若者に希望を見いだそうと集まっています。よく、そんなことが言えますね。あなた方は、その空虚なことばで私の子ども時代の夢を奪いました。
それでも、私は、とても幸運な1人です。人々は苦しんでいます。人々は死んでいます。生態系は崩壊しつつあります。私たちは、大量絶滅の始まりにいるのです。なのに、あなた方が話すことは、お金のことや、永遠に続く経済成長というおとぎ話ばかり。よく、そんなことが言えますね。
30年以上にわたり、科学が示す事実は極めて明確でした。なのに、あなた方は、事実から目を背け続け、必要な政策や解決策が見えてすらいないのに、この場所に来て「十分にやってきた」と言えるのでしょうか。
あなた方は、私たちの声を聞いている、緊急性は理解している、と言います。しかし、どんなに悲しく、怒りを感じるとしても、私はそれを信じたくありません。もし、この状況を本当に理解しているのに、行動を起こしていないのならば、あなた方は邪悪そのものです。
だから私は、信じることを拒むのです。今後10年間で(温室効果ガスの)排出量を半分にしようという、一般的な考え方があります。しかし、それによって世界の気温上昇を1.5度以内に抑えられる可能性は50%しかありません。人間のコントロールを超えた、決して後戻りのできない連鎖反応が始まるリスクがあります。50%という数字は、あなた方にとっては受け入れられるものなのかもしれません。
しかし、この数字は、(気候変動が急激に進む転換点を意味する)「ティッピング・ポイント」や、変化が変化を呼ぶ相乗効果、有毒な大気汚染に隠されたさらなる温暖化、そして公平性や「気候正義」という側面が含まれていません。この数字は、私たちの世代が、何千億トンもの二酸化炭素を今は存在すらしない技術で吸収することをあてにしているのです。
私たちにとって、50%のリスクというのは決して受け入れられません。その結果と生きていかなくてはいけないのは私たちなのです。
IPCCが出した最もよい試算では、気温の上昇を1.5度以内に抑えられる可能性は67%とされています。しかし、それを実現しようとした場合、2018年の1月1日にさかのぼって数えて、あと420ギガトンの二酸化炭素しか放出できないという計算になります。
今日、この数字は、すでにあと350ギガトン未満となっています。これまでと同じように取り組んでいれば問題は解決できるとか、何らかの技術が解決してくれるとか、よくそんなふりをすることができますね。今の放出のレベルのままでは、あと8年半たたないうちに許容できる二酸化炭素の放出量を超えてしまいます。
今日、これらの数値に沿った解決策や計画は全くありません。なぜなら、これらの数値はあなたたちにとってあまりにも受け入れがたく、そのことをありのままに伝えられるほど大人になっていないのです。
あなた方は私たちを裏切っています。しかし、若者たちはあなた方の裏切りに気付き始めています。未来の世代の目は、あなた方に向けられています。
もしあなた方が私たちを裏切ることを選ぶなら、私は言います。「あなたたちを絶対に許さない」と。
私たちは、この場で、この瞬間から、線を引きます。ここから逃れることは許しません。世界は目を覚ましており、変化はやってきています。あなた方が好むと好まざるとにかかわらず。ありがとうございました。(出典 NHK news web)
「サマーワールドフェス in TOHO」
1学期の終わりに、5、6年生の委員会による前期児童会発表、「サマーワールドフェスin桐朋」が行われました。
各委員会ならではの出し物を企画し、全校の子どもたちで楽しみます。
今日は企画名をご紹介!
代表委員会「桐の子縁日」
体育委員会「TOHOスポーツ検定」
図書委員会「図書室ダイエット大成功事件」
あそび企画委員会「謎のホーンテッドハウス」
放送委員会「よけて!しゃべって!七夕ジャングル」
理科園しぜんひろば委員会「とうほう中in宝さがし・自然を使ってワークショップ」
保健委員会「みんなで楽しもう!お仕事体験!」
プレイルーム委員会「命がけの宝さがし」
どの企画も、とっても楽しそうですね。
とても暑い中でしたが、委員会の5、6年生がいきいきと活動していたからか、遊びに来た下級生もとても楽しそうでした。
1学期の委員会活動は、「みんなの声の木」作成や、子ども集会、そして日々の学校生活をつくる地道な仕事など大忙しでしたが、楽しみながら頑張る姿が素敵でした。
2学期の活動にも期待です!
6年生では百人一首が人気
6年生の歴史の授業では和歌について取り上げ、「百人一首」、さらに「競技かるた」について学びました。
かつて全国高校競技かるた選手権大会10連覇を成し遂げた名門高校の競技かるた部出身である、桐朋小の司書の先生を教室へお招きして、その青春時代や部活としての競技かるたについて熱く語っていただきました。和歌にちなんだ先生の名前のことや、競技かるた部の意外な「体育会系」的な雰囲気について等、とても面白いお話で、子どもたちも強く興味を惹かれていました。授業の後半では実際にかるたで対決する場面も見せてもらいましたが、先生の圧巻のスピードに歓声があがりました(ルールでは、音をたててはダメなのですが)。
この授業以降、6年生では「競技かるたブーム」が巻き起こっていて、休み時間では図書室をはじめ様々なところで、かるたに興じる子どもたちの姿がみられています。