「今日のひらがなは、なんだろう。」

入学してから、1学期でさまざまなことを学んだ1年生。今日は、国語のひらがな学習について紹介します。

1学期で、ひらがなをすべて学びました。桐朋小学校では、1文字1文字ゆっくりと丁寧に学ぶことを大切にしています。日々の授業では、「言葉」「物」「音」がつながることを意識して学びました。

※写真は、「こ」の字を学んだ時の発表「『こ』んざつ」を表しています。

ひらがな学習も、毎日ただ順番に学ぶのだけではもったいないです。系統的に学べるように順番や内容を構成しました。

①「こ」を学んだ次の日の国語の授業

前日に「こ」を学んだ子どもたち。「さ」の中にある秘密を見つけます。

これを読んでいる皆さんはお気づきでしょうか。

 

~少し考える時間~

 

子どもたちが実際に言ったことは、

「『さ』の中に、『こ』が隠れているよ。」

「2本目(2画目のこと)のななめで しゅっがなければ『こ』だ。」

でした。「さ」だけを学ぶのではなく、前の「こ」と関連付けて学ぶ姿勢が素敵だなぁと思いました。

 

②「さ」を学んだ次の日の国語の授業

前日に「さ」を学んだ子どもたち。すかさず

「昨日は、をやったから、今日はきだろうな。」

と、授業の前から予想します。自然と系統性を見出すようになってきたのは、この頃からでした。

 

 先生から「今日は、〇の字をやるよ~」「は~い」

このような受動的な学びばかりでは、子どもたちはきっと飽きてしまうと思いますし、私たちはもったいないなぁと思っています。

ひらがなを一文字一文字ばらばらに学ぶのではなく、①②の授業のように、前や次の学習とつなげて考えながら学ぶことで、主体的な学びになっていくのではないかと思います。2学期も子どもたちと一緒に楽しみながら授業を創っていきたいです。

※写真は、「ひらがな」すべてを学んだ後の様子。達成感が表情から伝わります。

奈良教育大学の戦争遺構[Ⅱー398]

8月9日~12日、奈良教育大学、奈良教育大学附属小学校での研究会に参加しました。

12日、奈良教育大学戦争遺構保存会(以下、戦争遺構保存会)の学生さん、先生方が学内の戦争遺構を案内をしてくれました。たくさんの学び、発見がありました。戦争遺構保存会の皆さん、ありがとうございました。

 戦争遺構保存会の方のスライドより

【弾薬庫】 下の写真。現在、弓道場の横に、イギリス式レンガの積み方をした「弾薬庫」だった建物が残っていました。

【周辺土堤】 弾薬庫のまわりの土堤は、カラタチの木が多くあったそうです。カラタチの鋭い棘が出入りを阻止したり、射撃場の弾が外にはねたりしないように植えられていたそうです。

【営庭】 奈良教育大学正門付近にあった営庭(下の写真)。この場所にも、鹿がたくさんいました。奈良教育大学附属小学校には、泉水庭園が残っています。

【吉備塚古墳】 吉備真備の墓と伝えられています。クヌギの大木に覆われていました。当時、多くの軍人がここで自殺を図ったそうです。

【糧秣倉庫】 当時、軍人や馬用の食糧の貯蔵に使用され、現在は、教育資料館になっています。

【北門】 当時は、生活資材搬入のために使用されたそうです。下の写真

【野仏集場】 野仏は、駐屯地になる前の田畑から集められたものだそうです。「厳しい訓練に耐えかねて、幾人もの若い軍人が首を吊り、命を絶ったため、作られた地蔵が置かれている場所である。遺族が訪れて、敷地の隅に集積された野仏に手を合わせる姿が見られたと言われている。」(パンフレットより)

 

奈良教育大学の敷地が、かつて陸軍の兵営で、明治から終戦まで、延べ7万人もの将兵が駐屯していたそうです。「奈良教育大学 昔ここには軍隊がいた!! 奈良聯隊(れんたい)」(戦争遺構保存会作成)のパンフレットには、「1909年に、陸軍歩兵53聯隊が新設され、現在の奈良教育大学の敷地に駐屯した。当時は徴兵検査に合格しても、大阪や京都の聯隊に入隊せねばならず、『奈良に聯隊を』の声が高まっていた。しかし、1925年には政府主体の軍備縮小計画に伴い、53聯隊は廃止されるが、まもなく奈良県出身者が多く入隊していた陸軍歩兵38聯隊が京都から移駐し、日中戦争発生後は中国に進駐する。同聯隊は、南京にも関与した。戦争後は米軍の駐屯地として接収されるが、1958年に奈良教育大学の前身にあたる奈良学芸大学が敷地をもらい受け、現在に至る。」と書かれていました。

遺品などが教育資料館にありました。(かつては【糧秣倉庫】として使用)この日は、小学校の教室に展示してくださり、手にとってみることができました。

 

パンフレットには、「奈良県出身者が多く入隊していた陸軍歩兵38聯隊が京都から移駐し、日中戦争発生後は中国に進駐する。同聯隊は、南京にも関与」と書かれています。学生さんの報告には、「1937年11月 『大和旭新聞』の報道 助川部隊は約7000の捕虜を擁しており、処理に悩まされた」「助川部隊の『戦闘詳報』によれば、捕虜が7200人とあるのにほぼ一致」「捕虜に悩まされた結果⇒放火 戦死者の中に、女学生や中学生、一般市民が含まれていた?」「1938年9月 歩兵38聯隊の補充隊などで編成された歩兵第51聯隊が武漢作戦<日本軍による毒ガスの本格的使用>に参加。後に南京付近の守備にあたる」「南京事件に関わった歩兵第38聯隊がいて、その後、グアム島で玉砕、4000人いた兵士で生き残ったのは数名だった」などが語られました。

私が研究会で行った奈良教育大学と奈良教育大学附属小学校、奈良教育大学にある戦跡、その戦跡を保存し、学び続け、地域にも伝えようとする学生や先生たち、戦跡にかかわる歴史への学び、そして加害の歴史など、私の中でつながっていき、さらに学びたい気持ちになりました。

戦争遺構保存会の学生さんは、「学長ともかけあって、遺跡の看板の設置を申し入れたが、予算の関係で実現できなかった。そこで、戦争遺構の地図とパンフレットを作製」したそうです。

「学生有志の集まりとして『奈良教育大学戦争遺構保存会』を立ち上げ、この度、『奈良教育大学戦争遺構パンフレット』を作成しました。/このパンフレットを作成するに当って、奈良県立図書情報館や奈良教育大学図書館での資料集めや、大学内の戦争遺構をめぐるフィールドワークなどを行い、歴史に思いを馳せ、今後の生活をどのようにしていくのかということを考える場として残していくための方法や文章を考えました。ただ単に戦争に反対するだけでなく、なぜ戦争が起こるのか、なぜ戦力を持たなければならなくなったのか、どのようにすれば戦いのない世の中を作ることができるのかということを考えることが平和学習としてできることなのではないでしょうか。少なくとも私たちはそのような願いや想いを込めてパンフレットづくりに励みました。(後略)」(『授業と課外活動の連携による平和学習の開発ー教員養成における取り組みを事例としてー』向井夫佐代、板橋孝幸、奈良教育大学 ESD・SDGsセンター研究紀要より引用)

war_remains_map.pdf (nara-edu.ac.jp)

野菜の収穫と雑草とり

 2年生は、畑で育てている野菜の収穫と雑草とりをしました。

 暑さのため、作業時間を限りなく少なくしての取り組みでしたが、新鮮な野菜を収穫できました。

 子どもたちは、

「あっという間に草がボーボーになっている。」

「なかなかぬけない。雑草ってこんなに力強いんだ。」

「こんなに、実が大きくなってるよ。」

と植物の生命力や生長に驚いたり、感動したりしながら作業に取り組みました。  

墨作り体験

 書写の授業の一環で、奈良県で墨職人をされている錦光園の長野睦さんに、墨作りを教えていただきました。

 4年生のころから書写の時間の初めに、子どもたちが熱心に固形墨を擦って墨液を作っている姿を見ていて、ぜひ体験してほしいと思ったことが、今回の体験学習実施のきっかけです。

 

 生の墨は、菜種油などを燃やして煤を採り、膠と混ぜて作られます。温かく柔らかいものですが、短時間のうちに練りながら空気を抜き、丸めたものを棒状に伸ばして型に入れれば出来上がりです。この出来上がったものを3ヶ月間、桐の箱に入れて置いておくことで、いつも使っているような固形墨が完成します。実際に、子どもたちが練って作った墨は、3ヶ月後の10月に出来上がる予定です。 

 

 墨を使う人が減っていることや、職人技であるにもかかわらず後継者が不足しており、現在9つしか墨作りをしているところがないそうです。貴重な経験をさせていただけたと思います。

 

 以下は、子どもたちの感想です。

▢すみ作りのプロにすみ作りを教えてもらいました。そのうえで、ぼくは青や赤色などのすみはあるのか気になったので、聞いてみた。「青や赤色のけむりはないので…」と聞き、ダメかーと思った時、プロの人が「動物のゼラチンに青や赤色が入っていたら付くかも」と言っていました。いつか作ってみたいと思いました。

▢すみを作ったりする授業をやりました。初めて知ることが多くて、おもしろかったです。すみ作りは初めての感覚で、おもしろかったです。

▢とても新せんな感じだったけど、思いのほかくさかったです。でき上がるのが楽しみです。


▢なまずみの触感が気持ちよかった。3ヶ月後にはこをあけるのが楽しみです。


▢生ずみは、意外とかたくてだん力があった。ひびが入ってて心配。楽しかった。


▢(すみを)作るのに、とても長い事かけて作っていることがわかりました。実際にやってみたらおもしろくて、楽しかったです。すぐそこにある物でも、とても長い事かけて作っていることが改めてわかりました。


▢プロの人からすみ作りを教えてもらいました。すみ店っていうのが全国に9けんしかないのがびっくりしました。すみがすごくやわらかくて、ねんどをさわっている気分でした。すみがタイムカプセルみたいなもののよう
な感じがしました。


▢今日のすみづくり、おもしろかった!一番おどろいたのは、全国ですみ屋さんは9つしかないこと!そのうち8つは奈良県だということ!あれはビックリ!すみをこねているのおもしろかった!ねんどみたいだったよ。丸くするところでめっちゃつやつやになっていたのが「すごいっ!!」って思ったよ。


▢生すみが最初あったかくて、ねん土みたいでおもしろかったよ!3ヶ月後が楽しみ!


▢最初は空気をぬいて丸くして、その次に棒状にして指でにぎって、最後にかんそうさせたら完成です。ぼくはにぎってかたを取るのが難しかったけれど、うまく完成できてうれしいです。使うのが楽しみだな。

▢おもしろかった点は、材料が3つだということです。たった3つで、あんなものができると思うと、おもしろかったです。

▢すみ作り、すごく楽しかったから、「すみキット」みたいなものがあったらよさそう。

▢材料で印象に残ったのは香料。ニオイがおもしろい感じ。でも、ふだん使っているすみは、こんなニオイがしないからびっくり。あと、形を作ってから3か月も待たないといけないなんて…。話を聞けば聞くほど、大変なのがわかった。

▢1つの材料(例えば「すす」)を作るだけで、かなり時間がかかる上に、すべてをまぜてかたちを作って固めるとなると、毎日作らなきゃふつうに買えないんだろうと思ったし、見せてくれた倍くらいのスピードとなると…。(自分が)すみ作りした時もひびが入ってしまって、職人さんってスゲーって思いました。

▢墨の作り方がずっと変わっていないのもすごいと思いました。あと、実さいに作ってみて、ひびとかがあるとやり直しになってどんどん固くなっていくのも大変でした。時間とか技術とかはやっぱり大切だと思いました。

 

8月6日[Ⅱー397]

8月6日、広島へ原爆が投下され、今年で79年になりました。朝テレビに、本校に来てくださっている山岡美知子さん(平和記念資料館や平和公園をガイドし、被爆体験伝承者1期生として国内外の人たちに被爆の実相を伝えて続けている)が出ていました。続けて、平和記念公園での平和記念式典を見て、投下時刻8時15分に、平和を祈りました。

式典では、広島松井市長が、「皆さん、自国の安全保障のためには核戦力の強化が必要だという考え方をどう思われますか。また、他国より優位に立ち続けるために繰り広げられている軍備拡大競争についてどう思いますか。」と平和宣言を語りはじめました。

松井市長は、宣言のなかで、1989年、民主化に向けた市民運動の高まり、東西冷戦の象徴だったベルリンの壁の崩壊、「われわれには平和が必要であり、軍備競争を停止し、核の恐怖を止め、核兵器を根絶し、地域紛争の政治的解決を執拗に追求する」とゴルバチョフ元大統領の決意、レーガン元大統領との対話で戦略核兵器削減条約の締結の実現などを述べていました。そして、「皆さん、混迷を極めている世界情勢をただ悲観するのではなく、こうした先人たちと同様に決意し、希望を胸に心を一つにして行動を起こしましょう。そうすれば、核抑止力に依存する為政者に政策転換を促すことができるはずです。必ずできます。」と呼びかけられ、心に響きました。

 しぜんひろばで育つ被爆アオギリ2世

続いて、岸田総理大臣は「首相あいさつ」で、「核軍縮を巡る国際社会の分断の深まりやロシアによる核の威嚇等により、核軍縮を巡る情勢は一層厳しさを増しています。しかし、『核兵器のない世界』への道のりがいかに厳しいものであったとしても、我々はその歩みを止める訳にはいきません。」と述べていました。そのことばを聞いていて、総理大臣は、7月に、「『核の傘』を含む米国の戦力で日本への攻撃を思いとどまらせる拡大抑止をめぐる日米閣僚級会合」で話をしていたことを思い出しました。

翌7日の朝日新聞に、岸田首相は「6日の平和記念式典で決意を改めて語った」が、「約10日前に日米閣僚級会合」で「日本が米国の「核の傘」で守られていることを国内外に誇示したばかり」と述べ、「矛盾」を指摘していました。

私たちは、核兵器廃絶をめざすのか、核抑止力に守られることをめざすのか、核禁止に取り組むのか、これからどうしていくかを考え、行動していかなくてはなりません。

 8月7日、しぜんひろば

7日の朝日新聞には、元NHK杉浦アナの記事も出ていました。杉浦さんは、13歳で被爆したお父さんの体験を「家族伝承者」と語っていることや「父は戦争や核兵器は絶対によくないと考える一方、現状を容認する核抑止論者です。娘としては歯がゆいですよね。あれだけの体験をしながらなぜ、って。核抑止の考え方が危ういということをメディアももっと伝えていくべき」などと述べていました。それから、「暴力を絶対的に否定するには、暴力を憎しみを持って否定するぐらいの強さがないと、安易に武力に頼りたくなる。それを自覚するためにも、原爆を含めた被害だけでなく、日本の加害の歴史を見つめることが必要です。『自分たちが正義である』という戦争はない、と知らなければいけない」と述べていました。なぜ加害の歴史を見つめるのかを考えさせられました。

8月、いろいろな機会に、平和について考えていきます。

いももちづくりに挑戦!

4年生は昨年度から畑でじゃがいもを育てていました。暑い中、たくさんのじゃがいもを収穫しました。

そしてそのじゃがいもを使って、いももちづくりをしました。お家の人のお手伝いもなし。自分たちで火を使って調理する。きっとドキドキしていた人もいたでしょう。

調理の前に作り方や安全に作るための約束を確認し、いよいよ調理開始!みんな声をかけあいながら、順番などでもめないように話し合いながら、そして「作りながら片付ける」というポイントを意識しながら、とてもスムーズに安全に、楽しく作ることができました。

 

できたいももちの形は実に様々!小さくたくさん作る班もあれば、大きく少なめで作る班もありました。どれもとってもおいしそう!

 

調理と片付けが終わった班はできたいももちを持って教室へ。この日は机を向かい合わせていももちを囲んで、お弁当と一緒に食べました。

「もちもちしてる~!」、「おいしい!」、「しょうゆがほしい!」、「食べ過ぎた~」…

みんなで力を合わせて作ったいももち、とってもおいしかったようです。私も1ついただいたけど、もっちもちでおいしかった~。他の先生におすそわけしている班もあったけど、好評だったかな?

 

書きたい想いがあるから〜大切なパートナーさんへ〜

終業式の前、1年生の教室ではある作戦会議が行われていました。

 

「なにをかこうかな。」

「どんなものがすきなのかな。」

「なにをかいたらよろこんでくれるかな。」

ひらがなを全部習い終えた最後、1年生が挑戦したこと。それは、

“文字は誰かに想いを伝えることができる”

ならば、入学前から一番お世話になってきたパートナーさんに

今度は1年生からお手紙を書いてこれまでの気持ちを伝えようということ。

パートナーさんと一緒に積み上げてきたこと、

自分たちがしてもらったことを改めて振り返ると、こんなにもたくさんの愛をもらっていたのだと実感しました。

何を書きたいのか作戦会議をした時も

「入学式前ドキドキが止まらなかったけど、パートナーさんが電話をかけてくれて、”待ってるよ”って言ってくれて嬉しかったんだ。」

「学校案内をしてくれた時、”いつでも一緒に遊んであげる券”をくれて嬉しかった」

「私も、”ぎゅーってしてもらえる券”をもらったよ。」

 

「お手紙ファイルにね、僕の好きなものがいっぱい描いてあって、ありがとうって思った」

「七夕に、一緒にお願いごとを書いて、飾りの作り方を教えてもらえた!」

「学校くる時に毎日待ってくれてたり、バスで会うと手を降ってくれるのが嬉しい。」

 

溢れるくらいに出てきた思い出の数々。

きっとその裏にも、表現しきれないところにも、たくさんのエピソードがあるのだろうと思います。

伝えたい気持ちがあるからこそ、習い終わったひらがなを思い出しながら、丁寧に1文字1文字綴っていった時間。

好きなものを会話の中から想像して、何色が好きなのかも何度も尋ねながら一生懸命描いたメッセージカード。

絵が上手に描けない〜と嘆いていた子もいたけれど

どんなに正確で美しいイラストよりも、パートナーの”あなた”が描いてくれたもの、

一文でも、”いつも、ありがとう”と綴ってくれた言葉が、

きっときっとパートナーさんの元に、輝きながら届いているよ。

 

学び、感じ、表現し、届ける。その喜びを、これからもたっくさん、一緒に経験していこう!

 

 

 

創立70周年に向けて [Ⅱー396]

2025年度は、初等部創立70周年を迎えます。初等部にかかわる人たちと喜び合いたいと考え、準備をすすめています。この夏、園案内、学校案内を見直し、2025年以降~、園、学校で大切にしたいことを職員全員で話し合っています。

 8月、理科園しぜんひろば

現在、人々が平和で仲良く暮らすにはどうしたらよいのか、地球環境の危機的な状況を変えていくにはどうすればよいかなど、私たちの課題はたくさんあります。幼児期、児童期から、人と交わることや自然との触れあいを心地よいと思える感性が育まれていることが大切だと考え、保育、教育を行います。体験により価値づけ、意味づけがされて、その子その子の意味の世界がつくられる道筋を大切に、幼児期、児童期の子どもたちが夢中になって遊ぶ、学ぶ中で身に着けていけるようにしていきたいという願い、理想を持ちます。

初等部の研究会に何度も来てくださった汐見稔幸先生は、『保育のグランドデザインを描く』(ミネルヴァ書房)などで、「すべての子どもたちが人間らしく生きていき、自分を大事にすると同時に他者を大事にしながら、格差のないコミュニティーを実現し、社会が抱える諸課題に立ち向かっていけるような人間になってもらうためには、幼児期、児童期にどういう体験をしたらいいのか。」と問うています。どんな人間になってほしいのか、そのために初等部としてどんなことができるのか、そうしたことを大切に考えています。

 7月、園田青年会の人たちと美ら桐朋の人たち

現在、桐朋小学校の教育目標は、「子ども一人ひとりを原点に。」「自分自身の人生の主人公に、そして社会のつくり手となりゆくための根っこを育てる。」です。

学校案内などには、「「子どもを原点に」という時の「子ども」とは、十人十色の子どもであり、その全てがかけがえのない価値を持った存在です。(中略)桐朋小学校では、子ども一人ひとりを尊び、ていねいに寄り添います。そして常に目の前の子どもの姿から教育を創り出していきます。」と書いています。

前理事長の小柳敏志先生は、初等部の教育について「まず出発点に一人ひとりの子ども達が、子ども自分は自分でよいのだと思えること、自分を大切だと思う心があるということだと思います。そして、自分は自分でよいと思うとともに、他の人のこともその人はその人でよいのだと認めることだと思います。」と、話してくださいました。

それから、「社会のつくり手となりゆくための根っこを育てる」という目標に対しては、小柳先生は「生涯を通して地球市民としての自己実現のための素地の形成を援助する。」と受けとめ、初等部で大切にすることを希望を込めて話してくださいました。

いろいろな方にお世話になって70周年を迎え、そして80周年に向かって進みます。私たちは何を大切に子どもたちとの日々を過ごしていくのかをこの夏もじっくり考えていこうと思います。

 8月、しぜんひろばの様子

それから、小学校の教育目標である社会の主人公、担い手としての根っこを育むことを目指すならば、私自身が社会の主人公として生きる生き方を追求しているか問われていると思います。そして、自身の社会や世界の見方と関わりを問い、教育観を鍛え、教育実践を創る過程に自己の形成、成長をもちたいと考えます。

 7月、秋の遠足の実踏

パリオリンピックが連日報道されています。

オリンピック期間も、世界では戦争、攻撃が止みません。先日、NHKで、ガザ地区南部の病院で活動する国際NGO、国境なき医師団の医師が「私たちからのメッセージは明確だ。安全な場所などない。停戦が必要だ」と述べていました。

オリンピズムの目的は、「人間の尊厳の保持に重きを置く平和な社会を奨励することを目指し、人類の調和のとれた発展にスポーツを役立てることである」と、オリンピック憲章で定められています。

世界中で停戦の声がひろがり、停戦してほしい。

児童会発表 『ジュライでトライ キッズサマーフェス』

  1.  桐朋小学校では前期と後期に委員会の子どもたちが企画する行事が行われます。いつも放課後の時間が異なる1・2年生もこの日だけは3~6年生と同じ時間まで学校に残って楽しみことができます。

 5・6年生はこの日のために自治の時間だけではなく、休み時間や放課後も使い、全校生徒が安全に楽しく遊べるように企画し準備をすすめてきました。

「なぞときタイムアタック!(プレイルーム委員会)」

「スーパー放送ブラザーズ~人間すごろく編~(放送委員会)」

「おばけやしきぴったりアドベンチャー(代表委員会)」

「しょうがいぶつにかくれて逃げる❕~サバイバルおにごっこ~(体育委員会)」

「ハリーポッターと秘密の図書室(図書委員会)」

「ストラックアウト(遊び企画委員会)」

「自然ものづくり&自然鬼ごっこ(理科園自然広場委員会)」

「ミニゲームステーション(保険委員会)」

といった出し物が企画されました。

 

 本番当日はどこの委員会の出し物も大盛況!あまりの盛況ぶりに時間内にどうしても並んでいる全員が楽しめない・・・という委員会もありましたが、「まだ1度も入っていない1・2年生を先に通してあげよう」と上級生が譲ってくれる場面も見られました。

 

 どこの委員会も準備に時間と労力がかかり大変そうでした。それでも5・6年生たちは「俺たちの委員会が1番人が来たよな!次はなにするか!」「たくさんお客さんが来てくれてうれしいな」なんて語りながら笑顔で会が終了しました。

 今回は夏祭りの紹介でしが、子どもたちは日常の中で日々様々なことを自分たちで企画し、全員がどうしたら楽しむことができるか話し合いを続けていきます。日頃から仲間と協力しながらできっこないではなくて、どうしたらできるか?を考えあう経験を積み重ねていくことが “一人ひとりが社会の主人公となりゆくための根っこを育てることに繋がっていくのだと思います。

 次のどんな出し物が企画されるでしょうか?楽しみです。 

体験会と説明会の予約受付は、7月29日(月)正午開始です

本校にご興味をお持ちくださる皆様

8月31日(土)開催の学校体験会と学校説明会のお申し込みは、明日(7月29日 月曜日正午)から受付です。

★満席表示は、以降にキャンセルがあった場合に解除されます。お手数ですが適宜ご確認ください。

★男女の枠、年齢の制限などよくおたしかめください。

★年長児体験会と説明会どちらにも参加される場合は、それぞれお申込みが必要です。

★夏季休業中は、お電話が繋がらない場合もございます。ご承知おきください。

 


 

学校体験会(小学校校舎内)  
対象:年長児+保護者1名(保護者のみの参加、きょうだいの同伴不可)

各回、開始時刻の15分前受付です。

①8:45~9:55(男女枠あり) 

②10:15~11:25(男女枠あり)

③13:00~14:10(男女枠あり)

内容:低学年校舎での教室体験と、校舎内ブース見学

・各回、70分程度の予定です。

・双子のごきょうだいは、それぞれお申込みください。(付き添いの保護者は1名でも構いません)

②の枠は、下記説明会と重なっています。重複して参加することは出来ませんのでご注意ください。


 

小学校説明会(ポロニアホール) 
対象:お子さんの年齢制限なし

〇10:20受付 10:40開始~11:30終了予定

内容:校長、運営委員長、地球市民の時間について現6年担任がお話しいたします。

・大人向きの説明会です。1家庭2名まで。(お子さんの年齢制限なく、参加できます。)

・体験会とのお子さんの連続参加は、負担が大きいためご配慮ください。

 


 

桐朋小学校 教務