投稿者: tohoblog
入学式を行いました
先週の土曜日、とてもいいお天気の中、入学式が行われました。
水曜日、パートナー学年である新5年生は、始業式、新クラス、新担任発表など大忙し。新しいクラスの仲間どうしで知り合う間もなく、自分のパートナーが誰なのかを知ったり、待ち合わせをするための電話をかける練習をしたりしました。木曜日、金曜日は1年生の教室を楽しく飾り付け、入学式の日を、ドキドキしながらもとても楽しみに待っていました。
また、2年生は1年生の終わりの頃から、入学式で発表する表現の練習をしてきました。
他にも、6年生は1年生の教室を掃除したり、4年生は入学式会場の飾りを作ったり、桐朋小学校のみんなで、1年生がくるのを楽しみにしていました。
そして入学式当日、朝の登校の場面では、少しの緊張と、3月の頃とは見違えるような大人びた表情を浮かべた5年生が、パートナーの1年生と登校してきました。1年生を教室まで送り届けた後も、時間がくるまでおしゃべりしたり折り紙を折ってあげたり。
入学式では、1年生は5年生のパートナーさんと手をつないで入場し、校長先生から校章をもらいました。
そして2年生のとっても素敵な表現に釘付け。これから2年生にもたくさんお世話になります。
桐朋小学校の仲間になった1年生。今週から少しずつ学校生活に慣れていきます。どんなことがあるか楽しみですね。
3年生、始まりました
3年生から、クラスが2クラスになり、1クラス36人になります。
今までの1クラス24人から36人なることで、今までよりダイナミックに個性と集団性を発揮できるように学習を進めていきます。
この日は、3年生のみんなが集まって、学年開きを行いました。
初めに先生の自己紹介。知っている先生もいれば、はじめましての先生もいます。3年生のみんなは興味津々に話を聞いていました。
初めてのクラス替えです。まだドキドキしている人やワクワクしている人、友だち出来るかなって不安な人、いろんな気持ちを大事に、これからみんな知り合って、仲良くなれるように、少しみんなで遊びました。
- これからよろしくね。
- 好きな食べ物は・・・
先生の指示する数で集まって、好きなものを言い合う集まりゲーム。
「3!」なら「3人」。近くの3人を見つけて、すぐに集まって自己紹介と好きなものを伝えます。
おやおや・・・元同じクラスの人と集まって笑いあったり、元東組中組西組の3人組もいたり、盛り上がっていました。
また、「木こりとりす」というゲームもしました。
木が2人。リスが1人。で1組です。みんな役になりきります!
「木こりがきたぞ!」 「嵐が来たぞ!」
声を聞いて、動き出します。
にぎやかに楽しい時間でした。3年生、これからよろしくね。
- 木こりが来たぞ~!
- 「木こりとりす」ゲーム
桐朋小学校で大切にしたいこと [Ⅱー422]
先週、1学期の始業式、入学式を行いました。昨日は、入園式でした。ご進級、ご入園、ご入学おめでとうございます。
新しい出会い、新しい生活をたのしみにしてきました。入学式を迎え、1年生のパートナーとなった5年生は、はりきっていました。入学式の朝にパートナーとの出あいなど、緊張した人もいたことでしょう。1年生もドキドキしたり、わくわくしたり、いろいろな気持ちを持ったでしょう。出あいを大切に、これからをつくっていきましょう。
入学式では、2年生は学校代表として、桐朋小学校はこういう学校だよと、表現をしてくれました。幼稚園の年中、年長組の人たちは、入園の人たちを迎えて歌を歌ってくれました。1年生との出あいは、在園、在校生にとっても変化、成長の機会となりました。
今週、ご家庭に「桐朋小学校の教育で大切にしたいこと」を配布します。私たちは、子どもの育ちと教育について、目標や大事にしていくことなどを話し合ってきました。そして、10年を目安に、園・学校案内を改訂します。5月に、保護者の皆さんへ新学校案内をお渡しする予定です。その中から、桐朋小学校の教育目標、大切にしたい9の柱をお伝えします。文書に記したことを大切に、子どもたち、保護者の皆さんと日々を過ごしていきます。
■桐朋小学校の教育目標
1 子ども一人ひとりを原点に
子どもたちが「今」を豊かに過ごし、その子らしい生き方を大切にします。「子どもを原点に」という願いのもと、多様な子どもたちをかけがえのない存在だと信じています。
私たちは、子ども一人ひとりを大事にし、心を込めて寄り添います。また、保護者の皆さんと心を通わせ、共に子どもたちを見守り育む関係を築いていきます。
子どもが自分自身と他者の大切さを深く信じ、そのかけがえのなさを理解できることを大切にしています。
2 自分自身の人生の主人公に、そして社会のつくり手となりゆくためのねっこを育てる
一人ひとりが民主的な対話を通じて平和を希求し、社会に参加するためのねっこを育みます。地球環境を守る願いをもち、人権を尊重し、お互いのちがいを認め合いながら、共に生きていきます。地球市民の一員として、子どもたちが社会のつくり手と成長できるよう、その土台を築いていきます。
何よりも、子どもたちにとって居心地のいい場所であることを大切にします。
子どもたちが幸せな小学生時代を過ごすことが、自分の人生を豊かにし、そしてこの社会のつくり手となりゆくねっこを育むことにつながると考えています。
■教育目標を実現するための9の柱
1.学ぶことは楽しい!
子どもの意欲をかき立て、子どもの疑問を大切にします。子ども自ら課題を見つめ、選択して学び続けること、物事を考え、判断し、行動する力を育みます。
2.遊びは最高の学びです
たっぷりと遊ぶことで子どもは心身を耕します。子ども時代に遊びに没頭することで得られる経験は、豊かな人生を送るための肥やしとなります。
3.子どもの自治を大事にします
大事なことを自分たちで決めていく経験は大切です。さまざまな参加を通して社会のつくり手となっていくための根っこを育てます。
4.実際に行う・本物と出あう
自然そのものとのふれあいや、実際に事物にふれて操作することを大切にします。身体をくぐらせた経験が、抽象的な概念や法則化の深い理解を育みます。
5.学びの過程や意味を大切にします
時間がかかっても、試行錯誤や失敗などから、身体でわかることを大切にします。「できた」「わかった」だけでなく、つまずき、まちがい、とまどいも、自分という人間を豊かにします。
6.ともに学ぶ・ともに働く・ともに遊ぶ
子も親も教師も、お互いの良さを大切にする関係を育て、同時に自分らしさを育みます。
7.子どもの発達にあわせた教育課程の自主編成教育を行います
子どもの身近にいる私たちが、芸術や科学の成果を大切にしながら、子どもの発達にあわせた教育課程の自主編成教育を行います。
8.親と教師、親と親は、子どもの「今」と「未来」のために結びあいます
その子その子の成長を見守り、援助することが大人の役割と考えます。子どもの一人ひとりの「最善の利益」とは何かを考え、その実現のために結び合います。
9.子どもも大人も自分らしくいられる学校に
子どもが子どもらしくいられる時間と安心して過ごせる教室空間を大切にします。授業や活動内容に応じて過ごしやすい空間につくりかえる「居心地のいい教室」。ゆったりくつろぐ時間、夢中になって過ごせる放課後を保障します。
朝日新聞4月13日社説に、「探究と未来 面白そうをはぐくもう」という題で、「学校や職場で、次のテストの点数や今月の実績も大事だろうが、将来の高みを目指すには基礎固めや試行錯誤、心ひかれることに熱中するのも大切だ。「すぐに役立つものは、すぐに役立たなくなる」と言われるではないか。/新たな歩みが始まる春、心機一転する人も多いだろう。そんな人たち、そして未来のために、目先にとらわれず、面白さや楽しさを大切にできる社会でありたいと思う。」ということが書かれていました。
4月始業前、子どもの権利について増山均先生(早稲田大名誉教授・日本子どもを守る会会長)から学ぶ機会を職場全体で持ち、
・子どもの権利条約31条に規定されている休息と余暇が保障され、楽しく遊び、想像力を羽ばたかせていく権利、すなわち休息・余暇(気晴らし)権、遊び権、文化権の課題
・子どもの権利条約40条に規定された失敗できる権利、やり直し立ち直っていく権利、更生権保障の課題
・子どもの権利条約12条、15条に規定されているように、自由に意見を出し合い集団的自治的に活動し、自ら集い会い、社会に主体的に参加していく権利(真に生と主人公になるために不可欠の権利)、自治権、社会参加権保障の課題
を実践課題として受けとめました。それから、一人ひとりのしあわせな子ども時代を大事にすることの意味として、「力いっぱい楽しんで 生きる今が しあわせな未来をつくる。」、「遊びは子どもの主食 楽しい子ども時代が輝く人生をつくる。」、「子どもは飽きるほどの自由な時間の中で 自分と出会い やりたいことを見つけ出す。」に共感しました。
新学期を迎えて、深くうなずくことがたくさんあります。*写真はすべて新学期の園、学校の様子からです。
新年度がはじまりました
夏と冬が同居する春休みが終わり、いよいよ2025年度が始まりました。
この数年、満開のソメイヨシノは先生たちしか愛でることができませんでしたが、
今年はうすいピンク色の花びらが始業の日まで子ども達を待っていてくれました。
先日、一足先に桐朋女子中学・高等学校の始業式が校庭で行われていました。
新入生のあいさつでは、3月に桐朋小を巣立った卒業生の声が聞こえてきて、小学校の先生たちも思わず足をとめて聞き入っていました。
始業式は、昨年度5年生の代表委員(すなわち、新6年生ですね!)が見事に進行してくれました。
それぞれ、1つずつ進級したことを、みんなで拍手でお祝いしました。
明日、新しく1年生72名を迎えます。
みんなで、楽しい1年を作っていきましょう。
各種届出用紙の印刷はこちら
~出席停止明けに提出する書類の確認~
※第2種、第3種学校感染症の場合は、「登校許可証」 ・・・ 医師の記入が必要です。
※インフルエンザ、コロナウィルス感染症の場合は、「登校申請書」 ・・・医療機関にて診断後指示された期間療養し、回復が認められた場合保護者が記入します。
★ 「 携帯電話/音声ありGPS携帯届 」の印刷はこちら
卒業前にいただいたメッセージ [Ⅱー421]
卒業前にいただいたメッセージを、春休みに読ませていただきました。卒業生の皆さん、ありがとうございます。
■私がこの6年間を振り返ると、ずっと遊んでいました。日々の学校生活で、勉強よりも遊びの時間の方が多かった気がします。
でも、桐朋は、「1+1=2ですよ」で学びを終えるのではなく、「どうして1+1=2になるの?」と、私たちにたくさん問いかけ、考え、色々な発想を生み出させてくれます。そして、先生が生徒に同じ目線で話しかけてくれます。私はこうしう桐朋教育を受けるうちに、自然に「桐朋っ子」になりました。
桐朋は、一人ひとりを尊重して、誰一人同じ人はいないと、一人ひとりに寄り添ってくれます。
今の私は、そんな桐朋小学校が大好きです。
■桐朋小学校はすごく楽しいところです。私はめちゃくちゃ桐朋が好きです。自分のクラスが好きです。
初めて1年生として学校に行く時は緊張すると思いますが、少しするとパートナーという心強い5年生が一緒に子どもと学校に行くはずなので、安心して大丈夫だと思います。
桐朋は自由な学校です。
とりあえず色々なことにチャレンジしてみてください。失敗しても「もう一回やろう」と思わせてくれる先生や友だちがいるので、私は色々なことにチャレンジでき、この学校が好きになれました。
パートナーというのは卒業してもずっとパートナーなので、いつでも心強いパートナーがいるんだと思ってください!
小学校生活6年間思いっきり楽しんでください。
■僕は整理整とんができなくなったり、文字が汚かったりしたけれど、それでも両親や学校の先生方のおかげて、少しずつ直すことができるようになりました。それ以外にも友だちとのトラブルなども多くありましたが、時間を経ていくうちに自らの力で解決することができるようにもなりました。そして、自分の好きなことをする時間と一緒に勉強をある程度両立することのできる環境を支えてくれました。
■私は桐朋小学校が大好きです。
色々な事にチャレンジできる所、いつも応援してくれる先生たちが大好きです。
元気な子どもたちの笑い声がよく聞こえてくる学校です。
私はすごく6年間楽しくて、あっという間でした。
「おいしい算数」など、勉強も楽しく学べます。
私はこの学校で勉強以外の大切なものをいくつも学びました。
大人になったらできない事もいっぱいしました。
どろんこになったり、池に落ちたり、私はこの学校にいくつかの大切なものをもらいました。
バナナの皮が本当にすべるのかを実験できる、子どもの疑問にとことん付き合う学校です。私はこの学校が大好きです。
桐朋小学校で良かった。
1955年、初等部創設メンバーの一人である中野光先生が「私のやっている教育は果たしてこれでいいのだろうか」と疑う教師がいる学校、「もうすこしましにならないものだろうか」とみんなで問い直すことができる学校、「いま」を大事にする教育をすすめる学校をと、話してくださったことを思い出します。
学園、学校をつくり、支えてくださった生江義男先生は、「日々新しい教育をつくり出す試みを重ねていく。『創造』、『改革』、『試行』であるべき」と励ましてくださいました。
いただいたメッセージを励みに、よりよい園、学校にしていく努力を重ねていきます。
写真は、5日(土)の午後、56年前ご卒業された10期の皆さんといっしょに過ごした時間に撮りました
いろいろな方に支えられて [Ⅱー420]
3月下旬、桐朋学園ご出身の東京慈恵会医科大学の方々にお会いして、学園との繋がりや日頃支えていただいていることへの感謝の気持ちをお伝えする機会がありました。
●2023年度、初等部教職員の研修会
岡部正隆先生(桐朋小のご出身。東京慈恵会医科大学副学長(解剖学講座 教授)*)より、『色覚の多様性とカラーユニバーサルデザイン~色覚が異なる人たちへの配慮と工夫』を学びました。**
ご講演内容は、〇「異常と言わない」色覚の呼称について、〇色が見える仕組み、〇色弱の人の色の見え方、〇色弱の人の頻度、〇色弱の人の色覚は劣っているのか、〇色弱の人は何に困るのか、〇カラーユニバーサルデザイン(CUD)、〇学校における配慮と指導、〇家庭での工夫 などでした。
ご講演より、「色覚は感覚の多様性の一つであり、血液型と同様、様々なタイプがあります。けれども、正常色覚とされる多数派の子どもと、色の見え方が異なるため、色覚の差異を超えて、子どもが同じように学べるようにするには、学校でも工夫や配慮が必要」だということを学びました。色の見え方が異なること児童がいることを前提に、違いを超えて同じに学べるよう、授業で図表などの表わし方、チョークやビブスを変えるなど、取り組みをすすめてきました。
教育現場で、『色覚の多様性とカラーユニバーサルデザイン~色覚が異なる人たちへの配慮と工夫』がひろがることを願っています。
*NPO法人カラーユニバーサルデザイン機構副理事長。桐朋学園初等部同窓会Hp桐朋との繋がりVol.51~52 インタビュー記事掲載 **桐朋小学校Hpコラム「風」 初等部の『インクルーシブ教育』をつくるための学び合い[Ⅱー356]
●食物アレルギーによる事故
2012年、調布市内の小学校で、「食物アレルギーによるアナフィラキシーの疑い」で亡くなられた児童がいました。(調布市立学校児童死亡事故検証委員会報告書)その時の衝撃、悲しみ、そして取り組みの大事さなどを学んできました。
2022年、調布市が「食物アレルギー対策10年のあゆみ 事故が風化することのないよう、次の10年に向けて」として、再発防止の取り組みをまとめました。その中にはご遺族の「悲しみというものは時を経ても減ることなく、今も私たち家族それぞれの心の中に、当時のままに満ちております。」「折々の季節に遺してくれた、彼女のさまざまな言葉や表情を想う日々を、変わらず過ごしています。」「しかし一方で、年月を経るにつれ娘の存在が私たちだけのものではなくなり、社会のあちこちに痕跡を残し始めていることも感じています。」などと書かれていました。2012年に起きたことは、ずっと心に留めて過ごしてきました。
事故後、市内の園児、児童、生徒のアレルギー症状発症時の対応で、東京慈恵会医科大学第三病院の専用電話がつくられ、救急搬送の受入れ、アレルギー症状の判断等に係る相談ができるようになりました。
本校でも、食物アレルギーによるアナフィラキシーの疑い、心配のあった時には、ホットラインでご相談をさせていただき、対応することができました。
●2020年度以降、コロナ禍対応
学園の理事である薄井先生(東京慈恵会医科大学)に、コロナ禍の対応について、何回もご相談をさせていただきました。さまざまなご助言をいただき、コロナ対応をすすめることができました。
●2024年、東京慈恵会医科大学と桐朋学園の包括連携協定の締結
これまでの生徒の研究室訪問に加え、10月には岡部先生に「遺伝子カウンセラーについて」のご講演をしていただきました。このような学びもあって、東京慈恵会医科大学を志望する生徒が増えています。
子どもたちを守り、教育活動を支えてくださり、ありがとうございます。
写真は、しぜんひろば、園庭の様子から。今年も、同窓会の皆様よりいただいた枝垂桜が花を咲かせています。
下の写真は、子どもたちと行きたかった公園。
「できそう」「おしい」を目指す体育
3学期、器械運動を行いました。
4年生は、少しずつできていく感覚を自分一人でなく、班の4人で感じられるように、声のかけ方や学び方を身に着けていきます。授業でポイントを抑えながら、ヒントを出し合います。
例えば、1~3年生の学びをふまえて、4年生の器械運動の鉄棒では「足かけ上がり」や「後方足かけ回転」にチャレンジします。普段使わない体の使い方をしたり、体を後方に投げ出すような動きをするので、怖いと感じる人もいます。
「できるかな」
「むりかも」
と思う人ももちろんいます。
でも、体育の学習では「できる」は最終のゴール地点であり、そこを一番に目指すのではなく、「できる」にたどり着くまでを学んで、みんなでだんだん上達していくことを分かち合うことを目指しています。大事なことは
「技ができそうとか、おしいは失敗ではなく、ちょっとできるようになっているんだ」
ということをみんなで理解して学ぶことです。
このことを、特に器械運動の授業では繰り返しメッセージとして、発信していきます。
「おしい」=「できない」ではなく、「おしい」=「できそう!」「少しできるようになった」なのです。
この意識の持ち方で、学んでいきます。子ども同士で
「さっきより、いい感じ。もう少し〇〇して!」
「おしいまできてる!」
「もっと、〇〇して!」
などの声かけから、明らかに応援しながら、一緒に学んでいる様子が見えます。この「おしい!」を大事にできるということは、チャレンジの気持ちを大事にできるということなのです。失敗してもいいのです。
最後の授業までには、たくさんの「おしい」感覚から「できそう」になる手ごたえを感じ、中には「後方ひざ掛け回転」のゴールにたどり着く人もいました。
だれかが、さっきよりおしいとき、できたときに
「お~!!!」
「やったじゃん!!」
などの歓声が上がるのも特徴です。このよい雰囲気や感覚を自分だけでなく、周りの友だちも感じているところが素敵です。
「できそう!おしい!」を目指して、みんなで学んでいく体育。
もちろん「できた」や「もっとできた」も大事にします。
こんな風に一人一人個人の目標を班で共有し、我がことのように協力し合っています。
おめでとうございます [Ⅱー419]
第66回 卒業式を行いました。72名が卒業をしました。皆様、ご卒業、おめでとうございます。
式では、卒業生とともに学んだことを2つ話をさせていただきました。
1、中嶋涼子さんとの出会い
中嶋さんは、桐朋小3年生の時に、原因不明で下半身不随となり、車椅子での生活を送っています。突然のことで、中嶋さんは、みんなと違う、できていたことができなくなったなど、希望を見出せずにいた時に、ある映画との出合いに心を動かされ、変化します。その後も、いろいろなことに出あいました。中嶋さんは、苦しみや葛藤に向き合い、人生を活き活きと楽しんでいます。
中嶋さんの話を聞いた、皆さんからの感想を紹介させていただきます。
・ぼくは人と違うところが多くて、それが嫌でした。でも「人と違うことを楽しむ」ということを聞いて、元気が出てきました。
・ダメだったことを考えるのではなく、良かったことを考えた方がいいと言われたことが心に残りました。ぼくは、何で自分だけ、自分はダメだと考えたけれど、涼子さんの話を聞いて、ぼくなら大丈夫と思っていきたいです。
・私は歩けるし、走れる。体も自由に動かせる。なのに「やれない」と思ったことは、あきらめてしまうことがあります。でも、車椅子になっても色々なことに挑戦する中嶋さんを見て、やりたいと思ったことをやらなくてどうすると思いました。
中嶋さんの話を聞いて、勇気を持ち、挑戦をしよう、環境のバリアフリーはすぐにできなくても、心のバリアフリーをしていきたいと願った人がたくさんいました。
君たちが持っている豊かな可能性と、もてる力を十分に開花させて、みずからの充実のため、自分以外のために大いに役立て、未来を切りひらいてください。
2、自分史の取り組み
誕生前から2歳頃までを保護者や家族から聞き書きする取り組みでした。皆さんが書かれたことからです。
・誕生の時、僕の頭が出るたびに、1分間に140回あった心拍が、なんと44回位まで下がって、病院の先生が慌てていたので、お母さんも不安になって、「このまま赤ちゃんに会えなかったらどうしよう」と、頭が真っ白になりました。先生が僕の頭を機械でつかんで引っ張り出して、やっと僕が生まれました。一気に引っ張り出さないと心臓が止まってしまう状況だったなんて、初めて知ったので、ちょっと怖くなりました。生まれる時、命の危険にさらされてたけれど、先生たちががんばって処置をしてくれて生まれたので、あの時つくしてくれた人に感謝したい。
・(誕生後)「お子さんが怪我をして病院の救急に向かっていますので、病院に来ていただけますか」。お母さんの胸に鋭い不安が走り、心臓の鼓動が急激に早まり、息が詰まりそうになったそうです。頭の中が真っ白になり、手の震えが止まらないまま病院に向かったことを鮮明に覚えているそうです。
・(自分史に取り組んで。まとめとして)母や父から話を聞いて、子育ては百%大変だけど、赤ちゃんは可愛いからやっていけるんだろうなと思いました。動画、写真、話を聞いて、私を凄く愛情込めて育ててくれてることを凄く感じました。母は18時間も陣痛を耐えて結局手術で生んでくれて、すごく苦労したんだと思いました。そして、何事も当たり前ではなく、私が家族が大好きで、親も家族が大好きで、一緒に温かく笑顔で元気に過ごしていることの喜びを感じました。
誕生後、命の危険があった、乗り越えてきたという人も複数いました。私には父や母がいて、その父や母にも、父や母がいてと、そのうちの誰かが欠けていなかったら、私はいません。命は奇跡でつながっていると表現した人がいました。
ぜひ、授かった命を大切にしてください。命を大切にするということは、自分を大切にすることであり、自分と繋がってる他を知り、大切にすることです。そして、幸せをひろげて、恒久の平和を、不断の努力で保持し、将来に向かって充実、発展させることです。そうした社会、世界にしていきましょう。
一人ひとりが、桐朋小で培った自主性を発揮し、これからも大いに学び、語ること、生きる希望と平和な未来を求め、自らの可能性を信じてのびゆくこと、他とつながり合って生きていくことを願います。
卒業おめでとうございます。
卒業生の保護者の皆様には、お子さんの桐朋小学校卒業を心からお祝い申し上げるとともに、あわせて、今日までの桐朋教育に対する温かいご理解とご協力に厚く感謝申し上げます。ありがとうございました。
おめでとうございます [Ⅱー418]
ゆり組(年長)の人たちが、修了を迎えました。おめでとうございます。保護者の皆様、おめでとうございます。
修了証書を受け取る場面では、名前を呼ばれ、まっすぐに自分の足で歩き、いい顔でした。たんぽぽ組(年少)、ばら組(年中)と生活し、大きな成長を感じました。
3学期、『さくらばやしを めざせ』のおはなし、表現をつくり、発表しました。絵を描き、台詞を考え、衣装や表現を試行錯誤しました。「がっきたい」は、おはなしとその場面に合う音のイメージを豊かに、スリットドラム、サンダーストーム、フレクサトーン、カバサ、バスタムなどの楽器を奏でるなど、みんなで成功させました。たいへん素晴らしかったです。
3学期、桐朋幼稚園を卒園したくらきさんが、ご自身のつくった物語『じゅうにしのかくれんぼ』を園で読んでくださったことを思い出しました。くらきさんのように、ゆり組の皆さんは自分たちで素敵なお話をつくり、表現していました。
修了証書を受け取る時に、一人ひとりの顔を見ながら、先生が心を込めて名前を呼びました。一人ひとりを大切に思う気持ちが伝わってきました。
保護者の皆様が、一人ひとりに、とっても温かい拍手を贈ってくださいました。お家の人たちは、これまでにお子さんを、ゆり組の人たちのことを大切に育てられました。
いろいろな人から皆さんは愛され、大切にされ、つながって生きています。
4月からは、小学生。どんどんできることが増えて、安心して、自信をもち、自由に大きく育ってほしいと思います。
修了した皆さんは、ひのきの会の人たちになります。たいへんおめでとうございます。(こうした内容を伝えたいと思って話しました。)
保護者の皆様へ
お子様のご卒園、たいへんおめでとうございます。
保護者の皆様、一つの節目を迎えられて、嬉しいですね。
それから、今日まで桐朋幼稚園でともに過ごしてくだって、ありがとうございました。
桐朋幼稚園でご一緒に子育てし、見守り、支えられたことに感謝しています。
年少から、年長3学期までの成長記録をみると、身長は20㎝以上、体重は10㌔以上増えたお子さんがいます。一人ひとりの伸びは違いますが、どの人も大きくなりました。身長、体重などの目に見えるところだけでなく、やさしさや逞しさなどを育んで成長しました。
楽しいこと大好き、人が大好き、仲間が大好き、遊びの大好き…な健康な心をもった人たちに成長しましたね!
幼稚園は、年間160日~170日、3年間だと合計で500日を過ごしてこられ、いろいろなことがあったと思います。できなかったことができるようになったり、できなくても、夢中になって取り組む姿など、成長を感じられたことでしょう。
一人ひとりにとって、大切な一つの節目ですから、どんなことが心に残っているのかを話しあってみてください。自分は、この時のことがたいへん心に残っているよ、一緒に笑って楽しんだね、など、話してみてください。
そのような時間、やりとりは心に残ります。また、成長を感じるものです。
そして、自分はだいじに育てられたんだな、自分は愛されているんだな、親ってありがたいな、などと感じます。
これから、ますます いろいろなことができる、わかるようになるから、大人としては「もっともっと」と思いがちです。そうした時に、そのままの子どもを認める、いまのあるがままを認めることも大切にしてください。
歌人 小島ゆかりさんのうたをご紹介します。
そんなにいい子でなくていいからそのままでいいからおまへのままがいいから
桐朋幼稚園でともに過ごした「ひのきの会」の人たちが、命を大切に(自分を大切にすることであり、自分とつながっている他を大切にすること)、ますます成長していくことを願います。修了おめでとうございます。(という内容をお話させていただきました。)