投稿者: tohoblog
「農業は楽しい!」米作りのお話&田植え体験
桐朋小のすぐ近くで農家を営む相田直人さんをお招きして、米作りのお話を聴きました。相田さんは、苗づくり等の作業の様子や、農家の仕事の1日の流れについて、クイズを交えながら丁寧に教えてくれました。子どもたちと年齢がそう離れていない若い相田さんが、目をキラキラと輝かせて「農業は楽しい!」と語ってくれたことが、5年生にとって強く印象に残ったようでした。
お話の後は学校田へ移動して、みんなで田植えをしました。トロトロの泥の中に足を突っ込み、相田さんが育ててくださった苗を手でずぶりと植えていきます。土の感触、温度、香りを全身で味わいました。秋の収穫へ向けて、まずは第1歩です。
命を感じる学び
蚕を飼い始めて2年目の夏を迎えようとしています。クラスにいる蚕は、昨年度大切に育てた蚕の子どもで、今年度の蚕もほとんど繭をつくり終えました。
今年度は、「生き物係」が毎日欠かさず桑の葉をあげ心をこめお世話してくれました。蚕が脱皮するための眠に入れば、そっと別部屋に移してやり、脱皮を促しています。残念ながら亡くなってしまった蚕にはちゃんにはお墓をつくってくれています。蚕ハウスもふたたび手づくりで新築されました。
子どもたちもお世話に慣れ、上手に育て上げます。そして、疑問に思うことも気づくことも高度になっていきます。
「先生、なんでこの蚕の中には真っ白い蚕がいるの?」 ということで、放課後残って蚕の周りにいた子たちと生物の放課後勉強に突入。2サイクル目の蚕は、その親の親、つまりおじいちゃん、おばあちゃんの遺伝がでることがあるということを話しました。子どもたちも、「へぇ!おもしろい!!」と興味深く観察しながら話を聞きます。
また、ある日は、クラスの子があわてた様子で職員室に駆け込んできました。 「先生!他の蛾が窓から入ってきて、うちの蚕と交尾してる!!」
急いで教室に行くと…、なんと本当に蚕のメスの成虫と窓からフェロモンにつられて入ってきた他の種類のオスの成虫の蛾が交尾していました。 みんなびっくり仰天!!「こんなことあるのー!?」
「もしかして、新種が生まれるかもしれない!!」「卵がもし生まれたらまた育てたい!」 そんな声が聞こえてきます。この蛾はなんの種類なのか、どういう名前なのか。 「なんかね、顔のところが蚕と似ているの。」と教えてくれる子もいます。よーく見ると、確かに眉毛みたいな触覚のところが似ています。 みんなでさっそく調べると、なんとくわこ(桑蚕)らしいことがわかりました。桑の葉を食べて育つ自然の蚕蛾で日本に昔からいる蚕の一種です。
次の日、蚕が有精卵を産んでいました。桑蚕と小石丸(教室で飼っている蚕の種類)の卵です。
「非休眠卵なら、すぐに生まれるね。」 とみんな。
どんな幼虫なのかな?みんな予想して紙に描いていました。どんな幼虫が見られるでしょうか。ドキドキです!
つくろう!世界に一つの仙川マップ
3年生では初めて「社会科」という教科に出会います。
4月「どんな勉強する教科だと思う?」と聞くと、「国、世界のこと?」「宇宙のこと」「知ってる!歴史だよ」「都道府県とか言ってお兄ちゃんが覚えてたのかな?」「北・南・西・東」「文化…?」「雲とか空のこと」などなど、今まで聞きかじってきた中で「社会っぽい」ものを想像してみます。そこから3,4,5,6年生でだいたいこんな勉強をするんだよ、とお話しました。
まずは地図の勉強。教室で「○○くんの席から右へ10歩、そこから左へ3歩…」というゲームを作って“どこへたどりつくかゲーム”をしました。お互いに問題を出し合ってみましたが、「えー、なにもないよ。」「教室の外へ出ちゃったよ!」「だって右とか左とかはっきりしない」「3歩と言っても人によってちがう」うまくいかないね~。そこで方位と距離の登場です。それを示し、確実に誰でもわかるようにしたものが「地図」なのです。
桐朋小学校は様々な地域から通ってくるので仙川を地元として地域学習をします。まずは、学園で一番高い屋上から眺め、どんなものがありそうか調べてみます。その次は実際にフィールドワークです。
学校の東側に行った時、たまたま通りかかったお寺で住職さんの弟さんが声をかけて下さり、お話を聞くことができました。「築地にあったお寺が関東大震災で焼けて仙川の方に移住して…。」というちょっと難しい話にも一生懸命耳を傾け、メモをとっていました。
学校の南側は班ごとに出かけました。さすがに子どもだけでは危ないので、班に1人ずつ保護者の方についてもらいました。ところどころ、「あーダンゴムシだ!!」と寄り道しながら写真を撮ってもらったり、メモをしたりしながら長いお散歩のようでした。
戻ってくると、班ごとにまとめて大きなプラダンの「マイ地図(マップ)」に書きこみます。できるだけ白いところがないように、何があったっけ?頭を付き合わせて相談しながら、世界に一つの仙川地図を作ります。
失敗は成功のもと~えだまめ~
1年生は えだまめを そだてることになった。
えだまめは大豆にもなるスーパー野菜なんだって。
さっそく、えだまめの種をまいてみた。
でも、なぜか、待てど暮らせど芽が出ない。
どうしたら、芽が出るのかな?みんなで、いっしょうけんめい、話し合った。
「水をあげなきゃ!」
「でも、水のあげすぎもダメなんだよ。」
「太陽にあてたほうがいいんじゃない?」
「土がちがうのかな?」
「となりのクラスは芽がでていたよ。」
「よし、ききにいってみよう!」。
もう一度 種をまきなおしてみることにした。
土は、ブロッコリーの木の近くに平積みに保管されていた土を 子どもたちがえっちらおっちら 運んできた。
種も、農家さんのおすすめのものを 先生に買ってきてもらった。
そして、先週、2回目の種まきをした。
毎日、毎日、霧吹きでお水をあげた。
「芽が出るかな、出るかな」と 毎日楽しみにしていたみんな。
すると、
今週の月曜日、学校に来てみたら「芽が出てる!」「にょきにょきしてる!」。
大きな芽、やっと土をもちあげてる種、まだ発芽前の種など、それぞれだけど、
どうやら、みんなの作戦は成功しているみたい!
失敗したって、大丈夫。どうしたら、うまくいくのかなって、
みんなで知恵を出し合って、いろいろと試していこう。
それがきっと大切なんだって、気づいたね。
これから、1年生のみんなは「えだまめの研究者」になることにしたよ。
転編入試験を行います(2024年9月入学)
2024年9月入学の転編入試験は、以下の学年で行います。
〇1年生 男子1名
試験日は7月6日(土)です。詳細は、募集要項でご確認ください。
〇募集要項・入学願書
以下のPDFをクリックし、ダウンロード・印刷してご利用ください。
【2024年度9月入学】転編入学試験募集要項・出願書類(PDF)
お問い合わせ
桐朋小学校
03-3300-2111
桐朋学園八ヶ岳高原寮で合宿をしました[Ⅱー392]
写真はすべて6年八ヶ岳合宿
5月下旬、自然豊かな桐朋学園八ヶ岳高原寮とその周辺で、6年生合宿を行いました。「八ヶ岳で時間を忘れるくらい思い切り楽しく過ごす」という目標を立て、活動(森の中でのかんけりやどろけい、黒曜石で石器作り、清泉寮へハイキング、火起こし体験とバーベキュー、カレーづくりなど)、早朝散歩、夜の自然体験、キャンプファイヤー、自由遊び、大掃除などを企画、実行しました。
夜の自然体験では、川の流れる音、虫や鳥の声を聞いて、人間以外の事物に触れました。黒曜石のナイフ作りでは、実際に削ることを通して硬さに気づき、何回も叩きます。ハイキングでは、去年と同じコースを歩き、声をかけあって「去年より楽に歩けた」と聞きました。今年は、やまねミュージアムや八ヶ岳自然ふれあいセンターをじっくりみて(私は故星野道夫さんのコーナーでも感動)、大きな原っぱでたくさん遊ぶことができました。帰りに大きなヤマカガシも発見しました。友だち、先生らと協力して活動を楽しみ、自他の成長を感じることができました。人間の成長に自然はとても大切で、自らの身体を使って体験することでの気づき、生きている喜びを感じさせられるからです。そうした経験と実感を大切にして、地球環境を守っていきたいと思います。
寮の敷地にツツジやサクラソウ(準絶滅危惧種)が咲き、オオミズアオ(ガ)やノコギリクワガタなど多様な生物と出あいました。樹木の皮がはがれているのはシカの行為か、キセキレイなどの巣作りのあとかなどと想像し、様々な生物がともに生きていることを感じます。かくれんぼで、幅2~3mの大岩や高さ10m程の木々に隠れたりします。ハイキングではいたるところに火山礫があり、その間を通り抜けながら、悠久の自然を感じました。寮内の資料室に、岩は約1万年前の噴火による(推定)ものと記録がありました。はるかな時を経て、今ここに私たちがいる。私たちは地球の歴史に生き、人類の大きな命のつながりのなかで現在を生きています。
<子どもたちの感想から>
★夏も涼しかったけど、春はすごくすごしやすくて、「もうちょっとで夏で日ざしが強くて、でも空気は冬だからちょうどいいんだろうな‥」と思った。その後に活動をした。黒曜石のナイフ作りと火おこしと縄文日記作りである。ナイフ作りは黒曜石が意外と硬くて何回も叩いていた。ビデオの人はプロなんだな~とあらためて思った。火おこしは友だちがすごくけむりを出していて、コツを聞いたら「力を入れることだよ」と言われた。でも力を入れてもけむりが出なくて、もう少し何かもうちょっといい伝える方法がありそうだなと思った。縄文日記は案外難しくて、縄文人はシンプルに物事をとらえるのが上手なんだな~と思った。となると、昔の人は裁判とか上手だったのかな~。
★夜の活動をやった。最初、外に出た時、暗くて怖かった。ライトをつけながら音を聞いていたら、少し明るくなった。自然の音をきいた。川の流れる音、ふくろうの音、いろいろな音がきこえた。きいている時に、私は思った。虫、動物の生活をじゃましているかも。大声を出したり、虫を踏んだり…。虫は苦手だけど、虫もがんばって生活しているから。絶対じゃましないは無理だと思う。できるだけ、虫、動物の生活をじゃましないようにしよう! 東京では八ヶ岳みたいにあまり自然で遊んだり自然の音をきいたりできないから、今日体験できてよかった。
★今日はハイキングをした。「ウサちゃんコース」でけっこう疲れた。あと15分くらいって所で疲れがたまっていた。〇〇ちゃんが「がんばってー!!」って言っていた。〇〇ちゃん疲れているはずなのに、みんなに「がんばってー!!」って言ってくれて、少し体の疲れが減って、がんばろうと思った。元気なんでそんなにあるんだろう?もしかしてつかれてないのかな?とにかくすごい! いつでも元気で明るくて、原っぱで遊んだ時、遊びにさそってくれて、優しくて、司会とかハイキングの話し合いの時にも話をまとめてくれて、すごくいい人、すてきな人だな~~と思った。〇〇ちゃん、係のこと、遊びにさそったり、色々なことをしてくれてありがとう。ハイキングできてよかった。みんなも楽しんでいたと思う!
桐朋学園八ヶ岳高原寮は、1963年、教育活動の一翼を担う野外活動の拠点として開設しました。元理事長、校長の生江義男先生(最後に先生の詩を掲載)は、「この施設が原始の息吹を取り込み、うるおいと感動に満ちた生き方を学ぶ場になる」と期待し、現在もその精神を大切に活動しています。八ヶ岳高原寮をベースにして教育の可能性を感じ、これからもその可能性をひろげていきたいと強く思います。
帰京した次の日、初等部同窓会総会で合宿報告をすると、同窓生は当時のことを思い出し、かけがえのない経験が自身に刻まれていること、八ヶ岳は『心のふるさと』などと語られて嬉しくなりました。
八ヶ岳高原寮50周年(2013年)の際に、卒業生が『これぞ、まさに<センス・オブ・ワンダーランド!>』を記しました。一部引用させていただきます。卒業生の八ヶ岳への思いが伝わります。
(前略)この恵まれた環境の中で息子たちは、人が教えるに教えられないものを自ら感じ取っている様である。小一の夏、長男はクワガタ捕りがとても上手な、音楽科の先生の息子さん(小五)に出会い、朝昼晩と寮の森の散策に一緒に行かせて頂いた。その先輩との[素敵な出会い]をきっかけに長男は昆虫や森歩きに魅了されて行った。中略 まだほの暗い早朝に布団から抜け出し、夜は懐中電灯をもっていなくなってしまう。私たちも見知らぬ森より子どもの散策を安心して許すことができる。こうして彼は、毎年森歩きを楽しみながらクワガタを捕り、自宅で産卵させ成虫にまで育て、翌年寮にその昆虫たちを帰す事を今でも続けている。これは彼のライフワークになりつつある様だ。
続いて次男は今<ガ>に夢中である。幅十センチ程もある「イボタガ」を見つけ、胸がゾワゾワ腕には鳥肌が立っている私に、「もっとよく見て。顔と体と羽の模様!」と興奮している。勇気を出して凝視すると、円らな黒目でアレ?案外カワイイ。羽根の模様は非常に斬新でデコラティブであった。管理人さんが、「こんなに美しいガは見たことがない。よく見つけたね。」と声をかけて下さる。標本をつくる!とうれしそうである。
このように子どもたちは何日も寮にいて全く飽きることがないらしい。その姿に思い出すのは、高校時代、大好きだった生物の平林春樹先生から教えて頂いた、女性生物学者レイチェル・カーソンの<センス・オブ・ワンダー>という言葉だ。彼女は、「それは<神秘さや不思議さに目を見張る感性>のことである。子供時代にこの世の美しいものや未知なるものに触れた時の感激は、かけがえのないものであり、それは大人になってからの自分を支える土台にもなり得る。」と言っている。
私が下の子を追いかけている間に、上の二人は、朝、鳥のさえずりに耳を澄ます。鹿の親子やリスに出あうこともある。昼、樹液の豊富な木を見つける。木漏れ日が眩しい。夜、ひんやりとした闇のにおいを感じながら、虫たちとの出あいに期待に胸を膨らませている。八ヶ岳の自然が、高原寮が、彼らに<センス・オブ・ワンダー>を授けてくれている。そのオーラを浴びせてくれるのだ。そう、高原寮は、これぞ、まさに「<センス・オブ・ワンダー>ランド」なのだ。(後略)
生江先生の詩 高原寮に寄せて
いまだ/この地には
語られざる詩がある/見えざる絵がある/聞えざる歌がある
今日この日から
桐朋学園の若鳥たちは/新しい巣箱をおとずれ
天然の息吹に/とりくむのだ
八ケ岳の山々は/瞬間の美をえがく
高原の草木は/盡く皆物言う
川俣のせせらぎは/妙なる調べをかなでる
そうだ
この地から この空から
若鳥たちは/原始時代の/あのすなおさを/ついばんでいくのだ
そして
それが/明日への/創造の糧となることを(1963年6月30日)
ある日の放課後
桐朋小学校は、放課後の時間がたっぷりあります。授業での学びはもちろん、自由に「遊び浸る」時間も大切にしています。子どもたちは遊びの体験の中から、実にたくさんのことを学んでいます。大人がいつの間にか忘れてしまう、体験の中から学ぶこと。子ども時代に、そんな原体験をするためには、豊かな遊びの時間が保証されていることが何より大切です。さて、子どもたちは放課後、どんなふうに遊んでいるか、覗いてみましょう。
グラウンドでは元気に野球やサッカー。汗びっしょりになって遊んでいます。
自然広場でパシャリ。新しくなったブランコで楽しそうな様子。
階段の下では何やら内緒話。穴があったらつい入りたくなっちゃうよね。
教室で人気のカードゲームを楽しむクラスもあります。
時には先生も全力参加。
今日も楽しそうな声がたくさん聞こえてくる桐朋小学校の放課後でした。
私の色は?
5月のある日、校庭はとっても賑やかです。
中高生のお姉さんたちの体育祭が行われるのです。
それぞれのチームカラーの鉢巻きを締めて、朝から気合の入った声が響いています。
そんな熱気を感じつつ小学校は通常の授業を行います。
でも、やっぱり気になるのは校庭の様子。
そこで、音楽室では『四つの色の歌』という曲を取り上げました。
♫青色は良く晴れた空・・・
黄色は菜の花畑・・・
橙はオレンジの顔・・・
緑色五月の風に・・・
こんなふうに4色が歌われていくのですが、「この中で、お姉さんたちの学年カラーはどれでしょう?」と聞いてみたら「青・黄色・緑!」とすぐに大正解が返ってきました。
「あと、赤・白・紫もあるよ」ということも知っている人がいました。
桐朋女子中学・高等学校は、その学年をシンボルカラーで呼びならわします。
今年の高校3年生は「黄色の学年」。
午後の最初のプログラム「応援交歓」では、黒から黄色への衣装替えなどが目を惹きました。
高3にだけ許されるシンボルカラーの垂れ幕も、鯉から龍に大変身!おみごとでした!
今の小学6年生が中学に入るとその黄色を引き継ぐことになります。
「私の色は何かな~」
「青が好きだから、青だといいな~」
なんていう声も聞こえてきました。
出会った色は、その学年の友達と共に、一生の宝物になることでしょう。
おまけのお話しをひとつ。
翌日の校庭は、小学生の貸し切りです。
昨日遊べなかった分も含めて、みんな元気に走り回っています。
よく見ると「体育祭ごっこ」をしている人達もいます。
応援交歓がとってもかっこよくって、真似してみたのですって!
未来の「むらさき」の少女たちに乞うご期待!
幼稚園保護者の皆さんと「学ぼう会」 [Ⅱー391]
幼稚園の役員さんより、「今こそ考え合いたい『子どもの権利』とは『原点に子どもを』とは ~子どもの権利条約30年の節目にもう一度話し合いたい子どもの権利~」という大きなテーマをいただき、悩み学びながら準備をしてお話をさせていただきました。
役員さんは、「選択肢も多く、多くの判断が迫られる現代の子育てにおいて、自分は何を大切に生きていきたいか。/どんな子ども時代を過ごしてほしいか。/変わらずに大切にしたい原点とは。/こうした経験に基づくその先の視点も交えながら、考えたい。」と話をされました。こうしたことを考えたい、話し合いたいとされていることに、私もいっしょに話したいと思いました。
役員さんは、
★子どもの人権を守るとはどういうことか? ・子どもらしい時間の流れ ・失敗して学ぶ経験 ・自分が選んで決められる自由 ・好奇心を育み学ぶ楽しさを知る(文字や数との出あい、先取り学習の弊害) など
★子どもと目線を合わせるとは? ・子どもも一人の人間であるということ ・子どもの素晴らしさや面白さに気がつくことができる感受性、一緒に感動できる感受性を親も育みたい など
★そしてなぜこれらのことが大切なのか? ・幼児期から児童期にむけて、この経験が今後の子どもたちにどう繋がっていくのか
を柱として考えられ、私は受けとり、どのように考えたのかを話しました。
まず、先週6年生八ヶ岳合宿に参加したことから話しました。合宿においても、子どもたちの<参加><自治>~自分たちで自分たちのことを決める。内容、場所、願い、企画、実行~を大切にしていました。桐朋らしく「自治」を大切にした取り組みをしていました。
写真は八ヶ岳合宿の様子
(1)今こそ考え合いたい『子どもの権利』とは『原点に子どもを』とは ~子どもの権利条約30年の節目にもう一度話し合いたい子どもの権利~ (以下、レジメより)
1989年、子どもの権利条約が国連で採択。日本政府は1994年に批准。今年で30年。
●子どもの権利は、日本の現実にどこまで根付いたでしょう?
たとえば、「強まるストレスのなか、その抑圧を他者に向けてイジメや暴力行為に走るか、内に向けての不登校、更に自傷行為から自殺にまで至る場合がある」、「統計もこれらの数値が、虐待も含んで、ここ数年上昇傾向」(堀尾輝久先生)があります。
〇こども基本法(2023年4月施行)は、「こどもの権利条約」にもとづいて「全てのこどもについて、その年齢及び発達の程度に応じて、自己に直接関係する全ての事項に関して意見を表明する機会及び多様な社会的活動に参画する機会が確保されること」(第3条第3項)という理念を示しています。この理念を日常で取り組むことが大切だと考えます。
〇国連子どもの権利委員会の勧告(2017年、第4・5回)では、生命・生存・発達の項で「社会の競争的な性格により、子ども時代と発達が害され」「子どもがその時代を享受する」ことが出来なくなっている事への危惧が示され、教育の項で「あまりに競争的な制度を含むストレスフルな学校環境から子どもを解放すること」を出されました。
子どもの人権を守るとはどういうことか?
➀子どもの権利のための特別な枠組みをとらえましょう。
・人権は、世界にいるすべての人間に保障すべきもの
・人は、条約、憲法で保障されている全ての権利を享受する。そして、国際的にも、国内的にも、子どもの権利保障のために、特別な枠組がつくられている。
・特別な枠組とは、子どもは、自らの身を守り、生活を営む能力がない、低いため、子どもならではの「特別な保護」を受ける必要がある。/子どもは、自律的な個人として生きる能力を身に着ける途上にある存在だから、成長する主体として尊重されねばならない。「大人の権利とは異なる考慮が必要」。権利行使は当人の意思に基づくが、当人の意思に任せるのが不適切な場合もある。当人の意思という原理でなく、児童の最善の利益の実現の原理と規定。(児童の権利宣言第2条)何が子どもの最善の利益かを慎重に考え、それを実現するために保護と教育を実施しなくてはならない。(木村草太さん)
「子どもは、自律的な個人として生きる能力を身に着ける途上にある存在だから、成長する主体として尊重されなくてはならない」ので、役員さんが言われている「子どもらしい時間の流れ」「失敗して学ぶ経験」「自分が選んで決められる自由」「好奇心を育み学ぶ楽しさを知る」などが大切なのだと考えます。
写真は園庭の様子から
子どもと目線を合わせるとは?
➀「子どもの最善の利益」(権利条約の7つの条項で繰り返す)
1959年 子どもの権利宣言でも使用。
〇成人への発達中の状態にあることを前提に、その状態の中から子ども自身のほんね、内面にある意図、分別をよみとる能力を、この条約のもとで責務を果す大人に求めている。子どもの身になって考える。(大田堯先生)
〇子どもが幼くて、自分でものごとについての判断力を十分に充分にそなえていない場合を考慮し、その意図を責任あるものが代行するばあいの気くばりのあり方として。
*「大人たちは子どものうちに大人をもとめ、大人になるまえに子どもがどういうものであるかを考えない」『エミール』ルソー/「おとなは、だれでも、はじめはみんな子どもだったはずなのに」サン=テグジュペリ
➁「子どもには子ども特有の感じ方、考え方、成長のしかたがある」ルソー「子ども」発見
➂「意見の表明」権(12条)
「自分の意見をまとめる力のある子どもに対して、その子どもに影響を与えるすべての事柄について、自由に自分の意見を表明する権利を保障する。その際、子どもの意見が、その年齢および成熟度に従い、正当に重視される」(12条) ⇔ 意見表明のための成熟、学習の必要
ことばに限らず、あらゆる形でのその子の意思の表明権、子どもの意思(語らない、行動で示すなど)、それらを大人自身が読みとる能力を。(大田堯先生)
➃鴻上尚史さんへインタビュー。「一番大切なことは、『自分の頭で考えられる』児童を育てること」を学ぶ
(鴻上さんは演出家。桐朋芸術短大名誉教授)略
➄子どもの立場に立って、大人社会のあり方をかえよう
第一次世界大戦 ⇒ 「子どもの権利に関するジュネーブ宣言」(1924年)=「人類が子どもに対し最善のものを与える義務を負う」とい精神、「子どもたちの正常な発達保障」「搾取からの保護」など。平和な世界への期待 ⇒ 第二次世界大戦[子どもに再び最悪なものを] ⇒ 「世界人権宣言」(1948年)=「教育への権利」「母と子どもとは特別の補助および援助を受ける権利」など。道徳教科書に掲載、桐朋小6年で学ぶ。「子どもの権利宣言」=「発達の保障」 ⇒ 「子どもの権利条約」
「子どもの命や健全な発育こそが、社会の関心や能力の最優先課題でなければならず、子どもはいい時代、悪い時代にも、通常のときにも、緊急事態のときにも、平時にも戦時にも、繁栄時にも不況時にも、この原則が確実に守られなければならない」
「この原則を政治的、経済的変化の中に根づかせることができれば、文明それ自体が大きな進歩を遂げることになる。文明の核心は弱いものや未来を守ることにある。子どもは環境と同じように弱く、しかもそれ自体が未来なのである。子どもの心身や情緒面での発育を守ることができないと、人間が抱えている困難がさらに手に負えないものになり、問題が解決されないで恒久化されることになる。成人の世界の誤りや失敗から子どもを守るための特別の手段をとることが、人類が抱えるもっとも基本的な問題の多くを究極に緩和するための第一歩となる」(『世界子ども白書』1990年)
そしてなぜこれらのことが大切なのか?
・自身の人生の主人公へ
・参加、自治の経験 ~社会の主人公へ
幼稚園では、信頼感や肯定感を育み、子どもがやりたいことを自分(たち)で決める、さまざまな参加の仕方が認められている、自分たちの願う環境構成をするなど、小学校では、「みんなの願いの木」「しぜんひろばづくり」など、子どもの権利〈自治、参加、意見表明〉を大切にした取り組みがあります。
つづく
6月15日(土)学校説明・施設見学会について
本校にご興味をお持ちくださる皆様
〇2024年6月15日(土)
桐朋小学校説明会&施設見学会を開催します。
今回は午前と午後の2回、各回参加の方法が2パターンございます。
ご希望のコースを選択して下さい。
<午前>
①施設見学→説明会コース 9:00受付 9:10開始 10:40終了 施設をご案内後、説明会にご参加下さい。
②説明会→施設見学コース 9:40受付 10:00開始 11:30終了 説明会後、施設をご案内いたします。
<午後>
①施設見学→説明会コース 12:40受付 12:50開始 14:20終了 施設をご案内後、説明会にご参加下さい。
②説明会→施設見学コース 13:20受付 13:40開始 15:10終了 説明会後、施設をご案内いたします。
※各回内容は同じです。説明会と施設見学合わせて90分程度とお考え下さい。
※施設見学のみのご参加はできません。
※説明会のみのご参加希望の方は②説明会→施設見学コースにお申し込みください。
※①施設見学→説明会コースにご参加の方は9:00~9:10にお越しください。9:10を過ぎた場合は説明会のみのご参加となります。あらかじめご了承ください。
〇内容 本校の教育について/考査関連の諸注意についてなど/施設見学
・校長の中村博と運営委員長の飯田彩子より、本校の教育の特色についてお話いたします。
・説明会前後、小学校の校舎内をご案内いたします。室内履きと外靴入れをお持ちください。
※説明会は大人の方向けのお話となりますので、ご承知おきください。
〇受付開始日 5月30日(木) 正午から
・本ホームページ「説明会・体験会予約画面」よりお進みください。
・お子さんのお名前でお申し込みください。1家庭、2名までご入場いただけます。(お子さんも1名としますが、未就園児は人数に含めません)
・男女の枠がございますので、お間違えのないようにお手続きください。
〇お願いとご案内
※本校の説明会にお申込みいただくには「miraicompass(ミライコンパス)」サイトでのユーザー登録が必要です。
事前に準備しておいていただくと、お申込みがスムーズにできます。
※すぐに満席になることも予想されます。その場合ご容赦ください。
※ご都合がつかなくなった場合はホームページよりキャンセルのお手続きをお願いします。(キャンセル待ちはございません。どなたかがキャンセルした場合にのみ空席になり、その場合のみ予約が可能です。ご協力お願いいたします。)
※満席時及び、申し込み締め切り後の日程変更はできません。お電話での変更もご遠慮ください。
※説明会後にミライコンパスマイページよりアンケートの送信をお願いします。これによりご参加の確認をさせていただきます。
皆様のご来校をお待ちしております。
桐朋小学校 教務