5年合宿

 昨年夏の合宿から1年2ヶ月ぶりにやってきた八ヶ岳高原。バスを降りて高原寮までの道のりも「去年より短く感じた・・・」と話す子どもたちの姿にも1年の成長を感じました。

 4日間の日程は、1日目は入寮式、昼食、荷物整理など終えて自由時間(グラウンドで遊んだり川俣川の川原で遊んだり・・・)

入寮式

川遊び

 
2日目の主な活動はハイキング。川俣川東沢を上って清泉寮から美し森山へ。帰りは森の中を歩いて寮にもどりました。

美し森山 山頂で写真

 
3日目は、野外料理とキャンプファイアーの予定でしたが、キャンプファイアー開始直前に雨が降り始めたため、室内でのキャンドルサービスに切り替えました。

野外料理

キャンプファイアーの準備

 
4日目は、寮内の大掃除をして帰京です。

 出発前から雨の予報が多く出されていて大変心配しましたが、予報に反して雨が少なく、ほとんどの活動が予定通り行えました。

蚕蛾から糸をつむぐ

理科では昆虫の成長について学習をします。3年生では、東、西組ともに、今年は蚕の育成をしました。世話を通して、幼虫からまゆ、そして成虫へと成長していくその変化を子ども達といっしょに感じることができました。

 

初めて、蚕を教室にもちこんだときは、

「きもちわるーい!」

「白くてうねうねしている!」

とみんなパニックでした。

すると、ある子が、手のひらに一匹のせて、目を近づけてじっくり眺めています。

「なんだか、かわいいよ」

嬉しそうに、なでていました。しばらくは、その子がエサやり係となりました。

 

毎朝、教室にやってくると、20ぴきほどいる蚕たちのフンの掃除からです。手際よく片付けて、桑の葉っぱでつくられたペースト状のエサをあげると、蚕たちはもりもり寄ってきます。懸命に食べている姿をみて

「週末も持って帰って、世話をしてあげたい!」

と、大事そうに段ボール箱に入った蚕を抱えて持って帰りました。

 

 

楽しそうに世話をしているその子の姿に触発されたのが、

「私もエサやってみたいな」

と、ひとり、またひとりと増えていき、いつのまにか

「いやーん。蚕つるつるしていてかわいい!」

と人気者になりました。

一ヶ月も世話していると愛着がわいてくるものです。いよいよまゆを作り始める蚕たちをみて

「先生、蚕って糸になるっていってたけどほんと?」

と、怪訝そうな顔をして聞いてきます。

「そうだよ。まゆをゆでて糸をまきとっていくんだよ。やってみる?」

そうきくと、みんな一斉に

「やだやだ!残酷!」

「そんなの、かわいそうだよ!」

と大反対。しかし、蚕蛾はもとは人間が生糸を紡ぐために「つくられた」命だということを家庭学習で調べてきた子がいました。

 

本当に、殺してしまっていいのだろうか。

 

そんな問いをつきつけられながらも、糸を集めてみたい好奇心との話し合いが続きました。結果、まゆは数個のこして、糸を紡ぐことになりましたが、私たちの生活には、大切な命の犠牲の上で成り立っていること、そんなことを考えるきっかけともなりました。理科をとおして、昆虫の成長だけではなく、命の大切さへも広がりました。

放課後、手始めに6個ほど、まゆを茹でてみました。興味のある子達はみんな鍋をかこんでいます。

「やっぱりかわいそう」

と目に涙を浮かべている子もいました。こういうときに

「でもさ、やっぱりみてみたいな」

と好奇心も旺盛な子どもたち

「ちゃんと糸をとってありがとうを言おうよ」

そんな会話をしながら、茹で始めて5分ぐらいすると、糸がほぐれてきました。

 

驚きと共に、ペットボトルにぐるぐるとまき付けること1時間。みんなもくもくと熱中する時間でした。糸は思ったよりも、張りがあって光り輝いて美しい。触ってはつるつるの感触をたしかめながら、蚕のもつ不思議さと素晴らしさにもふれることができました。

 

子ども達は、その後、下校してしまったのですが、のこったマユを仕上げてしまおうと、糸をぐるぐる巻き取ってはみたものの、1時間経っても、2時間経っても巻き終わりませんでした。1匹のマユからほんと驚くほどの糸が巻き取れるのを時間を通して、先生も感じることができました。とほほ。

 

昔の人達はこういう生糸で着物を作ってきていたこと。そんなことに思いをはせながら2学期は、繊維のヒミツへと学習を広げていこうと考えているところです。

 

 

しぜんひろばの場所がかわります [Ⅱ-168]

新しいしぜんひろばをつくります
 子どもたちにとって、大好きな、かけがえのない場所であるしぜんひろば。
 都心近くにあって豊かな緑、土の匂いを経験できるしぜんひろばは、初等部の大きな財産です。

 残念ながら、そのしぜんひろばのある土地を2018年度中に貸主へ返却することとなりました。私たちとしては継続して使用したいので、何度も話し合いをしてきましたが、叶わなくなりました。
 現在のしぜんひろばは、1998年よりお借りし、20年間使用させていただきました。2019年4月には、もとの状態の更地として返却しなければなりません。

 子どもたちが大切にしてきた思い出の場所が急になくなってしまうのは、悲しいし、申し訳ない気持ちです。

 子どもたちにとってかけがえのない場所なので、新しいしぜんひろばをすぐ隣(以前、竹楓荘があり、現在は更地)につくることにしました。2018年11月下旬より工事を行うことになります。工事中ご迷惑をおかけすることもあるかと思いますが、どうかご理解ご協力の程よろしくお願いします。

新しいしぜんひろばへの願い
 2019年4月には、新しいしぜんひろばをつくりたいと考えます。新しいしぜんひろばへの願いとして、
・これまでみんなで大事にしてきたしぜんひろばに近いものをつくりたい。
・みんなが冒険できたり、ゆったりできたりする森に育てたい。
・遊び方の決まった遊具があるのではなく、自然の中で「発見」したり、自分たちで遊びを「発明」したりする可能性の広がる場所にしたい。
・新しいしぜんひろばを子どもたちといっしょに考え、つくっていきたい。
・児童会の理科園・自然広場委員の人たちといっしょに、来年度からの活動を考えていきたい。
と思います。


 また、11月に向けて、子どもたちと「おわかれしぜんひろばの会」(仮称)を実施したいと考えています。

しぜんひろばの歴史から
 しぜんひろばの誕生は、1998年秋。

「子どもをめぐって殺伐とした出来事が日常化してしまった現代において、そのことを憂えたり、評論したりしてもはじまらないので、少しでも子どもたちの成長にとってよい働きをする環境を整えたいという強いおもい」を込めました。
 1999年9月、全校児童が集まり、ひろば開きを行いました。

 川や池を造るのに同窓会のご協力がありました。ありがとうございました。また調布市や東京都からいただいた樹木を植えていきました。ありがとうございました。卒業記念の樹木もありました。はじめは幼木だったコナラ、クヌギ、トチ、シイ、ヤマモモ、クルミ、ミカン、ザクロなどの木が大きく育ちました。
 木登りができる大モミジは、1年生が勇気を出して登ったものの、下りられなくなってしまい、泣いて助けを求めたこともありました。すぐ横の手製ブランコでは、低学年の子がのるのを上級生が押している場面もよく見られます。勇気を出して川を渡ろうとしたものの「池ポチャ」は現在も続いています。

 しぜんひろばを大切に育てている子どもたち。児童会の自然広場委員会のはじまりは、石拾いなどをしていた教員の姿をみていた子どもたちが自然発生的に参加したことがきっかけでした。現在の活動は、週に一度5、6年生が自治活動として行っています。枯れ葉を集め、大モミジの木の下に敷き詰め、飛び降りても安全にと願って活動をすすめています。池の掃除やブランコの安全点検なども行い、たのしく、安全に過ごせる場所にしています。

畑に種をまきました

2年生の畑の様子です。冬に大根を食べようと思い、みんなで土づくりから始めました。1年生の時もマルチを張って、畝づくりをやっていたので、どんな風にやるのか少し見通しがありました。

手順がわかると作業がはかどります。無我夢中でやる良さも大事にしながら、2年生では少し見通しをもって取り組むこと、その中で達成する喜びを仲間と感じることも大事な学びの一つとして意識しています。

雑草を抜く➡土を耕す➡肥料を混ぜ込む➡畝を作る➡マルチを張る➡土寄せをする➡種をまく。

1年生の時にやったイメージと今回の作業工程をイメージを重ね、取り組みました。

とは言っても作業が始まると一人一人がいろいろなことに気づき、夢中になります。畑は宝の山です。今回も子どもたちにとっての大発見やお宝が続々でした。

「アリの巣発見!すごい数出てきた!」

「じゃがいも!?(夏に取り残して育っていたもの)やった!」

「これ、抜けない。頑固な草だ!・・・うんとこしょどっこいしょ!まだまだまだまだ抜けません!頑固きた!手伝って~!」(と言って、『おおきなかぶ』のように何人もの子が絵本のように引っ張って雑草を抜こうとする)

「く、黒いものがある!なんだ???掘れ掘れ!えっ・・・。ははははは♪」(夏に使用したマルチの切れ端でした・・・。)」

「ザック、ザック、ザック、ガキン!なんか、硬い音がした。!ガキン!まさか・・・。ニヤリ☆ザック、ザック、ザック、うわっ!!ペグだ!(マルチが飛ばないように抑える道具)やった♫」

「・・・・だいぶできてきた!でも、まだ凸凹しているからもう少しだね。」

 

真剣に土を耕し、泥だらけになりながら畝ができていく様子を嬉しそうにしている子もいました。

クラス24人で力を合わせて種をまきました。これから毎日、日替わりで班ごとに畑の水やりをして、自分たちでお世話をしていきます。みんなで育てる野菜。連休明けに早速芽が出ているといいね。

学校説明会での1年生の話 [Ⅱ-167] 

 9月8日(土)の学校説明会へのご参加、ありがとうございました。当日、1年生担任の近藤秀子さんから、1年生の生活や学習の話をしてもらいました。ご紹介します。(写真はすべてをご紹介することはできず、すみません)

 1年生の生活を語るときに、まずお話ししたいのは5年生とのパートナー関係です。5年生や2年生が、近くでいろいろ教えながら、1年生のことをとても大切にしてくれ、教えてくれます。

 この写真は、入学式の入場の時です。5年生がエスコートしてくれて、にっこり笑顔のAちゃんは、パートナーになったお兄さんのことが大好きです。

 入学式の次の日からは、2年生が玄関で迎えてくれて、教室まで案内し、名札をつけてくれたり、ロッカーの使い方を1年先輩として教えてくれます。

 入学して、3日くらいたった頃、パートナーの5年生と学校探検です。1年生にとっては、広い小学校キャンパス。5年生がいろいろな場所を案内してくれて、親切に教えてくれます。

 6月くらいになると、掃除の仕方をパートナーの5年生が教えに来てくれます。床はもちろん、雑巾がけです。そして、今では1年生は自分の教室を自分たちだけで掃除しています。

 これは、6月に、2年生が遊びの交流会をクラスごとで開いてくれて、剣玉を教えてくれたところです。持ち方を教わったので、家でも練習する人が出てきて、もしかめが少しできはじめました。

 こんなふうに、学校のみんなから大事にいろんな事を教えてもらいながら、1学期間かけて、1人前の桐朋っこになってきました。1学期の終わりには、ひらがなを習ってきて、最高に丁寧な字で、パートナーの5年生にお礼の手紙を書いて渡しました。

 2つめにお話ししたいことが、1年生の教育は、1年生に限らず小学校教育で大事にしていることは、具体的な物との関わりを大切にしていることです。具体的な物に触れながら、五感を通して学ぶ事、経験することを大切にしています。

 これは、自然広場の川の所に何か探しにいっている子ども達の写真ですが、虫探しが大好きなのです。休み時間や、放課後、外に出ていき、虫かごにいろいろとってきます。

 こんなことがありました。朝、「先生、ダンゴムシの赤ちゃんが手の上で生まれたから、着替えられないの」と言っているのです。手の平に米粒ほどの白い赤ちゃんがいっぱいいました。朝の会でみんなに見せてから、虫かごに入れて、それからRちゃんは着替えました。

 これは、畑の雑草を抜くために、スコップで耕しながら抜いているところです。まじめに働いているところを写真に収めましたが、「あっ、何かの幼虫だ!」「カブトの幼虫だよ」「カナブンだよ。」「あっ、ありがまゆをはこんでいる。」と誰かがみつけると、わーと集まって、大騒ぎです。

 アゲハチョウの幼虫を家から持ってきてくれた子がいました。えさを食べなくなったと思ったら、さなぎになる準備を始め、次の日には立派なさなぎに、そして10日たった朝、「先生、チョウになった!」と朝、職員室にS君が来ました。羽化したてのアゲハチョウを近くでよく見ていると、おしっこをしたのです。羽が乾くまで、チョウは待ちます。羽が乾いて、かごの中で飛び始めると、子ども達から「先生、アゲハチョウ、もう飛べるみたい!」と報告があり、算数の時間でも急遽、みんなでテラスから放してあげて、自然広場に飛んでいくチョウを見送りました。

 これは、子どもが自然広場で捕まえてきたちびへびくん。珍しいお客様なので、近くでよく見て、触れる人はさわってみました。「かわいい。」といっていました。これは、休み時間、テラスの水たまりで、ちびへびくんを泳がせているのです。かわいそうなので、1日でまた広場に逃がしましたけど。先日、タマムシもグランドの木にとまっているところを見つけてきて、「きれいだね~。」と本物をみました。今9月は、カマキリを捕まえてきて、カマキリが交尾するところ、エサに入れたバッタを食べているところをみんなでよ~くみました。そして、卵を産むところを待っています。

 これは、先ほどの雑草だらけだった畑をきれいに耕し、サツマイモの苗を無事植えたところです。夏休みも交替で草取りに来て、いまは、こんなにつるが生い茂りました。他に育てていたキュウリは、クラスでおみそをつけて、大喜びで食べました。

 3つめにお話ししたいことが、学習や生活の場面で、自分を表現し他の人たちと交流することを大切にしていることです。

 この間、1年生は、初めての夏休みを過ごしました。宿題では「こつこつ・どかんにとりくもう」という課題をだしました。「毎日のように、こつこつとりくむことを自分で決めてがんばろう」「夏休みにしかできない事を、どかーんと一発やってみよう!」と、その子らしい夏休みを作っていこうと呼びかけました。その発表会をクラスで行いました。

 いろいろな夏休みの取り組みが話されてとても楽しかったのです。(例えば、2泊のキャンプ生活、笹塚の家から仙川の学校まで2時間半かけて歩いてみたとか…。これは、Yちゃんの「どかん」の発表です。「家族で、岐阜に行きました。川でみんなで泳ぎました。Yも岩の上から飛び込みました。楽しかったです。」すると、聞いていた人たちから、質問や感想の手が上がります。「岩から飛び込むのって、こわくないの?」「去年も行っているから大丈夫」「川に飛び込んだ時、どんな感じだったの?」「冷たくて気持ちよかった。」「飛び込んだ時、下は、石なの?」「足がつかないくらい深いの。でも、ひざ位の浅いところもあるけど。」「深い川にとびこむなんて、Yちゃん、すごいね。」などなど。フロアのみんなも、なかなかいい質問をし、ちゃんと答えるので、感心してしまいます。

 これは、Yちゃんの「こつこつ」の発表です。「夏は、なわとびと読書を毎日少しずつやりました。なわとびは、最高106回とべるようになりました。本は、67冊よみました。」読んだ後、みんなの前で縄跳び披露です。みんなで数えて、93回とべて、大きな拍手をもらいました。

「なんで、縄跳びをしようと思ったの?」「おねえちゃんみたいに跳べるようになりたかったから。」「跳んでるとき、どんな気持ちだった?」「苦しくなるけど、『最高記録でるかな?』と思って飛んでいた。」「ぼくのお姉ちゃんも縄跳びするけど、すぐ疲れちゃって、Yちゃんより跳べないよ。」

 こんなふうに自分のことを表現し、クラス集団がそれを受け止めて感想や質問などで交流することを大切にしています。お互いを分かり合い、認め合い、刺激を受け合って、成長していくことを大切に考えているからです。

学校説明会へのご来校ありがとうございました。

第4回学校説明会にご来校下さり、ありがとうございました。直前のHP上の受付時間の訂正がわかりにくく、お待たせしてしまったり、不手際など行き届かない部分も数多くあったりしたと思い、大変申し訳なく思います。

たくさんの感想をお寄せいただきました。皆様のご意見ご感想を真摯に受け止め、今後も引き続き少しでも学校の雰囲気を感じていただける説明会にしていきたいと思っています。ありがとうございました。

Where there’s a will, there’s a way!! [Ⅱ-166]

 9月4日、同窓生の高橋侑子さんが来校してくれました。前日ジャカルタから帰国し、応援してくれている地域の「優勝セレモニー」に参加され、夜、オーストラリアに向かう日程のなか、本校をたずねてくれました。高橋さんのことを、3月にこのコラム[147]で紹介させていただきました(タイトルは今回と同じで、「志あるところに道あり」という意味)。今回、アジア大会トライアスロン競技の個人、団体で、高橋さんは金メダルを獲得し、あらたな道をひらいています。

 高橋さんには、5月に発行した『桐朋教育』に原稿を執筆していただきました。トライアスロンの「虜」となったこと、「これからも試行錯誤の連続を糧に、次に繋げて、自分の可能性を拡げ、ワクワクしながら新しい自分に会いたい」というおもいなど、みなさんにお伝えしたいと思います。

Where there’s a will, there’s a way!!

   高橋侑子

 私は幼い頃からスポーツに親しむ環境で育ち、トライアスロン愛好家だった父の影響もあって物心がつく前からトライアスロンがとても身近な存在にあった。この「スイム・バイク・ラン」を連続して行う競技の虜になった私と小中高12年間を過ごした母校桐朋との繋がりを振返りたいと思う。

私の小・中・高時代
 小学生時代は“子ども一人ひとりのあり様を大切にする”桐朋小学校で、いつも面白く楽しい発見が溢れる中、休み時間も放課後も思いっきり外で遊んでいた記憶がある。
 その頃週末は、家族で全国各地のマラソン大会へ出掛けるのが慣例で、ミニマラソンや家族リレーなどに参加し、小学2年生の時に初めてトライアスロンにも挑戦した。正直、当時のことはあまり良く覚えていないが、遊びの延長で楽しんでやっていたと聞いた。そこが私の原点である。
 成長するにつれ、“楽しむ”だけではない“競技”としてのスポーツも見えてくるようになると、気持ちだけ追込み過ぎて気分悪くなることや、思うようにいかないことも出てきたが、子ども心に表彰台のご褒美が嬉しく、その為にどうしたら良いかと家族を交え戦略を練り試行錯誤する妙味も覚えていった。
 この時期に受験勉強に囚われることなく、のびのびと過ごせたのはありがたいと思う。

 中学生になって、ずっと楽しみにしていた部活動は、陸上部を選んだ。この部活の存在はとても大きく、生活全てが部活中心に進んだと言っても過言ではない。中高6年間苦楽を積重ね、悩み泣き笑って築いた仲間との絆は、多彩な学校行事を通して認め合う気持ちを育んでくれた。特に、学年全員を取り纏め、立ち向かわなければならない体育祭で、様々な葛藤、悪戦苦闘の末に得た僅差の勝利は、貴重な財産となった。自分を肯定できる気持ちに辿り着く事、それは、今も大切な心の健康の源になっている。
 部活の競技面では、中学1.2年は陸上に専念し、東京都の選抜にも選ばれ、全国大会を目指したが、筋力不足からくる故障等で成績が伸び悩み、初めて壁にぶつかった。今思い返すと、とりあえず部活に参加し、なんとなく走っている自主性のない状況であったと思う。その打開策の1つとしてトライアスロンチームの体験に行ったところ、刺激を受け、新しい環境に挑む事にした。平日は登校前にチームで泳ぎ、放課後は部活で走り、週末にチームで自転車の練習をするような日々。少しずつ身体も変化したのか、故障は激減した。そして、中学3年夏に岐阜県で行われたジュニアオリンピックU16の部で優勝し、想定外の結果から「トライアスロンに懸けてみたい」という方向性が定まって行った。

 高校生になり、U19の部1年目にして念願であったアジア選手権・世界選手権の出場権を得て、初の日本代表になった。チャレンジ精神で新たな道を切り拓き、アジアや世界の国際舞台に立てるようになると、格段に視野が広がった。厳しい練習も自分を変えられるワクワク感で楽しみながら取り組んで行った。徐々に今までぼんやりとしていた目標が「オリンピックで戦いたい」という明確なものになった。

卒業、新たな挑戦
 卒業後の進路を迷い、自分を試すために、短期だがオーストラリアのチームで単身修行をさせて貰う機会を得た。初めは右も左も分からず苦労したが、この貴重な経験を経て、スポーツ科学、栄養学、語学力の必要性を痛感し、新設間もない法政大学スポーツ健康学部を受験することにした。私は三期生となり、新しい事に挑戦し、可能性を引出してくれる校風の元、多種多様な事を学んだ。大学進学と共に、練習や遠征の計画・手配、ウエア、バイク等用具のスポンサー探しも自力で行い管理責任を自らに課してみた。又体育会水泳部にお世話になり、徹底的に水泳に取り組めた事も大変幸運であり、大学選手権を4連覇し、充実した大学生生活を過ごせた事は大きな副産物になった。
 2016年、ひとつの目標としていたリオオリンピックは、納得のいかない選考結果により、残念ながら補欠というかたちに終わった。深い喪失感と虚無感。でも自分を鼓舞させ、到底納得は出来ないが、前に進むしかないと気持ちを切替え、同夏にスイスで行われた世界学生選手権で日本人初優勝を勝ち取った。そこで心の片隅で潰れかけていた自分を取返せた気がする。そこからは小さな枠にはまらず、グローバルに成長するために、独自の道を邁進しようと決意し、インターナショナルチームを模索することにした。海外には国の垣根を越えて活動するチームが多く存在する。以前から世界のトップ選手たちが国籍を問わず一緒に練習している姿を見て、興味を持っていたが、2020年に向けても今がチャンスだと判断した。
 2016年世界シリーズ最終戦にて、レース前に一人でプールに行った際、ちょうど以前から興味を持っていたチームのコーチを見かけ、声を掛けようとした。しかし、散々迷ったものの、言葉の不安もあって行動に移せず、チャンスを逃してしまった。一歩踏み出せなかった自分に少し嫌気がさし、このままでは変われないと猛省しながらプールから滞在先に戻る途中、偶然にも再びそのコーチが1人で歩いているところに遭遇した。このチャンスを逃すわけにはいかない、と思い切って話し掛けた。つたない英語であったが、とても親切に話を聞いてくれ、帰国後メールでのやり取りを始めた。結果的には、そのチームは定員オーバーで新規加入は出来なかったが、その代わりにアメリカ、サンディエゴを拠点とするThe Triathlon Squadというチームを紹介してもらい、2017年1月より新しい生活がスタートした。ポルトガル人のコーチに、アメリカ・カナダ・ベルギー・デンマーク・イタリア・スペイン・エストニア・リトアニアの世界各国から集まった選手たちの中で全てが新鮮であった。
 まだ思うように英語が話せない状況だが、コーチを含め、チームメイトみんなに助けて貰いながら、切磋琢磨する日々、貴重な経験が積めている。1年を通して海外での生活が大半を占め、大変な事も多いが、一歩踏み出して良かったと胸を張って言える。レース戦績も、2016年は一度も世界シリーズでトップ10に入ることが出来なかったが、2017年は5,8,9位と3回トップ10入りし、世界シリーズランキングは34位から14位にジャンプアップした。もちろんまだ満足するような結果には至っていないが、これから先が改めて楽しみになるスタートであった。

これからも、Where there’s a will, there’s a way!!
 振返ると、多くの幸運と人々のご支援によってここまで繋げてこれた私がいる。
 今後プロとして、結果を求められ、身体以上に心のタフさも増々必要となる。そして東京生まれ、東京育ちの私にとって、トライアスロン適齢期と言われる29歳で迎えるホームタウンでのオリンピックは大きなプレッシャも伴うであろう。しかし、それは運命と捉え、責任感や使命感と共に、より巨大なモチベーションに繋げてゆきたい。
 高校卒業後大変光栄な事に桐朋の同級生やそのご家族が中心になって後援会が結成された。国内試合では、大声援に励まされ、とても心強い。「体育祭のノリだから!」と結果に拘わらず「自分たちも楽しんでいるから」と桐朋らしい一体感に心が癒されている。
 これからも試行錯誤の連続を糧に、次に繋げて、自分の可能性を拡げ、ワクワクしながら新しい自分に会いたいと思う。その為にも、一瞬一瞬を無駄にせず、悔いのない日々を過ごし、そして何よりも楽しむことを忘れずに精一杯取り組んで行きたい。

高橋さんと滋野先生は同級生

始業式の様子

9月3日は2学期の始業式でした。久しぶりに会う友だちと話しが尽きない様子です。実際に身体が大きくなった人も大勢いましたが、それよりもみんなの雰囲気がたくましくなったように感じられました。

4年生のクラスの代表の人が、夏休み中の八ヶ岳合宿のことを報告してくれました。いくつか紹介します。

〇ぼくが八ヶ岳合宿でたのしかったことは川遊びです。滝に打たれたり岩から飛びおりたりしました。たくさんぬれて気持ち良かったです。あと食堂で食べるご飯はとてもおいしかったです。また来年もたくさん遊びたいです。

〇川遊びでは、友だちと川に何秒いられるかゲームをした。1回目は水の温度が分からなかったのですごく冷たくて一しゅんで出てしまった。2回目は少しだけ平気になり、4人中3位になれたのでうれしかった。

〇行きのバスでは遊びチームの人たちがバスレクを用意してくれました。カラオケ、絵かきリレー、絵おぼえゲームなどがありました。絵かきリレーでは、お題の絵をかかなきゃいけません。お題がヤマネの時少しむずかしかったけれどうまくかけました。バスレクはすっごく楽しくてバスよいしなかったです。(バスレクのおかげで)

〇3日目は野外料理とキャンプファイヤーがあった。カレーはとても上手にできたけど、火が安定するまでが大変だった。キャンプファイヤー火が大きく点いた。先生たちの踊りも面白かった。担任の先生の踊りが面白かった!まさか校長先生がおどるとはおもってなかったからビックリした。4年生初めての合宿、すっっっっっっっっっごく楽しかったです。5年生の合宿もとっっっっっても楽しみです。

5年生は、来週から秋の八ヶ岳高原寮に出発します。4年生とはまたちがった景色を味わってくることでしょう。

登下校時の安全のお話を聞く。

始業式の後、防災訓練をしました。

10月には運動会もあります。2学期は行事が盛りだくさんです。

みんなで元気にすごしましょう。

第4回学校説明会の予約について

大変申し訳ございませんが、ご都合のつかなくなったご家庭はログイン後、キャンセルの手続きをお願いします。(お電話での受付はできません。)キャンセルが出ましたら予約ができるようになりますので、よろしくお願い致します。

A、B、Cコースの重複予約はできません。

また予約画面のB,Cコースの日時の表記が受付開始時間になっていたので、開始時間に修正しました。B,Cコースとも13:30~開始です。よろしくお願い致します。