投稿者: tohoblog
桐朋学園八ヶ岳高原寮で合宿をしました[Ⅱー392]
写真はすべて6年八ヶ岳合宿
5月下旬、自然豊かな桐朋学園八ヶ岳高原寮とその周辺で、6年生合宿を行いました。「八ヶ岳で時間を忘れるくらい思い切り楽しく過ごす」という目標を立て、活動(森の中でのかんけりやどろけい、黒曜石で石器作り、清泉寮へハイキング、火起こし体験とバーベキュー、カレーづくりなど)、早朝散歩、夜の自然体験、キャンプファイヤー、自由遊び、大掃除などを企画、実行しました。

夜の自然体験では、川の流れる音、虫や鳥の声を聞いて、人間以外の事物に触れました。黒曜石のナイフ作りでは、実際に削ることを通して硬さに気づき、何回も叩きます。ハイキングでは、去年と同じコースを歩き、声をかけあって「去年より楽に歩けた」と聞きました。今年は、やまねミュージアムや八ヶ岳自然ふれあいセンターをじっくりみて(私は故星野道夫さんのコーナーでも感動)、大きな原っぱでたくさん遊ぶことができました。帰りに大きなヤマカガシも発見しました。友だち、先生らと協力して活動を楽しみ、自他の成長を感じることができました。人間の成長に自然はとても大切で、自らの身体を使って体験することでの気づき、生きている喜びを感じさせられるからです。そうした経験と実感を大切にして、地球環境を守っていきたいと思います。

寮の敷地にツツジやサクラソウ(準絶滅危惧種)が咲き、オオミズアオ(ガ)やノコギリクワガタなど多様な生物と出あいました。樹木の皮がはがれているのはシカの行為か、キセキレイなどの巣作りのあとかなどと想像し、様々な生物がともに生きていることを感じます。かくれんぼで、幅2~3mの大岩や高さ10m程の木々に隠れたりします。ハイキングではいたるところに火山礫があり、その間を通り抜けながら、悠久の自然を感じました。寮内の資料室に、岩は約1万年前の噴火による(推定)ものと記録がありました。はるかな時を経て、今ここに私たちがいる。私たちは地球の歴史に生き、人類の大きな命のつながりのなかで現在を生きています。

<子どもたちの感想から>
★夏も涼しかったけど、春はすごくすごしやすくて、「もうちょっとで夏で日ざしが強くて、でも空気は冬だからちょうどいいんだろうな‥」と思った。その後に活動をした。黒曜石のナイフ作りと火おこしと縄文日記作りである。ナイフ作りは黒曜石が意外と硬くて何回も叩いていた。ビデオの人はプロなんだな~とあらためて思った。火おこしは友だちがすごくけむりを出していて、コツを聞いたら「力を入れることだよ」と言われた。でも力を入れてもけむりが出なくて、もう少し何かもうちょっといい伝える方法がありそうだなと思った。縄文日記は案外難しくて、縄文人はシンプルに物事をとらえるのが上手なんだな~と思った。となると、昔の人は裁判とか上手だったのかな~。
★夜の活動をやった。最初、外に出た時、暗くて怖かった。ライトをつけながら音を聞いていたら、少し明るくなった。自然の音をきいた。川の流れる音、ふくろうの音、いろいろな音がきこえた。きいている時に、私は思った。虫、動物の生活をじゃましているかも。大声を出したり、虫を踏んだり…。虫は苦手だけど、虫もがんばって生活しているから。絶対じゃましないは無理だと思う。できるだけ、虫、動物の生活をじゃましないようにしよう! 東京では八ヶ岳みたいにあまり自然で遊んだり自然の音をきいたりできないから、今日体験できてよかった。
★今日はハイキングをした。「ウサちゃんコース」でけっこう疲れた。あと15分くらいって所で疲れがたまっていた。〇〇ちゃんが「がんばってー!!」って言っていた。〇〇ちゃん疲れているはずなのに、みんなに「がんばってー!!」って言ってくれて、少し体の疲れが減って、がんばろうと思った。元気なんでそんなにあるんだろう?もしかしてつかれてないのかな?とにかくすごい! いつでも元気で明るくて、原っぱで遊んだ時、遊びにさそってくれて、優しくて、司会とかハイキングの話し合いの時にも話をまとめてくれて、すごくいい人、すてきな人だな~~と思った。〇〇ちゃん、係のこと、遊びにさそったり、色々なことをしてくれてありがとう。ハイキングできてよかった。みんなも楽しんでいたと思う!

桐朋学園八ヶ岳高原寮は、1963年、教育活動の一翼を担う野外活動の拠点として開設しました。元理事長、校長の生江義男先生(最後に先生の詩を掲載)は、「この施設が原始の息吹を取り込み、うるおいと感動に満ちた生き方を学ぶ場になる」と期待し、現在もその精神を大切に活動しています。八ヶ岳高原寮をベースにして教育の可能性を感じ、これからもその可能性をひろげていきたいと強く思います。
帰京した次の日、初等部同窓会総会で合宿報告をすると、同窓生は当時のことを思い出し、かけがえのない経験が自身に刻まれていること、八ヶ岳は『心のふるさと』などと語られて嬉しくなりました。
八ヶ岳高原寮50周年(2013年)の際に、卒業生が『これぞ、まさに<センス・オブ・ワンダーランド!>』を記しました。一部引用させていただきます。卒業生の八ヶ岳への思いが伝わります。
(前略)この恵まれた環境の中で息子たちは、人が教えるに教えられないものを自ら感じ取っている様である。小一の夏、長男はクワガタ捕りがとても上手な、音楽科の先生の息子さん(小五)に出会い、朝昼晩と寮の森の散策に一緒に行かせて頂いた。その先輩との[素敵な出会い]をきっかけに長男は昆虫や森歩きに魅了されて行った。中略 まだほの暗い早朝に布団から抜け出し、夜は懐中電灯をもっていなくなってしまう。私たちも見知らぬ森より子どもの散策を安心して許すことができる。こうして彼は、毎年森歩きを楽しみながらクワガタを捕り、自宅で産卵させ成虫にまで育て、翌年寮にその昆虫たちを帰す事を今でも続けている。これは彼のライフワークになりつつある様だ。
続いて次男は今<ガ>に夢中である。幅十センチ程もある「イボタガ」を見つけ、胸がゾワゾワ腕には鳥肌が立っている私に、「もっとよく見て。顔と体と羽の模様!」と興奮している。勇気を出して凝視すると、円らな黒目でアレ?案外カワイイ。羽根の模様は非常に斬新でデコラティブであった。管理人さんが、「こんなに美しいガは見たことがない。よく見つけたね。」と声をかけて下さる。標本をつくる!とうれしそうである。
このように子どもたちは何日も寮にいて全く飽きることがないらしい。その姿に思い出すのは、高校時代、大好きだった生物の平林春樹先生から教えて頂いた、女性生物学者レイチェル・カーソンの<センス・オブ・ワンダー>という言葉だ。彼女は、「それは<神秘さや不思議さに目を見張る感性>のことである。子供時代にこの世の美しいものや未知なるものに触れた時の感激は、かけがえのないものであり、それは大人になってからの自分を支える土台にもなり得る。」と言っている。
私が下の子を追いかけている間に、上の二人は、朝、鳥のさえずりに耳を澄ます。鹿の親子やリスに出あうこともある。昼、樹液の豊富な木を見つける。木漏れ日が眩しい。夜、ひんやりとした闇のにおいを感じながら、虫たちとの出あいに期待に胸を膨らませている。八ヶ岳の自然が、高原寮が、彼らに<センス・オブ・ワンダー>を授けてくれている。そのオーラを浴びせてくれるのだ。そう、高原寮は、これぞ、まさに「<センス・オブ・ワンダー>ランド」なのだ。(後略)

生江先生の詩 高原寮に寄せて
いまだ/この地には
語られざる詩がある/見えざる絵がある/聞えざる歌がある
今日この日から
桐朋学園の若鳥たちは/新しい巣箱をおとずれ
天然の息吹に/とりくむのだ
八ケ岳の山々は/瞬間の美をえがく
高原の草木は/盡く皆物言う
川俣のせせらぎは/妙なる調べをかなでる
そうだ
この地から この空から
若鳥たちは/原始時代の/あのすなおさを/ついばんでいくのだ
そして
それが/明日への/創造の糧となることを(1963年6月30日)

ある日の放課後
桐朋小学校は、放課後の時間がたっぷりあります。授業での学びはもちろん、自由に「遊び浸る」時間も大切にしています。子どもたちは遊びの体験の中から、実にたくさんのことを学んでいます。大人がいつの間にか忘れてしまう、体験の中から学ぶこと。子ども時代に、そんな原体験をするためには、豊かな遊びの時間が保証されていることが何より大切です。さて、子どもたちは放課後、どんなふうに遊んでいるか、覗いてみましょう。
グラウンドでは元気に野球やサッカー。汗びっしょりになって遊んでいます。

自然広場でパシャリ。新しくなったブランコで楽しそうな様子。

階段の下では何やら内緒話。穴があったらつい入りたくなっちゃうよね。

教室で人気のカードゲームを楽しむクラスもあります。

時には先生も全力参加。
今日も楽しそうな声がたくさん聞こえてくる桐朋小学校の放課後でした。
私の色は?
5月のある日、校庭はとっても賑やかです。
中高生のお姉さんたちの体育祭が行われるのです。
それぞれのチームカラーの鉢巻きを締めて、朝から気合の入った声が響いています。

そんな熱気を感じつつ小学校は通常の授業を行います。
でも、やっぱり気になるのは校庭の様子。
そこで、音楽室では『四つの色の歌』という曲を取り上げました。
♫青色は良く晴れた空・・・
黄色は菜の花畑・・・
橙はオレンジの顔・・・
緑色五月の風に・・・
こんなふうに4色が歌われていくのですが、「この中で、お姉さんたちの学年カラーはどれでしょう?」と聞いてみたら「青・黄色・緑!」とすぐに大正解が返ってきました。
「あと、赤・白・紫もあるよ」ということも知っている人がいました。
桐朋女子中学・高等学校は、その学年をシンボルカラーで呼びならわします。
今年の高校3年生は「黄色の学年」。
午後の最初のプログラム「応援交歓」では、黒から黄色への衣装替えなどが目を惹きました。
高3にだけ許されるシンボルカラーの垂れ幕も、鯉から龍に大変身!おみごとでした!

今の小学6年生が中学に入るとその黄色を引き継ぐことになります。
「私の色は何かな~」
「青が好きだから、青だといいな~」
なんていう声も聞こえてきました。
出会った色は、その学年の友達と共に、一生の宝物になることでしょう。
おまけのお話しをひとつ。
翌日の校庭は、小学生の貸し切りです。
昨日遊べなかった分も含めて、みんな元気に走り回っています。
よく見ると「体育祭ごっこ」をしている人達もいます。
応援交歓がとってもかっこよくって、真似してみたのですって!
未来の「むらさき」の少女たちに乞うご期待!

幼稚園保護者の皆さんと「学ぼう会」 [Ⅱー391]
幼稚園の役員さんより、「今こそ考え合いたい『子どもの権利』とは『原点に子どもを』とは ~子どもの権利条約30年の節目にもう一度話し合いたい子どもの権利~」という大きなテーマをいただき、悩み学びながら準備をしてお話をさせていただきました。
役員さんは、「選択肢も多く、多くの判断が迫られる現代の子育てにおいて、自分は何を大切に生きていきたいか。/どんな子ども時代を過ごしてほしいか。/変わらずに大切にしたい原点とは。/こうした経験に基づくその先の視点も交えながら、考えたい。」と話をされました。こうしたことを考えたい、話し合いたいとされていることに、私もいっしょに話したいと思いました。
役員さんは、
★子どもの人権を守るとはどういうことか? ・子どもらしい時間の流れ ・失敗して学ぶ経験 ・自分が選んで決められる自由 ・好奇心を育み学ぶ楽しさを知る(文字や数との出あい、先取り学習の弊害) など
★子どもと目線を合わせるとは? ・子どもも一人の人間であるということ ・子どもの素晴らしさや面白さに気がつくことができる感受性、一緒に感動できる感受性を親も育みたい など
★そしてなぜこれらのことが大切なのか? ・幼児期から児童期にむけて、この経験が今後の子どもたちにどう繋がっていくのか
を柱として考えられ、私は受けとり、どのように考えたのかを話しました。
まず、先週6年生八ヶ岳合宿に参加したことから話しました。合宿においても、子どもたちの<参加><自治>~自分たちで自分たちのことを決める。内容、場所、願い、企画、実行~を大切にしていました。桐朋らしく「自治」を大切にした取り組みをしていました。
写真は八ヶ岳合宿の様子
(1)今こそ考え合いたい『子どもの権利』とは『原点に子どもを』とは ~子どもの権利条約30年の節目にもう一度話し合いたい子どもの権利~ (以下、レジメより)
1989年、子どもの権利条約が国連で採択。日本政府は1994年に批准。今年で30年。
●子どもの権利は、日本の現実にどこまで根付いたでしょう?
たとえば、「強まるストレスのなか、その抑圧を他者に向けてイジメや暴力行為に走るか、内に向けての不登校、更に自傷行為から自殺にまで至る場合がある」、「統計もこれらの数値が、虐待も含んで、ここ数年上昇傾向」(堀尾輝久先生)があります。
〇こども基本法(2023年4月施行)は、「こどもの権利条約」にもとづいて「全てのこどもについて、その年齢及び発達の程度に応じて、自己に直接関係する全ての事項に関して意見を表明する機会及び多様な社会的活動に参画する機会が確保されること」(第3条第3項)という理念を示しています。この理念を日常で取り組むことが大切だと考えます。
〇国連子どもの権利委員会の勧告(2017年、第4・5回)では、生命・生存・発達の項で「社会の競争的な性格により、子ども時代と発達が害され」「子どもがその時代を享受する」ことが出来なくなっている事への危惧が示され、教育の項で「あまりに競争的な制度を含むストレスフルな学校環境から子どもを解放すること」を出されました。

子どもの人権を守るとはどういうことか?
➀子どもの権利のための特別な枠組みをとらえましょう。
・人権は、世界にいるすべての人間に保障すべきもの
・人は、条約、憲法で保障されている全ての権利を享受する。そして、国際的にも、国内的にも、子どもの権利保障のために、特別な枠組がつくられている。
・特別な枠組とは、子どもは、自らの身を守り、生活を営む能力がない、低いため、子どもならではの「特別な保護」を受ける必要がある。/子どもは、自律的な個人として生きる能力を身に着ける途上にある存在だから、成長する主体として尊重されねばならない。「大人の権利とは異なる考慮が必要」。権利行使は当人の意思に基づくが、当人の意思に任せるのが不適切な場合もある。当人の意思という原理でなく、児童の最善の利益の実現の原理と規定。(児童の権利宣言第2条)何が子どもの最善の利益かを慎重に考え、それを実現するために保護と教育を実施しなくてはならない。(木村草太さん)
「子どもは、自律的な個人として生きる能力を身に着ける途上にある存在だから、成長する主体として尊重されなくてはならない」ので、役員さんが言われている「子どもらしい時間の流れ」「失敗して学ぶ経験」「自分が選んで決められる自由」「好奇心を育み学ぶ楽しさを知る」などが大切なのだと考えます。
写真は園庭の様子から
子どもと目線を合わせるとは?
➀「子どもの最善の利益」(権利条約の7つの条項で繰り返す)
1959年 子どもの権利宣言でも使用。
〇成人への発達中の状態にあることを前提に、その状態の中から子ども自身のほんね、内面にある意図、分別をよみとる能力を、この条約のもとで責務を果す大人に求めている。子どもの身になって考える。(大田堯先生)
〇子どもが幼くて、自分でものごとについての判断力を十分に充分にそなえていない場合を考慮し、その意図を責任あるものが代行するばあいの気くばりのあり方として。
*「大人たちは子どものうちに大人をもとめ、大人になるまえに子どもがどういうものであるかを考えない」『エミール』ルソー/「おとなは、だれでも、はじめはみんな子どもだったはずなのに」サン=テグジュペリ
➁「子どもには子ども特有の感じ方、考え方、成長のしかたがある」ルソー「子ども」発見

➂「意見の表明」権(12条)
「自分の意見をまとめる力のある子どもに対して、その子どもに影響を与えるすべての事柄について、自由に自分の意見を表明する権利を保障する。その際、子どもの意見が、その年齢および成熟度に従い、正当に重視される」(12条) ⇔ 意見表明のための成熟、学習の必要
ことばに限らず、あらゆる形でのその子の意思の表明権、子どもの意思(語らない、行動で示すなど)、それらを大人自身が読みとる能力を。(大田堯先生)
➃鴻上尚史さんへインタビュー。「一番大切なことは、『自分の頭で考えられる』児童を育てること」を学ぶ
(鴻上さんは演出家。桐朋芸術短大名誉教授)略
➄子どもの立場に立って、大人社会のあり方をかえよう
第一次世界大戦 ⇒ 「子どもの権利に関するジュネーブ宣言」(1924年)=「人類が子どもに対し最善のものを与える義務を負う」とい精神、「子どもたちの正常な発達保障」「搾取からの保護」など。平和な世界への期待 ⇒ 第二次世界大戦[子どもに再び最悪なものを] ⇒ 「世界人権宣言」(1948年)=「教育への権利」「母と子どもとは特別の補助および援助を受ける権利」など。道徳教科書に掲載、桐朋小6年で学ぶ。「子どもの権利宣言」=「発達の保障」 ⇒ 「子どもの権利条約」
「子どもの命や健全な発育こそが、社会の関心や能力の最優先課題でなければならず、子どもはいい時代、悪い時代にも、通常のときにも、緊急事態のときにも、平時にも戦時にも、繁栄時にも不況時にも、この原則が確実に守られなければならない」
「この原則を政治的、経済的変化の中に根づかせることができれば、文明それ自体が大きな進歩を遂げることになる。文明の核心は弱いものや未来を守ることにある。子どもは環境と同じように弱く、しかもそれ自体が未来なのである。子どもの心身や情緒面での発育を守ることができないと、人間が抱えている困難がさらに手に負えないものになり、問題が解決されないで恒久化されることになる。成人の世界の誤りや失敗から子どもを守るための特別の手段をとることが、人類が抱えるもっとも基本的な問題の多くを究極に緩和するための第一歩となる」(『世界子ども白書』1990年)

そしてなぜこれらのことが大切なのか?
・自身の人生の主人公へ
・参加、自治の経験 ~社会の主人公へ
幼稚園では、信頼感や肯定感を育み、子どもがやりたいことを自分(たち)で決める、さまざまな参加の仕方が認められている、自分たちの願う環境構成をするなど、小学校では、「みんなの願いの木」「しぜんひろばづくり」など、子どもの権利〈自治、参加、意見表明〉を大切にした取り組みがあります。
つづく
6月15日(土)学校説明・施設見学会について
本校にご興味をお持ちくださる皆様
〇2024年6月15日(土)
桐朋小学校説明会&施設見学会を開催します。
今回は午前と午後の2回、各回参加の方法が2パターンございます。
ご希望のコースを選択して下さい。
<午前>
①施設見学→説明会コース 9:00受付 9:10開始 10:40終了 施設をご案内後、説明会にご参加下さい。
②説明会→施設見学コース 9:40受付 10:00開始 11:30終了 説明会後、施設をご案内いたします。
<午後>
①施設見学→説明会コース 12:40受付 12:50開始 14:20終了 施設をご案内後、説明会にご参加下さい。
②説明会→施設見学コース 13:20受付 13:40開始 15:10終了 説明会後、施設をご案内いたします。
※各回内容は同じです。説明会と施設見学合わせて90分程度とお考え下さい。
※施設見学のみのご参加はできません。
※説明会のみのご参加希望の方は②説明会→施設見学コースにお申し込みください。
※①施設見学→説明会コースにご参加の方は9:00~9:10にお越しください。9:10を過ぎた場合は説明会のみのご参加となります。あらかじめご了承ください。
〇内容 本校の教育について/考査関連の諸注意についてなど/施設見学
・校長の中村博と運営委員長の飯田彩子より、本校の教育の特色についてお話いたします。
・説明会前後、小学校の校舎内をご案内いたします。室内履きと外靴入れをお持ちください。
※説明会は大人の方向けのお話となりますので、ご承知おきください。
〇受付開始日 5月30日(木) 正午から
・本ホームページ「説明会・体験会予約画面」よりお進みください。
・お子さんのお名前でお申し込みください。1家庭、2名までご入場いただけます。(お子さんも1名としますが、未就園児は人数に含めません)
・男女の枠がございますので、お間違えのないようにお手続きください。
〇お願いとご案内
※本校の説明会にお申込みいただくには「miraicompass(ミライコンパス)」サイトでのユーザー登録が必要です。
事前に準備しておいていただくと、お申込みがスムーズにできます。
※すぐに満席になることも予想されます。その場合ご容赦ください。
※ご都合がつかなくなった場合はホームページよりキャンセルのお手続きをお願いします。(キャンセル待ちはございません。どなたかがキャンセルした場合にのみ空席になり、その場合のみ予約が可能です。ご協力お願いいたします。)
※満席時及び、申し込み締め切り後の日程変更はできません。お電話での変更もご遠慮ください。
※説明会後にミライコンパスマイページよりアンケートの送信をお願いします。これによりご参加の確認をさせていただきます。
皆様のご来校をお待ちしております。
桐朋小学校 教務
季節を喰む
2年生の国語と総合の学習 説明文の学習の様子と調理活動について紹介します。
入学式の大役を終えると、2年生は自主教材の『春の草花』という説明文の学習をします。
カラスノエンドウやオオイヌノフグリ、たんぽぽなどなど、子どもたちが学校の中で触れる草花のことが取り上げられています。
取り上げられている草花を探しに行って、触れてみたり観察してみたりしながら、説明文の内容と照らし合わせて学習します。
子どもたちは国語学習以外にも春の草花に触れる機会があります。
低学年の教室には毎月『かがくのとも』が届きます。4月号は『くさぶえあそび』がテーマのものでした。読み聞かせをしていると、教材『春の草花』で取り上げられているたんぽぽも草笛になるというではありませんか。さっそく学内に生えているたんぽぽを(本当はいけないのですが)少しだけ採取し実際に吹いてみました。
なかなか上手くいかず、どうしよう…と悩んでいると1人の子が「校長先生が吹いてた!」と新年度の始業式の様子を思い出したようでした。2024年度の始業式では校長先生が桜の花びらで草笛を吹いてくれたのです。

実際に吹いてみて上手くいったりいかなかったりしながら桜を楽しみました。
「いい匂いがする」「食べれそう」と子どもたちが感想を口にしていたので、「食べてみようか」ということで桜を食べてみることにしました。

今回作ったのは桜の塩漬けです。 春といえば桜!というほどメジャーな花です。そんな身近な花が実は昔から思わぬ形で親しまれてきた歴史があったりします。自分たちで集めた桜を使って塩漬けを作ってみる。そういうことにたくさん触れて経験して、少しずつ興味が広がっていってほしいです。
身体を知る
4月から5月にかけて連日子どもたちは身体測定や視力検査、歯科検診などが行われます。子どもたち「去年はより背が伸びた!」「去年よりも目が悪くなっちゃった・・・」と一喜一憂しています。

どの検診も全て自分の身体を知る機会の一つです。歯科検診の前に読んだ「はははのはなし」という絵本では歯について子どもたちに親しみやすく描かれています。この本には、丈夫な歯を作るには色んな栄養を取ることが大切だと書いてあります。子ども達は「栄養が歯に関係してるなんて!」と驚いていました。
桐朋小学校では野菜を育て、実際に調理する活動を行います。そこで栄養についても少し考えてみます。
好きな食べ物や嫌いな食べ物がある子どもたちですが、年に1度身体測定の期間をきっかけに栄養のことを少しだけ思い出しながら、ちょっと苦手な食べ物も食べてみる。そんなきっかけになればいいです。

私たちの団活動~団活訪問その1~
桐朋小学校では、5,6年生合同で行う「団活動」という授業(通称「団活」)があります。
「団」というグループでの活動なのですが、この「団」は子どもたちで立ち上げることになっています。
成立条件はいくつかありますが、基本的に5,6年生が一緒に活動できること、そのために5年生と6年生どちらも団に加わっている必要があります。自分たちのやりたい活動をアピールし、できるだけ多く「同志」を募るのです。
(※団活動の立ち上げまでの様子は、「園長・校長コラム Ⅱ-389 〇〇団を創りたい!」でお伝えしていますので、よろしければご覧下さい。)
早速、団活動を覗いてみました。
まずは、何やらおいしそうなにおいのする団です。今日のメニューは「白玉だんご」。楽しくテキパキ調理と片付けを同時に進めていました。おいしいお団子に添えるため、担当の先生があんこを作ってきてくれていました。心もおなかも満腹になっていました。次回のメニューも気になります。パティシエ団です。

さて次は、何やら顕微鏡を真剣に覗いています。何かを見つけて喜んだり、頷いたり、夢中になっている姿が。お邪魔にならないように様子を見せてもらいました。鉱物化学生物団です。

今度の団は、のこぎりで切る音、金づちで釘を打つ音、レジンを作成していたり、粘土で作品を創ったり、工作をしたり、音の大きさに反して静かに作品作りに没頭している姿が印象的な団です。作品作りに夢中になりながら、何を作っているか聞くと、嬉しそうに教えてくれます。

レジンでねこやかわいい形をつくっている、木を削って剣やライフル、クロスボウを作っている、空箱でガチャガチャの装置を作っているなどなど、それだけ楽しく夢中になっているということです。こちらの工房・・・じゃなくて団は、クラフトレジン団です。

今日の団活動訪問はここまで。また次回の団活動訪問(未定)をお楽しみに。
自然をたっぷり味わいました
明け方まで雨が降っていて、行けるかどうか心配していた遠足当日でしたが、朝にはすっきり晴れた空の下、高尾山口にみんなで集まることができました。

遠足実行委員が話し合って決めた遠足のめあてはこの6つ。登り始める前に改めて確認し、いざ出発!
①一日たっぷり自然を味わおう
②落ちているごみを1つ拾って、自然を大切にしよう
③新しいクラスでかかわりのない人とかかわろう
④山であった人とあいさつをしよう
⑤大きなけがをしないで登山をしよう
⑥家に帰るまでが遠足です(安全に家に帰ろう)
この日は稲荷山コースを通って一丁平を目指します。
雨でぬかるんだ道もそれはそれで楽しい。水たまりをよけたり、わざと入ったりしながら進みます。
途中、何度か休憩をしながら、全員で元気に一丁平に到着しました。
おいしいお弁当とおやつを食べ、たっぷり遊んで(走り回っている人多数!さすが5年生!)、力をたくわえて下山。
帰りはリフトに乗って高尾山口までおりました。
「遠足のめあて、達成できた人!」たくさんの手があがりました。
大きく遅れる人もいなく、けがもなく、たくさん歩ける人たちで、八ヶ岳合宿も楽しみになりました!

5年生のふりかえり
・登山リーダーが大変だった。みんな前向きに登山に取り組んでいた。
・新しい友達と仲良くなれた。
・遠足実行委員の人が大声で聞こえやすかったので、練習したんだなーと思いました。
・鳥の鳴き声が聞こえたのが、心が動きました。
・リフトの景色がきれいだった。しおりをもうちょっとわかりやすくしたい。
・今回はすごいつかれた~と言っちゃってたから今度はつかれたって言わない。
・休み時間で木登りをがんばりました。すごく高い木です。こんな高い木が高尾山にあるんだってびっくりしました!
・いっぱい歩いてつかれていたけど、いっぱい自然を味わえました。
PTA総会「考え合いたいこと」(ご挨拶にかえて) [Ⅱー390]
緑のあざやかな季節となりました。11日(土)午前にPTA総会、午後にしぜんひろばの清掃を行いました。5・6年生、卒業生、保護者の方、たいへんありがとうございました。幼稚園は、午前に保育、午後に園庭で遊ぶ会を行いました。ご参加、ありがとうございました。(写真は、しぜんひろば清掃の様子と園庭のシンボルツリーの現在です)

総会では、2023年度の活動報告、2024年度の活動方針提案、審議、お世話になった方のご挨拶などがありました。かかわった皆さん、ありがとうございました。これからも、初等部PTAの皆さんとともに、子どもたちの成長、発達を見守り、励ましていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
1、「桐朋小学校・幼稚園父母と教師の会(略称 桐朋学園初等部PTA)規約」より
原点を振り返り確かめること、原点を踏まえて現在大切にしたいことを考え合い、活動をすすめていきたいと思います。規約3条「目的」を共有しました。
規約 第3条 目的
1.家庭と学園の関係を緊密にし、父母と教師とが子どもの心身発達のために協力する。
2.家庭生活および社会生活の改善をはかり、その水準を高め、民主教育に対する会員の理解を深める。
3.学園の教育的環境の整備をはかる。
*あらためて民主教育とは何かを考えたいです。民主とは、国家の主権が人民にあること(岩波国語辞典)。一国の主権が人民にあること(集英社国語辞典)と書かれています。
文部科学省は、「戦後の民主的教育体制の確立と教育改革の実現にとって最も重要な意義を持つものは『日本国憲法』とこれに続く『教育基本法』の公布である」(homepageより引用)と述べています。
*桐朋学園は、1947年教育基本法を原点にした学園です。基本法前文には、「われらは、さきに、日本国憲法を確定し、民主的で文化的な国家を建設して、世界の平和と人類の福祉に貢献しようとする決意を示した。この理想の実現は、根本において教育の力にまつべきものである。われらは、個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成を期するとともに、普遍的にしてしかも個性ゆたかな文化の創造をめざす教育を普及徹底しなければならない。…」(下線は、中村)教育基本法を原点にした学園の現代的な意味を考え、深めたいです。
*教育的環境の整備として、たとえば「桐朋っ子の成長を見守るシンボルツリー ~幼稚園に植樹された桐ともみじ~」(わかぎり2024年2号)を思い浮かべました。数年後、もみじのぼりができるほどに、成長をたのしみにしています。
大きく育っています 左・桐 右・もみじ
2、「子どもの心身発達」のために。一人ひとりの子が育つ場として
(1)2024年は、子どもの権利条約批准30年の節目
幼稚園 保護者と学ぶ会(5月)では、「今こそ考え合いたい『子どもの権利』とは『原点に子どもを』とは ⇒ 子どどもの権利条約30年の節目にもう一度話し合いたい子どもの権利」をテーマ(仮)とします。
★子どもの人権を守るとはどういうことは? ★子どもと目線を合わせるとは? ★そしてなぜこれらのことが大切なのか? など、一緒に学び、考え合っていきたいと思います。
(2)子どもたちのことば(権利主体である子とどもたちの気持ちや願いを理解する努力を続けましょう。)
〇わたしたち子どもは、未来の希望となる種で、無限の可能性や能力があり、参加し、発揮することができます。
〇わたしたちは、平和に生活することができ、さらに豊かで充実した人生を歩むことができます。
〇わたしたちは、おとなと同じように意見を言い、話し合うことができます。
〇わたしたちは、自分らしく生きるために、自分で考えて行動することができます。自分の夢を、自由に考えて決めることができます。
〇そのためには、わたしたちだけではできないこともあり、おとなの協力や支援が必要です。
〇未来の社会をつくるわたしたちは、知りたいことを学び、十分な教育を受けることで成長できます。
武蔵野市『子どもの権利条例』より引用。子どもたちのことばは、中高生世代が考えたものです。桐朋小高学年の人たちと学び、自分(たち)のことばを考え合いたいと思います。
(3)日本国憲法と子どもの権利条約が生きる園、学校づくり
(1)(2)を大切にし、そのための条件整備として、
・子どもたちのいのちと健康を守り、学ぶ権利を保障するため、教育予算をOECD諸国並みに増やす
・幼稚園や小学校など、十分な教職員の配置、子どもたちの生活、学びが充実する教育環境整備を
など、PTAで話し合い、声をあげていきましょう。
東京都は、2024年度の私学助成予算で、小学校では昨年度より約3億2千万円増額し、約80億円としました。一人あたり31万円/年となります。私学振興のための施策として、幼児教育の無償化(父母負担軽減)を進め、新たに私立中学校授業料の負担軽減(40億⇒80億へ)などを行います。今後、私立小学校授業料の負担軽減などをもとめていきましょう。
*今回は触れることはできませんでしたが、私立学校の公共性と独自性、果たす役割なども書いてみたいです。
「私立小学校が結束することになった歴史的なことを話しましょう。「絶対に公立小学校にはできない特色ある教育を守ろう」と私立小学校が起ち上がる事件があります。日本が戦争に突入する前夜、公立小学校を「国民学校」に切り替えて、私立小学校は全廃するという閣議決定がなされたのです。大変な危機でしたが、先人たちは日本私立小学校連合会をつくり一致団結して私立小学校を守り抜きました」(「全私学新聞」座談会「私立小学校の魅力を語る」の中で、重永会長の発言を引用)

3、平和な世界を創る
世界では、戦争が起き、続いています。日本では、英・伊と共同開発を進めている戦闘機を第三国への輸出をするなど決められました(閣議決定)。そうした現在、世界の平和に貢献するとはどういうことか。「自分ごと」として考えることとはどういうことか問われています。皆さんと「平和な世界を創る」ことを話し合っていきたいと考えます。
これまでにコラムで書きましたが、2023年9月、ウクライナの作家ロマナさん、アンドリーさんが桐朋小に来て、6年生の授業に参加してくれました。お2人に6年生が「私たちもできることをやりたいので、できることを教えてください」と聞くと、「しっかり勉強することです」「皆さんが大人になったら、日本だけでなくて、世の中の戦争をなくしてくれるのではないかという印象があります」と言い、忘れられません。
6年生は卒業式の表現で、「広島の原爆ドームから、核爆弾、戦争の恐ろしさを知った。今は原爆よりも破壊力のある爆弾をアメリカやロシアなど多くの国が持っている。核兵器をなくしていきたい」、「原爆が投下された広島へ行った。戦争の悲惨さを学び、もう二度と過ちを繰り返さないと心に誓った。この決意を胸に、中学校に行っても、勉強して平和について考え、自分のできることを精一杯がんばっていきたい」などと語りました。
早稲田大学の岡真理教授は、「私たちが生きるこの同じ地上で今、ジェノサイドが進行している」現在に対し、「とにかく、この戦争をやめさせる」ため、「イスラエル大使館前、アメリカ大使館前に行って抗議する」「国連総会でイスラエルの戦争犯罪を裁くという調査を、日本は棄権している」ことをさせないよう声をあげることなどを呼びかけています。「基本的なことは、『正しく知ること』。それから、「周りの人に知らせる」ことも大切です。(岡さんは、『ガザとは何か パレスチナを知るための緊急講義』大和書房をはじめ、さまざまな場で発言)
5月13日朝、しぜんひろば