投稿者: tohoblog
転編入試験を行います
2023年4月入学の転編入試験は、以下の学年で行います。
新2年生 女子2名
試験日は2月18日(土)です。詳細は、募集要項でご確認ください。
募集要項・入学願書(無料・学園から郵送)
請求期間 1月20日(金)~2月3日(金)
請求方法 小学校ホームページ内、「転編入通知希望フォーム」にご登録ください。
「2023年4月 2年生 女子」に該当する方へお送りします。
問い合わせ 桐朋小学校 事務局学務課
TEL:03-3300-2111(学園代表) 平日9~16時/土曜9~12時
WEB交流会のお知らせ
本校へのご入学をご検討くださる皆様
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2023年が始まりました。
今日から3学期が始まり、学校は子どもたちの弾ける声で溢れています。何よりも嬉しい限りです。
今年度もどうぞよろしくお願い致します。
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前回お知らせしたWEB交流会のお知らせを再掲・予約開始日を公開いたします。
Zoomの画面上で行う、本校教員と複数のご家庭のみなさまとの交流の場です。
ぜひご参加ください。
◯桐朋小学校WEB交流会◯
(日時)2023年 2月 18日(土) ①10:00- ②11:00-
1回あたり40分〜50分程度。
(予約開始日)1月15日(日)12:00(正午)〜
(内容)・本校教員による学校概要
・教室(子ども)の様子などの話
・ご参加の皆様からの本校教員へのご質問
※大人の方向けの説明/交流です。
お申し込み時に質問の欄がありますので、当日聞きたいことをお書きください。なるべくお答えできればと思います。
もちろん、その場でご質問いただくことも可能ですし、ご発言の有無は自由です。
お子様の年齢は問いません。桐朋幼稚園にご興味をお持ちのかたもご参加いただけます。
ぜひ、お気軽にご参加ください。
ホームページ、紫色のバナー「▶説明会、体験会予約画面」をクリックすると予約画面に進みます。
はじめての方は、事前にユーザー情報の登録をしておくことをおすすめします。
また、中央沿線私立小学校合同相談会にも資料のみではございますが参加いたします。
ぜひご覧ください。
桐朋小学校 教務
2023年がはじまりました。どうぞよろしくお願いします [Ⅱー326]
この冬休みに読んだ本で、「疎植」と呼ばれる米作りの栽培法と出あいました。それは、「人間が色々手を加えるのではなく、イネが自然に育とうとする力を信じてゆだねるという考え方に基づ」き、「できるだけ自然に近い状態で、風が通り光がたっぷり当たるように、株と株との間を大きく空けて植えてゆく」方法で、「農薬と化学肥料を使わない稲作」ができます。そして、「そこに住む人々と共同体が、森や川が、水田が、100年先も幸福な姿をイメージ」できるものでした。保育、教育においても、一人ひとりが自らを創出する力に依拠して、その力や関係が育つ環境を試行錯誤してつくり、幸福な姿をもとめていきたいと思いました。
1月6日初等部冬季研究会を行い、子ども、私たちが生きる世界、育つ、育てる環境などを考え合いました。講師の小崎悠太さんからは、土、水、植物、虫などが生きる、育つとはどういうことか、人間が生きものであることを意識して自然を活かして暮らす、多様な生きものたちと共に循環の中で生きることなどを深く考えさせられました。また「新しいもの」を「便利」だからとつくりかえ、「消費」することに向かいがちな日常に対して、身近なものを「活かす」「つくりかえる、つくり出す」「循環する」こと、そのための文化伝承に触れました。研究会の中で、藁を編むたのしさ、きれいに強く結んでいく喜びなどを経験しました。今日は、6年生が小崎さんと出あって、どんな学びが生まれ育まれるのかたのしみです(下の写真)。3学期、遊びや学びに夢中になる、もっとやりたいものをつくり出したいです。
いただいた年賀状では、「昨年は、3西で自分のソーラークッカーを作りました。何度も工夫してあつく温まったカレーは、とてもおいしかったです。今年は、たくさん実験して、発明したいです。」と書かれていました。読ませていただいて、ワクワクしました。自然は思い通りにはならないこと、思い通りにならないことで手をかけることから生まれる喜び、豊かさを感じました。幼稚園の生活、小学校の総合で、ものをつくり出すたのしさ、「共生」「循環」をキーワードにもっと学んでいきたいと考えました。その時に大切にしたいことが、「40億年近くのあいだに手に入れた生きものたちの知恵に学ぶ」(中村桂子さん)こと。「疎植」や小崎からの学びもその一つ。「進化によって多様化し、それらが共生するのが生きものですから、そのような生き方を支える技術を開発し、生きものが生きやすい社会にしていきたい」(同上)という考えを大切にしたいです。
世界共通の課題して、紛争、戦争を絶対とめること、地球温暖化、地球危機がすすんでいることを根本からかえること、身近な食糧を安全に必要な分だけ生産することなどがあります。身近なことから、日常の生活や学びと結びつけて取り組んでいきましょう。
2023年、一人ひとりの幸せな子ども時代を願い、どうぞよろしくお願いします。
小崎さんは鹿児島に在住。エネルギー問題への関心から、電気やガス、水道などのインフラは契約せず、できるだけ自分で賄うオフグリッドの生活を実践。また、ソーラーパネルを用いた自家発電や、火起こし、動物の解体といったアメリカ先住民の技術を習得し、講習などを実施。大規模なものづくりにも関心を持ち、知識と技術を豊かに持つ人です。
小崎さんには、2022年夏に桐朋小学校の先生たちが研究研修で学ばせていただきました。また、小崎さんから、「技術が自分自身を養ってくれること」、「自分自身を養い、暮らしをつくること」、「自分でなんでもできるようになっていくための力」、「異なる意見や文化の人とも協力しあえること」など文書で学びを共有してきました。
3学期始業について
保護者のみなさま
みなさまお健やかにお過ごしでしょうか。
2023年が始まりました。今年もどうぞよろしくおねがいします。
現時点で3学期始業に関して12月の初等部通信でお知らせした内容に変更はありません。
登校にあたっては、以下の2点をかならずお子さんに持たせてください。
・健康観察表(休み中の検温なども記録したもの)
・うわばき(体育館で運動する際や遊ぶ際、今の状態がふさわしい状態か確認をお願いします)
※休み明け、貸出用のうわばきが大変不足します。貸出用をお持ちの方はお戻しください。
桐朋小学校
はとな会開催!
「はとな会」とは、何のことだろう?と思った人もいたかと思います。
これは、高学年の体育の時間に取り組んできた陸上運動の記録会のことです。
例年は「走る会」という名で取り組まれてきましたが、今年から「走る」だけでなく、「投げる」と「跳ぶ」を加え、いわゆる3種類の混成競技のような形に変えて学んできました。
子どもたちの中から実行委員を募集し、集まってくれた人たちと一緒に考えた会の名前が「走って跳んで投げる会~チームワーク賞をねらえ~」略して「はとな会」というわけです。
「走る活動」では、5,6年生ともに、より速く走ったタイムを競うのではなく、安定した心拍数で同じペースで走り続けることをねらいにしてきました。速さよりもコントロールの学びです。自分の走るペースがコントロール出来ているか、ゴールタイムやラップタイムを予想し、当てる「あてっこペース走」を行いました。
日々の授業でも、脈を測り、班やペアでラップごとのタイムを記録しグラフにして、自分の走るペースを可視化しペースコントロールを意識してきました。5年生はラップごとにヒントの声掛けをランナーにしていいことにし、6年生は走り終わるまでヒントなしで予想タイムの通りに走れるかチャレンジしました。練習の成果もありコントロールがうまくいった人や予想とピタリだった人も複数いました。お見事!
「投げる」活動はフリスビー投げ。
「はじめフリスビー投げと聞いて笑ってしまったけど、実際にやってみると投げ方や力の入れ方が難しく、意外と奥が深いことが分かった。」
「ボールなら遠くにとばせるのに、これは曲がってしまうから難しい。」
など、子どもたちの感想から見られました。持ち方やタイミングなど、よく班で学んでいました。
「跳ぶ」活動は立ち幅跳び。
自分の身長を超えようというところから始まり、手を振る、しゃがむくらいぎりぎりまで足をつけるのを我慢するなど、より遠くへ着地するにはどうすればいいか考え合っていました。
記録を測定するのも班で行います。メジャーの準備や位置合わせ、記録の記入などローテーションしながら上手く分担して進めていました。
はとな会、これまでの学習の成果を発揮できたかな。
ぜひぜひ寒い冬休み。マイペース走やフリスビー投げ、立ち幅跳びで身体を動かしてみてはどうでしょう?
昔遊びの会を開催しました
12月10日(土)3年ぶりにPTA文化セクション主催の昔遊びの会を開催しました。
昔遊びの会は、異学年交流、昔の遊びに触れ楽しむこと、休み時間に遊んでいる遊びを見合うこと、そんな姿を役員の方やお手伝いの保護者の方が支え、共に楽しむ場として受け継がれてきたPTA主催の行事です。
開催に至るまで役員の保護者の方たちと演目の内容や、当日の感染症対策について考え合ってきました。考える中で、開催に向けてご尽力下さった昨年度までの取り組みや様子を確認しました。開催に向けたバトンは確実に今年度の役員さんたちに受け継がれ、話し合いで大変参考になりました。ありがとうございます。
今年度は感染症対策のため、1,3,5年生の部と2,4,6年生の部に分け、開催時間も限定しました。
演目は、「おり紙」「わなげ」「ヨーヨーつり」「紙ひこうき」「しゃてき」「けん玉」「すばなし」「こま」の8演目です。
各演目、楽しく和やかに子どもたちが楽しめるよう掲示物や説明が華やかでした。楽しい雰囲気でも、混雑の状況を見て保護者の方が声をかけて下さっていました。
終わり際、子どもたちから
「見て見て見て~これ作ったの!」
「もう終わり?もっとやりたかった!」
「はまりすぎて、ずっと同じ場所にいて、気がついたら終わってしまった・・・」
微笑ましい声が複数で聞こえました。
後日、当日参加できなかった人やもっとやりたかった人のために、「おり紙」の演目で使用した掲示物を低学年校舎と3年生の廊下などに掲示しました。休み時間におり紙をみを手に見本を見ながら作っている様子が見られました。お家に持ち帰った人もいるかもしれませんね。
昔遊びの会の余韻を楽しみつつ2学期が終業しました。
笑顔いっぱいの昔遊びの会、ありがとうございました!
幼小で「主体的・対話的で深い学び」をつくり、育ち合おう [Ⅱー325]
子どもたちには、《幼小時代に異年齢でかかわることの楽しさを味わう》《主体的に人生を切りひらく経験をする》《協同してつくる世界の面白さを味わう》などを大切に過ごしてほしいと思います。そのための幼稚園、小学校にしていきたいです。
ここ数年、保育、教育では、「主体的・対話的で深い学び」が語られ、広がっています。保育要領、学習指導要領(文部科学省)など、「『生きる力』を育むため」この学びを大切にしています。私は、現在と未来に、一人ひとりが社会のつくり手となるために必要な学びと考えます。
【幼小で「主体的・対話的で深い学び」をつくり、育ち合おう】
12月、2年生からゆり組(年長)に郵便が届きました。「どんぐりみゅーじあむに ぜひきてください」というお誘いでした。当日、ゆり組のみんなで小学校絵画室へ行き、2年生といっしょのグループに座りました。はじめの集まりで2年生から「ようこそ、どんぐりみゅーじあむへ。まちにまった会です。いろんなものをつくりましょう。やさしく教えるから」と話しました。その後、2年生がドングリでつくったこまや剣玉、マラカス、アクセサリーを近くで見せてくれて、幼稚園の人に、好きなものを選んで、いっしょにつくろうと誘ってくれました。
絵画室でドングリゴマやドングリ剣玉などをつくった人たちが、早速、幼稚園のテラスに行って試します。ドングリ剣玉は、紐を通したドングリをカップの中に入れることが難しい。何回かやっているうちに、紐が外れて飛んでいってしまうこともありました。直すには、絵画室に爪楊枝を取りに行き、紐を爪楊枝で押しながらカップの穴に入れて、反対の中側から引っ張って結びます。穴から抜けないように結び目を大きくするなど、1つ1つが難しい作業のようでしたが、ゆり組の人から頼りにされた2年生がゆり組の人のためにがんばっていました。
上の写真のように、幼稚園の人の「どんぐりをカップに入れたい」気持ちに火がつきます。ところが、入れたいけど入らない、入らないけど入れたい。自分なりのやり方で失敗、2年生のやり方を見て試行錯誤をします。カップを持つ手で投げる方向を試し、2年生のからだの使い方などを見て工夫していました。また、紐が長いと難しく、2年生さえも「長すぎてムズイ」など、入れるのに苦労していました。これまでの研究では、保育者の「やってごらん」という「声かけ」よりも、他の子の「できた!」という「姿」の方が、「やりたい!」に火をつけることが多いと言われています。今回もそのように感じとれました。何回も何回もやって、入った瞬間の喜びは大きなものでした。私もいっしょに喜びました。
終わりの集まりで、何人か感想を話してくれました。「どんぐりでこんなに遊べて楽しかった」とゆり組の人が話したり、「今日から友だちだよ!」と2年生が話していました。2年生にとっては、事前の準備をし、年長者として教える経験を積みます。当てにされる、頼りにされる自身を大事にしてほしく、教員からもここがよかったね!と声をかけます。
共同研究者の久保健太さんによれば、主体的な学びは、学習者本人のやりたい!という気持ちからはじまる学びです。そうした学びをたくさん経験してほしい。対話的な学びは、子ども同士の協働から生まれる学びです。久保さんが「挑戦し、失敗する。試行錯誤を繰り返す中で、子どもたちは様々なアイデアをやりとりし、仲間たちのアイデアにもふれ、自分の学びとします。」「試行錯誤の中で、子どもたちは知識・技術を発揮したり、結びつけたりしています。そこに子どもたちの「学び」がある」と言っていました。今回、やりたい気持ちに火がつき、やってみるが思い通りにいかない中で試行錯誤し、お互いの姿を通した、ことばだけでない豊かな対話的な学びが生まれていました。深い学びは、知識・アイディアを相互に関連づけることで生まれる学びですが、今回の様子では、腕やからだの使い方の探究、紐の長さの調整、幼稚園の人がいろいろと試す中で後ろにまわす技を2年生が発見し、新たな技を探究するなど起こりはじめていました。
もう一つは、2022年度から3か年程度を念頭に、文部科学省から『幼保小の架け橋プログラム』として、「子供に関わる大人が立場を越えて連携し、架け橋期(義務教育開始前後の5歳児から小学校1年生の2年間)にふさわしい主体的・対話的で深い学びの実現を図り、一人一人の多様性に配慮した上で全ての子供に学びや生活の基盤を育むことを目指すもの」という提起にかかわります。今後、この方向で幼保小の連携がすすむことを願っています。初等部では、これまで主体的・対話的学びが展開されるための環境づくりをすすめてきました。たとえば、しぜんひろばでの幼小の交流、畑の虫や草花を通しての交わり、幼稚園の人が1、2年生や音楽の教室に行き、小学生の様子を知ることなどです。このプログラムのねらいの1つに「幼児期から児童期の発達を見通しつつ、5歳児のカリキュラムと小学校1年生のカリキュラムを一体的に捉え、地域の幼児教育と小学校教育の関係者が連携して、カリキュラム・教育方法の充実・改善にあたることを推進」することがあります。ぜひ実現させていきたいです。
ドキドキの鬼ごっこ
雨上がりのとっても気持ちよく晴れわたった昼休み、子どもたちが続々と校庭に集まってきます。
遊び企画委員会による「ひみつけいさつ」が開催されるのです。
ちょっとルールが難しいとのことで、今回は3年生以上が対象とのことでした。
かかりの人が、ルールを説明してくれます。
・まず全員目をつぶる
・鬼をやりたい人は、目をつぶったまま手をあげる
・かかりの人にタッチされた人が鬼になる
・誰が鬼かわからない状態で、鬼ごっこ開始
みんな、ドキドキしながら目をつぶり、スタートの合図で一斉に校庭に散らばっていきました。
1回戦は、約5分。よくもこんなに動き続けられるものだと感心してしまいました。
テキパキと自分たちで進行してくれたあそび企画委員のみなさん、楽しいイベントをありがとう。
寒さで体を動かすのが億劫になりがちですが、こんなおにごっこができるならワクワクです!
「あのね」~どんなことを大切にしてきたのか。今も大切にしたいことは何か~[Ⅱー324]
毎年発行されている親と子の会話集『あのね』。2022年版に、私も書かせていただきました。書く前に、初期の頃の『あのね』を振り返りました。大場牧夫先生(初等部誕生時の専任教員)が、「子どものことばに耳を傾ける」、「ことばとして言えるかどうかの問題ではなく親と子・先生と子の間にそんなことが言える気持の結びつきがあるということが大切」、「まず「生きたことば」を大切にしたい」などを書いていました。
●1986年度版 「あのね うんとね きょうね …」なかなかスムーズに次のことばがでてこなくて 聞いているほうがもどかしくなるようなことば/ちゃんと聞いてもらえるまで ひつこくつきまとって いい続けることば/ことばではいってないけれど 顔や動きで「あのね…」といっている それもことば
でも なかなか通じにくいものです 子どもは伝えたいのに おとなが受けとめないことが多いからです/親も教師も 子どものことばに耳を傾ける必要があるのです ほんとうに子どもを理解するためにも」
●1987年度版 「小学校一年生の作文に「せんせいあのね…」と書き出すことを大事にする時があります。自分の感じたこと思ったことを文章で表現する始まりの時です。
この「あのね…」は話すことばとしては幼稚園時代に大事なことです。それはただことばとして言えるかどうかの問題ですなく親と子・先生と子の間にそんなことが言える気持の結びつきがあるという大切な事です。
家庭生活での子どものことばや会話の記録はその意味で宝物のように感じます。この子どもたちが青年期に入りはじめる時にあるいは親子の会話がぎくしゃくすることがあるかもしれません。その時になってあわてないために心の結びつきのことばを大事にしていきたいものです。」
●1989年年版 「「ことば」も正確な表現よりも まず「生きたことば」を大切にしたい。それは気持ちの「表わし」であり、イメージの「表わし」であり、子どもなり、その人なりの「表わし」として大事なのだ。「あのね…」は家庭生活での親と子の「生きていることの表わし」だと思う。それが「手書き」によって楽しく伝えられている。」
現在も大切にしたいことです。
―2022年版―
〈子どもより学ぶ〉 子どもの発達について学ぶと、願いや理想を込めて、それを基準に子どもをみてしまうことがあります。そして、できていないことを気にします。また□□が大切と頭で理解して、実際にそうならないことに悩む場合があります。そうした時こそ、子どもと過ごしていて心が動かされたことを思い出します。子どもの不思議さに目をみはる感性だったり、豊かで繊細な感受性、旺盛な好奇心とその気になり行動することなど、ハッとさせられてきました。私は、子どもから感覚や思考の回路をひらかれ、感受性や思想を育てられてきたのだと思います。
〈あせらず、ゆっくり、たっぷり、子ども時代をしっかり過ごそう〉 子どもは、自分でしたい、相手がわかってくれた、不思議に思う気持ちと感動、自分なりのやり方(試行錯誤や失敗も)、関わる楽しさなど、それぞれの年齢で、それぞれの時期に、その時しかできない生活を送り、その時しか味わうことのできない感覚、感情、感受、感動、認識、思考など、たくさんのことを自らの内に育てています。だから《現在、今》が貴いのです。
〈子どものことば、親子の触れ合い〉 子どものことばは、たっぷり《遊び、からだを動かし、心を弾ませ、やすみ、食べ、寝て》育ちます。《安定した人間関係、周囲の協力》などがあり、情緒の発達があって育ちます。《好奇心》《五感の耕し》《実物、実際⇔感覚、感受、感情、思考、認識、理解》とことばの結び合い、《共感》《ことばでわかり合う》などの土台があってこそ豊かになります。
ゆったりとした人と人との信頼と安心感の中で、ことばは子どもの体と心に入っていきます。子どもは自らの五感を働かせて感じ、考え、確かめられるような時間や空間、関わりをもつことによって、ことばを育てます。ぼんやりも、貯えられているものがある貴い時間です。このようにして獲得されることばは、子どもの中で考え(思考)や想像力のもとになっていきます。大人は、「そう。そうなんだ」と相槌を打ちながら、子どもと同じ目線を意識してききたいですね。良いきき手は、良い話し手を育てます。
ぬくぬく!織り物
工作室の前を通りがかると、換気で開け放ったドアから3年生の姿が見えました。
ちょっとおじゃましてみると、毛糸を手に黙々と作業しています。
四角い板紙に縦糸をピンと張って作っていたのは、てぶくろ!
割り箸にはさんだ横糸を、上・下・上・下、と丁寧に丁寧に通していきます。
一段できたらクシに持ち替えて、キュッ、キュッと押し下げていく作業がリズミカルです。
なるほど、これをしないと「ゆるふわ」で風がスースーしてしまいます。
密で暖かな手袋にするためには欠かせない作業なのですね。
丸い枠についた突起に、毛糸をひとつひとつ巻きつけている人もいます。
こちらは「帽子」になるのだとか。
今日のところは、おでこから2センチくらいの部分に取り組んでいる人が多いように見受けました。
「ぜんぜんすすまないー!」「手伝って〜!」なんて声も聞こえてきましたが、みんなお気に入りの糸で自分だけの帽子の完成が楽しみで仕方ない様子です。
色を組み合わせて、おしゃれな縞模様にしたり、一色でシックにまとめたり。
みんなの手がとっても暖かそうです。
一心に手を動かして、時間をかけて自分のものを作り出す教室。
織物の動きはとても静かだけれど、熱気がありました。
先生もなんだか挑戦したくなりました。