投稿者: tohoblog
みんなでつなぐバレーボール
高学年の体育では、バレーボールの授業が行われています。今日は6年生の様子から。
4人学習班を1チームとし、3VS3のゲームを行っています。得点ごとにローテーションし、相手コートに返球するまで必ず3人がボールに触ることをルールとしました。
バレーボールは球技の中でも難易度が高い運動ですが、ルールを工夫し、全員が参加できることを大事にしています。例えば、レシーブはキャッチでOKにし、トスはオーバーハンドですが「い~ち!」と数えるまでボールを保持してからトスをあげてよいなどです。これによって、強打のアタックもキャッチでき、コースを狙ったアタックも飛びついてキャッチできることで得点がなかなか決まらず、ラリーの応酬が繰り広げられるようになりました。
また、3人が必ずさわる制限があることによって、誰もがアタックを打つチャンスが来ることになります。必然的に班で教え合いや、声掛けが出てきます。盛り上げる雰囲気を作り出す声掛けと同時に批判的な言動も見らがちですが、ここを上手く切り替えて、お互い引きずらないように意識的に働きかけていくことも6年生は巧みです。
試合後に学習カードに記録を書いていきますが、班で自然に反省会が開かれ、学習したアタック決定率の調査や触球数調べの分析データを見ながら、話し合う姿が見られます。こうした雰囲気を作り出せるこの6年生をいつもすごいなあと思っています。
6年生はここからさらに学習を進め、一人増えた4VS4の試合形式になります。「3人がボールを触る制限=全員触る」だったのが、「4人だと1人触らない人が出てくる」ことになります。さあこの変化をどう効果的に活用していくのか、残りの学習が楽しみです。
6年生と「いじめ」について考え合う [Ⅱー328]
文科省の調査「いじめの状況及び文部科学省の取組について」によれば、いじめ認知件数が2014年度以降増加しています。小学校では、2014年度およそ12万2千件が、2021年度およそ50万件になりました。子どもたちは、実際は認知できなくてもっと多いのではないか、上の学年に進むと認知しずらいと思う、などと想像していました。
教材として、『いじめと向き合う』(教育科学研究会編、旬報社)に書かれた中学1年生のクラスであった「いじめ」を取り上げ、「もし自分がこのクラスにいたら」「どんなふうに向きあうか」を想像して、感想、意見を出し合いました。6年生の感想、意見から一部を紹介します。
〇私はもし、イジメというものをみても、注意はできないと思う(複数の人)。被害者と話はできるけど、事件場面をみて止めることはできない。先生に訴えても、効果がないと私は思う。じゃあ、どうしたら、いじめを止めればいいんですか、と私は人に問いたい。
〇ずっと耐えて、標的が変わるのを待っているのでは? もっと大人が気づいて、向こうから話しかけてくれても、その後にどうなるかを想像してしまって「何もない」と言ってしまいそう。
〇もし私がいじめている人を反論した場合、自分が攻撃されてしまったら、嫌な気持ちになります。そして、いじめを自分も相手にやって、のがれる? ような行動はしたくないけど、やってしまったり、そんな学校に行けなくなってしまうかもしれません(複数の人)。もし、いじめられたら、お母さんに相談したいです。いじめられてる同士で、家などに集まり、遊んでもいいかも。
〇僕はいじめを注意してもいじめられるので、先にいじめをしていない人達と友達になってから、いじめられている子と友達となる。そうすれば少し気が楽になると思う。
〇クラスに私がいて、イジメに気づいていたら注意したり、されている人に声をかけたり、教師に話したり、もし自分がされたら無視したり、言い返す。あまりにも酷かったら教師に話したり、スマホや録音機を使ってこっそり録音して教師に提出する。
〇いじめと言うのは、すごくむずかしいと思った。理由は、もしいじめられている人をかばったら、次は自分が狙われる可能性があるから、すごく怖いです。中一のいじめの数が少なかったのは、多分いじめのことを先生が気づいていないからだと思います。
〇ぼくだったら、いじめている人がいたら、それを止めようとしたい(複数の人)。もしそれでも止めてくれなかったら、先生に相談して止められるようにしたい。けど、自分が止めたら自分がやられるとやはり怖くなってしまうかもしれない。
〇今まで、いろいろないじめを見てきて、何だかのこと言ってやめさせてきたけど、中学校のいじめはもっと苦しいと思います。先生が気づかないケースは、B、Dなどの悪口などは対処ができないので、僕だったら、すぐに母に言って〇〇(具体的な場所)とかに逃げて新しい生活をうみ出します。でも逃げるには、前に、なぜいじめられたのか? とか考えて、学校に行ったらいいと思いました。
〇私がいじめにあっている子をみたら、積極的にその子をかばってあげたいです。少しでもストレスをなくしてあげて、学校に行くことが苦しいと言わないで楽しんでいけるようにしてあげたい。もし私がいじめられたら、他の人に迷惑がかからないよう自分一人で対応します。
〇肩に触れただけで「痛い痛い、暴力暴力」と言ってくる男子はこのクラスにもいます。何も言っていないのに、いきなり悪口を言ってきたりするのは違うと思います。注意した生徒が標的になってしまうと、声もあげづらくなってしまい、反撃もしづらくなってしまわないような、誰でも怖がらずに発言できるクラスをつくりたいです。
〇私がもし友子さん側だったら、不登校になって、自分の家(部屋)に引きこもると思います。
〇いじめている子にはあんまり関わりたくなくなると思う。無視すればいい?(複数の人) いじめはよくない。何も言いたくなくなると思う。
〇僕が思ったのは、中学生活が始まった瞬間にいじめられるのは、とても辛いなと思いました(複数の人)。僕だったら、いじめられてる子がいたら、絶対に相談にのってあげる。
〇対策は、授業の時間を使ったり、家に行って話したりする。親といる時がいい? 親に話したり、それが無理だったら、チャイルドラインなどそうゆう所で、いじめを受けていると言う。場合にもよるが、先生に言うのはあまり意味がないと思う。
〇私は、いじめられるのをわかりながら、注意をできるような人ではないから、直接はいじめの人たちに注意できないけれど、そう思っている人全員で、先生と協力して、先生だけに任せて叱ってもらうのではなく、相談し、一緒に解決できるようにしたいな(複数の人)、と思いました。それと、話し合いを重ねることも大事かな、と思いました。
25日朝、しぜんひろばの池は氷で覆われていました。たくさんの幼稚園、小学生の人たちが、ひろばに集まりました
意見を聞き合った後で、本に書かれていた中学生の意見を読み合いました。「クラスで起きているいじめの実態と意味を明らかにしたうえで、これまでクラスで起きていたことをどう感じているか、これからクラスがどうなっていくことを願っているか、自分自身はどうしようと思っているかについて意見を書いてもらい、「みんなの意見集」をつくって一緒に読みあ」った取り組みです。「意見集」から一部引用させていただきます。
□クラスのいじめのつらさ‥、私も経験があるのでよくわかります。やっている人や、自分は関係ないと思っている人がいたとしたら、この気持ちは絶対に分からないでしょう‥。自分がそうなったらどうなるかと、一度考えてほしいものです。受けたいじめはその人の深い心の傷となります。私も時間が経ったいまでも、何かのきっかけでそのつらさがフラッシュバックしてしまうことがあります。それほどつらいことなのです。あのときのつらさは経験者にしかわかりません。そんなとき支えてくれたのは友だちでした。いじめはもうやめてください。
□一方でだれかがいじめをすると一緒にそれを楽しむ人もいる。だれかが標的になれば自分に危害が及ばないから、または自分のストレスのはけ口にしているのだと思う。いじめをすることで、自分は人よりも優位な立場にいると勘違いしている。一人ひとりと接するとみんなそれぞれに良いところがあって、みんなそれなりにいじめられている人を助けたり、止めるためにできることをしている。いじめられている子がいるとそっとめだたないように助けている人、こっそり先生に知らせてひどくならないようにしている人。みていると、やられている人が思いあまって強い言葉で言い返したり、にらみ返したりすることもある。でも、それは決して好き好んでしているのではなく、ある程度言い返さないと「こいつはいじめやすい」となめられてしまい、それが次のいじめにつながると考えるからだと思う。このクラスは、ある限られた人たちによって荒れている。そして、本当の気持ちを言えずに苦しい思いをしている人たちもいる。
□いじめをしている人たちには、自分では解決できない何かがあるのだと思う。他人には言えない、分からない大きな問題なのかもしれない。そのことを追究することはできないが、その問題でクラスが荒れてしまうのならば、少しでも良くなる方向にいくように考える必要があると思う。
⇒この意見にある「自分では解決できない何か」「他人には言えない、分からない大きな問題」って何かを子どもたちは想像しました。家族間で、親が子に何かをしているのではないか。「虐待」「ネグレクト」があるのではないか、など意見が出ました。
一人ひとりが声をあげ、聞き合ってお互いの思いを共有する、発せられた声が学級や学校の雰囲気をかえていくことの大切さを感じてほしいと思いました。
この間、石井光太さんの『ルポ 誰が国語力を殺すのか』を読みました。既読した先輩教員からは、序章に書かれた「『ごんぎつね』の読めない小学生たち」をどう捉えますかと聞かれ、子どもたちの生活経験、物語を想像することについて改めて考えさせられました。
石井さんは、序章で、子どもたちの育ちの課題を「一つの物事の前に立ってじっくりと向き合い、そこから何かを感じ取ったり背景を想像したりして、自分の思考を磨きあげていく力」とし、「クラスメイトに対する暴言に関しても同じだ。今の子供は好ましくないことが起これば、二言目には「死ね」と吐き捨てる傾向にある。言われた側が、その言葉をどう受け止めるかを考えていない。だから相手が深く傷ついて学校にこられなくなっても、自分が原因だと考えられない」などの子どもの実態をとりあげます。そして「国語力」を育てることの大切を述べます。その「国語力」とは、「人間が生きていく上であらゆることの基礎となる力」「見知らぬ世界を我がこととして想像し、他者の心のひだまでを感じ取り、自分の考えを整理し、相手につたわるように適切な言葉で発信していく。それは人間が広い社会の中で独り立ちして生きていくために必要な全人的な能力」などと言います。
「いじめ」を他者に対する想像力、感情の育ちなどとつなげて考えると、学校において、人と人とのかかわり、実物や本物に触れること、「感じる」「想像する」「表現する」ことをもっと大切にじっくりと育てる必要があると思います。
始業式で、6年生から [Ⅱー327]
3学期の始業式では、全校児童の前で6年生6名が、小学校時代の思い出を話してくれました。
〇いっぱい思い出がある中で、修学旅行を紹介。「原爆ドームを見たことがなくて見てみたかった」「今でもまたヒロシマに行きたいなと思います。」
〇6年生になって行くことができた八ヶ岳合宿。「面白かったことは、一緒の部屋に寝てた子の蚊帳テントがひっくり返っていたことや、別の子が寝言を言っていたことです。」
〇友だちとの出会い、パートナーさんや先生たちとの学校生活。「私のパートナーは、Sちゃんでした。大好きなミッキーのお手紙ファイル(手製でパートナーからのプレゼント)もらった時は、とてもうれしかったです。」
〇この6年間で取り組んだ事「漢字」。「一回本気で書いたら、『すごくキレイ!』とほめられ、自信がつき、そこから始まりました。」
など、6人の発表をみんなで聞きました。発表を聞いて、一人ひとりが憧れや希望、願いをもったことと思います。
写真はすべて幼稚園のお餅つきからです。
2名の発表を紹介します。〇六年間での自分の成長、〇六年生になって行くことができた八ヶ岳合宿。キャンプファイヤーの喜びです。
ついこの間入学したかと思ったら、あっという間に6年生。
今思いかえせば、いろいろなことがありました。低学年のころは、友だちとのトラブルやケンカも数えきれないほどあり、いやな気持ちになることもありました。しかし、高学年になると、友だちとのトラブルが少なくなりました。
今、真剣に考えてみると、低学年のころ、あまり仲良くなかった友だちも今だと仲が良かったり、友だちに優しいと言われたり、人に優しくすること、人を思いやること、そういうところが、桐朋小学校のおかけで出来るようになったのかと思います。
小学校生活も残りわずかだけど、最後まで全力で勉強して、全力で遊んで、中学校に行きたいです。これからは、もっともっと人に尊敬される人になっていきたいです。
私が6年間で一番印象に残っていることは八ヶ岳合宿です。4、5年生ではコロナで合宿がなくなってしまい、6年生は延期になってしまいましたが、9月に初めて八ヶ岳合宿に行けたので、とてもうれしかったです。
私はキャンプファイヤー係で、一学期から準備をしました。ゲームを考えたり、司会の台本を作ったりしました。そして本番を楽しみにしていました。
残念ながら、キャンプファイヤーは外ではなく、教室といわれる大きな部屋でやることになりましたが、キャンプファイヤーが終わると、みんなが楽しかった!! たのしかった などと言ってくれて、とてもうれしかったです。
次は、中学二年になると、また八ヶ岳合宿に行けるので、とても楽しみです。
続いて、私が話しました。その時の様子を3年生が振り返って書いて教えてくれました。ありがとうございました。一部引用させてもらいます。
校長先生が上着をぬいで言いました。「うまく出来るかなあ。/三学期の始業式で。/きんちょうするなあ。」
校長先生はそれからかろやかにそく転をした。
びっくりぎょうてん。(私は出来ないのに!)/(すごい。)/(そのりゆうは?)
「りゆうは、3年生の孫がそく転を出来るようになっていて、/すごいと思って自分もやってみました。/最初は出来なかったけど、練習したらやれるようになりました。なので、みんなもそく転などが出来なくてもいいけれど、いろいろなことに挑戦してみましょう。」
この言葉はとても心にのこりました。
子どもたちに、その気になってやってみることの良さや楽しさ、新年の希望が少しでも伝えられるような話にしたいと願いました。「うまく‥三‥きん‥」は、一番はじめのことばを繋げると、「うさき」⇒うさぎになるようにしました。
転編入試験を行います
2023年4月入学の転編入試験は、以下の学年で行います。
新2年生 女子2名
試験日は2月18日(土)です。詳細は、募集要項でご確認ください。
募集要項・入学願書(無料・学園から郵送)
請求期間 1月20日(金)~2月3日(金)
請求方法 小学校ホームページ内、「転編入通知希望フォーム」にご登録ください。
「2023年4月 2年生 女子」に該当する方へお送りします。
問い合わせ 桐朋小学校 事務局学務課
TEL:03-3300-2111(学園代表) 平日9~16時/土曜9~12時
WEB交流会のお知らせ
本校へのご入学をご検討くださる皆様
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2023年が始まりました。
今日から3学期が始まり、学校は子どもたちの弾ける声で溢れています。何よりも嬉しい限りです。
今年度もどうぞよろしくお願い致します。
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前回お知らせしたWEB交流会のお知らせを再掲・予約開始日を公開いたします。
Zoomの画面上で行う、本校教員と複数のご家庭のみなさまとの交流の場です。
ぜひご参加ください。
◯桐朋小学校WEB交流会◯
(日時)2023年 2月 18日(土) ①10:00- ②11:00-
1回あたり40分〜50分程度。
(予約開始日)1月15日(日)12:00(正午)〜
(内容)・本校教員による学校概要
・教室(子ども)の様子などの話
・ご参加の皆様からの本校教員へのご質問
※大人の方向けの説明/交流です。
お申し込み時に質問の欄がありますので、当日聞きたいことをお書きください。なるべくお答えできればと思います。
もちろん、その場でご質問いただくことも可能ですし、ご発言の有無は自由です。
お子様の年齢は問いません。桐朋幼稚園にご興味をお持ちのかたもご参加いただけます。
ぜひ、お気軽にご参加ください。
ホームページ、紫色のバナー「▶説明会、体験会予約画面」をクリックすると予約画面に進みます。
はじめての方は、事前にユーザー情報の登録をしておくことをおすすめします。
また、中央沿線私立小学校合同相談会にも資料のみではございますが参加いたします。
ぜひご覧ください。
桐朋小学校 教務
2023年がはじまりました。どうぞよろしくお願いします [Ⅱー326]
この冬休みに読んだ本で、「疎植」と呼ばれる米作りの栽培法と出あいました。それは、「人間が色々手を加えるのではなく、イネが自然に育とうとする力を信じてゆだねるという考え方に基づ」き、「できるだけ自然に近い状態で、風が通り光がたっぷり当たるように、株と株との間を大きく空けて植えてゆく」方法で、「農薬と化学肥料を使わない稲作」ができます。そして、「そこに住む人々と共同体が、森や川が、水田が、100年先も幸福な姿をイメージ」できるものでした。保育、教育においても、一人ひとりが自らを創出する力に依拠して、その力や関係が育つ環境を試行錯誤してつくり、幸福な姿をもとめていきたいと思いました。
1月6日初等部冬季研究会を行い、子ども、私たちが生きる世界、育つ、育てる環境などを考え合いました。講師の小崎悠太さんからは、土、水、植物、虫などが生きる、育つとはどういうことか、人間が生きものであることを意識して自然を活かして暮らす、多様な生きものたちと共に循環の中で生きることなどを深く考えさせられました。また「新しいもの」を「便利」だからとつくりかえ、「消費」することに向かいがちな日常に対して、身近なものを「活かす」「つくりかえる、つくり出す」「循環する」こと、そのための文化伝承に触れました。研究会の中で、藁を編むたのしさ、きれいに強く結んでいく喜びなどを経験しました。今日は、6年生が小崎さんと出あって、どんな学びが生まれ育まれるのかたのしみです(下の写真)。3学期、遊びや学びに夢中になる、もっとやりたいものをつくり出したいです。
いただいた年賀状では、「昨年は、3西で自分のソーラークッカーを作りました。何度も工夫してあつく温まったカレーは、とてもおいしかったです。今年は、たくさん実験して、発明したいです。」と書かれていました。読ませていただいて、ワクワクしました。自然は思い通りにはならないこと、思い通りにならないことで手をかけることから生まれる喜び、豊かさを感じました。幼稚園の生活、小学校の総合で、ものをつくり出すたのしさ、「共生」「循環」をキーワードにもっと学んでいきたいと考えました。その時に大切にしたいことが、「40億年近くのあいだに手に入れた生きものたちの知恵に学ぶ」(中村桂子さん)こと。「疎植」や小崎からの学びもその一つ。「進化によって多様化し、それらが共生するのが生きものですから、そのような生き方を支える技術を開発し、生きものが生きやすい社会にしていきたい」(同上)という考えを大切にしたいです。
世界共通の課題して、紛争、戦争を絶対とめること、地球温暖化、地球危機がすすんでいることを根本からかえること、身近な食糧を安全に必要な分だけ生産することなどがあります。身近なことから、日常の生活や学びと結びつけて取り組んでいきましょう。
2023年、一人ひとりの幸せな子ども時代を願い、どうぞよろしくお願いします。
小崎さんは鹿児島に在住。エネルギー問題への関心から、電気やガス、水道などのインフラは契約せず、できるだけ自分で賄うオフグリッドの生活を実践。また、ソーラーパネルを用いた自家発電や、火起こし、動物の解体といったアメリカ先住民の技術を習得し、講習などを実施。大規模なものづくりにも関心を持ち、知識と技術を豊かに持つ人です。
小崎さんには、2022年夏に桐朋小学校の先生たちが研究研修で学ばせていただきました。また、小崎さんから、「技術が自分自身を養ってくれること」、「自分自身を養い、暮らしをつくること」、「自分でなんでもできるようになっていくための力」、「異なる意見や文化の人とも協力しあえること」など文書で学びを共有してきました。
3学期始業について
保護者のみなさま
みなさまお健やかにお過ごしでしょうか。
2023年が始まりました。今年もどうぞよろしくおねがいします。
現時点で3学期始業に関して12月の初等部通信でお知らせした内容に変更はありません。
登校にあたっては、以下の2点をかならずお子さんに持たせてください。
・健康観察表(休み中の検温なども記録したもの)
・うわばき(体育館で運動する際や遊ぶ際、今の状態がふさわしい状態か確認をお願いします)
※休み明け、貸出用のうわばきが大変不足します。貸出用をお持ちの方はお戻しください。
桐朋小学校
はとな会開催!
「はとな会」とは、何のことだろう?と思った人もいたかと思います。
これは、高学年の体育の時間に取り組んできた陸上運動の記録会のことです。
例年は「走る会」という名で取り組まれてきましたが、今年から「走る」だけでなく、「投げる」と「跳ぶ」を加え、いわゆる3種類の混成競技のような形に変えて学んできました。
子どもたちの中から実行委員を募集し、集まってくれた人たちと一緒に考えた会の名前が「走って跳んで投げる会~チームワーク賞をねらえ~」略して「はとな会」というわけです。
「走る活動」では、5,6年生ともに、より速く走ったタイムを競うのではなく、安定した心拍数で同じペースで走り続けることをねらいにしてきました。速さよりもコントロールの学びです。自分の走るペースがコントロール出来ているか、ゴールタイムやラップタイムを予想し、当てる「あてっこペース走」を行いました。
日々の授業でも、脈を測り、班やペアでラップごとのタイムを記録しグラフにして、自分の走るペースを可視化しペースコントロールを意識してきました。5年生はラップごとにヒントの声掛けをランナーにしていいことにし、6年生は走り終わるまでヒントなしで予想タイムの通りに走れるかチャレンジしました。練習の成果もありコントロールがうまくいった人や予想とピタリだった人も複数いました。お見事!
「投げる」活動はフリスビー投げ。
「はじめフリスビー投げと聞いて笑ってしまったけど、実際にやってみると投げ方や力の入れ方が難しく、意外と奥が深いことが分かった。」
「ボールなら遠くにとばせるのに、これは曲がってしまうから難しい。」
など、子どもたちの感想から見られました。持ち方やタイミングなど、よく班で学んでいました。
「跳ぶ」活動は立ち幅跳び。
自分の身長を超えようというところから始まり、手を振る、しゃがむくらいぎりぎりまで足をつけるのを我慢するなど、より遠くへ着地するにはどうすればいいか考え合っていました。
記録を測定するのも班で行います。メジャーの準備や位置合わせ、記録の記入などローテーションしながら上手く分担して進めていました。
はとな会、これまでの学習の成果を発揮できたかな。
ぜひぜひ寒い冬休み。マイペース走やフリスビー投げ、立ち幅跳びで身体を動かしてみてはどうでしょう?
昔遊びの会を開催しました
12月10日(土)3年ぶりにPTA文化セクション主催の昔遊びの会を開催しました。
昔遊びの会は、異学年交流、昔の遊びに触れ楽しむこと、休み時間に遊んでいる遊びを見合うこと、そんな姿を役員の方やお手伝いの保護者の方が支え、共に楽しむ場として受け継がれてきたPTA主催の行事です。
開催に至るまで役員の保護者の方たちと演目の内容や、当日の感染症対策について考え合ってきました。考える中で、開催に向けてご尽力下さった昨年度までの取り組みや様子を確認しました。開催に向けたバトンは確実に今年度の役員さんたちに受け継がれ、話し合いで大変参考になりました。ありがとうございます。
今年度は感染症対策のため、1,3,5年生の部と2,4,6年生の部に分け、開催時間も限定しました。
演目は、「おり紙」「わなげ」「ヨーヨーつり」「紙ひこうき」「しゃてき」「けん玉」「すばなし」「こま」の8演目です。
各演目、楽しく和やかに子どもたちが楽しめるよう掲示物や説明が華やかでした。楽しい雰囲気でも、混雑の状況を見て保護者の方が声をかけて下さっていました。
終わり際、子どもたちから
「見て見て見て~これ作ったの!」
「もう終わり?もっとやりたかった!」
「はまりすぎて、ずっと同じ場所にいて、気がついたら終わってしまった・・・」
微笑ましい声が複数で聞こえました。
後日、当日参加できなかった人やもっとやりたかった人のために、「おり紙」の演目で使用した掲示物を低学年校舎と3年生の廊下などに掲示しました。休み時間におり紙をみを手に見本を見ながら作っている様子が見られました。お家に持ち帰った人もいるかもしれませんね。
昔遊びの会の余韻を楽しみつつ2学期が終業しました。
笑顔いっぱいの昔遊びの会、ありがとうございました!
幼小で「主体的・対話的で深い学び」をつくり、育ち合おう [Ⅱー325]
子どもたちには、《幼小時代に異年齢でかかわることの楽しさを味わう》《主体的に人生を切りひらく経験をする》《協同してつくる世界の面白さを味わう》などを大切に過ごしてほしいと思います。そのための幼稚園、小学校にしていきたいです。
ここ数年、保育、教育では、「主体的・対話的で深い学び」が語られ、広がっています。保育要領、学習指導要領(文部科学省)など、「『生きる力』を育むため」この学びを大切にしています。私は、現在と未来に、一人ひとりが社会のつくり手となるために必要な学びと考えます。
【幼小で「主体的・対話的で深い学び」をつくり、育ち合おう】
12月、2年生からゆり組(年長)に郵便が届きました。「どんぐりみゅーじあむに ぜひきてください」というお誘いでした。当日、ゆり組のみんなで小学校絵画室へ行き、2年生といっしょのグループに座りました。はじめの集まりで2年生から「ようこそ、どんぐりみゅーじあむへ。まちにまった会です。いろんなものをつくりましょう。やさしく教えるから」と話しました。その後、2年生がドングリでつくったこまや剣玉、マラカス、アクセサリーを近くで見せてくれて、幼稚園の人に、好きなものを選んで、いっしょにつくろうと誘ってくれました。
絵画室でドングリゴマやドングリ剣玉などをつくった人たちが、早速、幼稚園のテラスに行って試します。ドングリ剣玉は、紐を通したドングリをカップの中に入れることが難しい。何回かやっているうちに、紐が外れて飛んでいってしまうこともありました。直すには、絵画室に爪楊枝を取りに行き、紐を爪楊枝で押しながらカップの穴に入れて、反対の中側から引っ張って結びます。穴から抜けないように結び目を大きくするなど、1つ1つが難しい作業のようでしたが、ゆり組の人から頼りにされた2年生がゆり組の人のためにがんばっていました。
上の写真のように、幼稚園の人の「どんぐりをカップに入れたい」気持ちに火がつきます。ところが、入れたいけど入らない、入らないけど入れたい。自分なりのやり方で失敗、2年生のやり方を見て試行錯誤をします。カップを持つ手で投げる方向を試し、2年生のからだの使い方などを見て工夫していました。また、紐が長いと難しく、2年生さえも「長すぎてムズイ」など、入れるのに苦労していました。これまでの研究では、保育者の「やってごらん」という「声かけ」よりも、他の子の「できた!」という「姿」の方が、「やりたい!」に火をつけることが多いと言われています。今回もそのように感じとれました。何回も何回もやって、入った瞬間の喜びは大きなものでした。私もいっしょに喜びました。
終わりの集まりで、何人か感想を話してくれました。「どんぐりでこんなに遊べて楽しかった」とゆり組の人が話したり、「今日から友だちだよ!」と2年生が話していました。2年生にとっては、事前の準備をし、年長者として教える経験を積みます。当てにされる、頼りにされる自身を大事にしてほしく、教員からもここがよかったね!と声をかけます。
共同研究者の久保健太さんによれば、主体的な学びは、学習者本人のやりたい!という気持ちからはじまる学びです。そうした学びをたくさん経験してほしい。対話的な学びは、子ども同士の協働から生まれる学びです。久保さんが「挑戦し、失敗する。試行錯誤を繰り返す中で、子どもたちは様々なアイデアをやりとりし、仲間たちのアイデアにもふれ、自分の学びとします。」「試行錯誤の中で、子どもたちは知識・技術を発揮したり、結びつけたりしています。そこに子どもたちの「学び」がある」と言っていました。今回、やりたい気持ちに火がつき、やってみるが思い通りにいかない中で試行錯誤し、お互いの姿を通した、ことばだけでない豊かな対話的な学びが生まれていました。深い学びは、知識・アイディアを相互に関連づけることで生まれる学びですが、今回の様子では、腕やからだの使い方の探究、紐の長さの調整、幼稚園の人がいろいろと試す中で後ろにまわす技を2年生が発見し、新たな技を探究するなど起こりはじめていました。
もう一つは、2022年度から3か年程度を念頭に、文部科学省から『幼保小の架け橋プログラム』として、「子供に関わる大人が立場を越えて連携し、架け橋期(義務教育開始前後の5歳児から小学校1年生の2年間)にふさわしい主体的・対話的で深い学びの実現を図り、一人一人の多様性に配慮した上で全ての子供に学びや生活の基盤を育むことを目指すもの」という提起にかかわります。今後、この方向で幼保小の連携がすすむことを願っています。初等部では、これまで主体的・対話的学びが展開されるための環境づくりをすすめてきました。たとえば、しぜんひろばでの幼小の交流、畑の虫や草花を通しての交わり、幼稚園の人が1、2年生や音楽の教室に行き、小学生の様子を知ることなどです。このプログラムのねらいの1つに「幼児期から児童期の発達を見通しつつ、5歳児のカリキュラムと小学校1年生のカリキュラムを一体的に捉え、地域の幼児教育と小学校教育の関係者が連携して、カリキュラム・教育方法の充実・改善にあたることを推進」することがあります。ぜひ実現させていきたいです。