乳幼児期から児童期にかけて大切にしたい育ち [Ⅱー297]

土曜日は、園、学校説明会へご参加くださり、ありがとうございました。そこでお話させていただいた内容に少し付け足したものを掲載します。

 写真は、いろいろな方にお世話になっている日常の様子から。永野農園(卒業生)に行くと、竹がすごい早さで成長していて驚きました。

小学校案内の「入学考査について」には、「私たちは、小学校入学考査のための準備教育を望ましいものではないと考えます。幼児期から知識を詰め込んだり、他者から評価に縛られたり、できる、できないということにとらわれすぎることは、子どもたちの発達にマイナスの作用を及ぼします。」―①、「幼児期において、ゆったりとした時間を楽しみ、たっぷりと遊ぶことを大事にした、その子にとって生き生きと過ごせる生活を送ってほしいと願いします。」―➁と書いています。

この2点を深めることが、乳幼児期から児童期にかけて大切にしたい育ちにつながると考えました。

 幼稚園3歳の人たちを見守ってくれている小学5年の人たち

①子どもたちの発達にマイナスの作用を及ぼすこととはどういうことだろう?

信頼感や安心感を持てない、自己決定できない、自己を肯定することができない、自信をもてないなどです。もう少していねいにいうと、

おもしろそう、やりたいという気持ちの芽生えや、やりたいけれどもできないことでの試行錯誤や失敗の経験がたっぷりとされていない。

〇「自分なりのやり方」を大事にされていない。(大事にされることによって「他の人のやり方」とどう違うかを考えられる。)

試行錯誤や失敗を引き受ける経験、できる喜び、満足した喜びをもてない。

この3点は、その子の育ち、「人権」が大切にされていないことだと思います。他に、やや具体的なこととして、 

〇習い事でやった、インターネットや図鑑で調べて知った、すぐに調べてわかった、「知ってるー」でとまってしまう。知りたい気持ち、自分の感覚、実感、満足感、もっと知りたい気持ちなどと結びついていない。

〇できないからやらない、諦めてしまう。やっても無駄、としてやらない。

などです。汐見稔幸さん(東大名誉教授)は、『教えから学びへ 教育にとって一番大切なこと』(河出新書)で、「早期教育」について次のように述べています。

プロセスを邪魔するものであり、妨害してしまう可能性が大きい」

「幼い間にたくさんの言葉を覚え、計算が速くできるようになったとしても、自分が嫌いだと思うことを嫌だと言えなくなってしまったり、自分がやりたいことに没頭できなくなってしまったりすることが多くあります。自分なりに『世界はこうなっているんだ!』と価値づけることができず、世間の『これがいい子だ』という論理だけをひたすら覚えてそれに従っていると、後になってその人の心の深部にある、その人の人間としての不満や苦しみが必ず外に出てきます。」

汐見さんは、子どもの発達に大切なこととして、プロセスの豊かさや自分がやりたいことに没頭する大事さをいいます。

話はずれますが、アメリカの発達心理学者ゲゼルの研究では、乳児期に訓練(積み木の操作や階段のぼり)をした子どもの優位さは一時で、思春期まで追跡調査した結果、「自分で判断しなければならない状況や課題に直面したとき、乳児期に訓練を受けた子どもたちは、おとなの顔色を見て、その指示を待つような行動がとても多かった」そうです。(内田伸子著『子育てに「もう遅い」はありません』冨山房インターナショナルより。ゲゼルの論文で確かめることはできていません。)

また、幼児期にことばを暗記してたくさん覚えた子と、自分なりにいろいろと想像したり身近な体験と結びつけてイメージを浮かべたりしてなんとか答えようとした子どもたちでは、小学校高学年になったとき、暗記によって解ける課題には正答できましたが、自分で考えて答えを出さなければならないような課題では、自分なりのイメージを描いて答えようとした子どもたちに比べてずっと成績が悪かったそうです。(同書で、内田さんが発達心理学者野村正吾さんに学び書いてあること。野村さんの論文を確かめることはできていません。)

 つつじが丘消防署の方に教えていただきました。

②ゆったりとした時間を楽しみ、たっぷりと遊ぶことを大事にした、生き生きと過ごせる生活で育つこととは何だろう。 

それは、①に関わっています。応答されることによる安心感や信頼感を育てている、安心感、信頼感のうえで、自己決定することができる、自己を肯定する、自信をもつことなどです。もう少していねいにいうと、

おもしろそう、やりたいという気持ちの芽生えが大切にされて、やりたいけれどもできないことでの試行錯誤や失敗の経験をたっぷりとする。

■「自分なりのやり方」を大事にされる。(大事にされることによって「他の人のやり方」とどう違うか考えられる。)

試行錯誤や失敗を引き受ける経験もして、できる喜び、満足した喜びを得る。などです。

 調布市郷土資料館の方より詳しい説明を受けました。

次は、乳幼児期から児童期にかけて、「生き生きと過ごせる生活で育つこと」を脳の発達という角度から考えてみます。(つづく)

パートナーと学校探検

入学式前の電話かけ、入学式、お手紙ファイル作り、待ち合わせ登校、新入生歓迎会と…

4月は5年生が1年生のパートナーを全力でお迎えし、歓迎の気持ちを伝える期間でした。

そして、ゴールデンウィークの谷間、5月6日はお楽しみの学校たんけん。

5年生は自分のパートナーを思い浮かべながら、クイズ、ビンゴ、スタンプラリーなどを相談しながら思い思いに準備をし、当日を迎えました。

朝から「これでいいかな?」「喜んでくれるか心配。」と言いながらも、出発。

おやすみ明けなので、最初はちょっと照れたり緊張していた子達もいましたが、

あっという間にたんけんモード!パートナーと過ごすひと時になりました。5年生の作文をいくつかご紹介。

 

◎今日、パートナーさんのAちゃんと、学校たんけんをがんばってしました。ちょっとつかれてしまったようです。でも、「たのしかった」と言ってもらえてうれしかったです。やったー!今後はいっしょにあそんであげよう!

◎今日の学校たんけんで、最初は教室に行ってもいなくてとまどったけど、担任の先生が「Bくんならほけんしつにいるよ。」と言ったくれたので、行ったら「のどがいがいがしてるらしいよ。」と米川先生が言ってて、15分くらい待ってから学校たんけんをした。とても楽しそうでぼく自身も楽しくなった。教室までつきそって、最後はハイタッチをした。

◎今日の1,2限にパートナーといっしょに学校たんけんをしました。僕とCくんとパートナーのDくんとEちゃんとまわりました。かくれんぼ、きょうそうなどで楽しめるように、がんばりまくりましたが、さいごにDくんがまい子になったりと、ハプニングもありました。でも、楽しかったので、またやりたいな!と思いました。早く次の行事にならないかな~。

◎きつかったのは、パートナーのF君とGちゃんのパートナーのH君が鬼ごっこを始め、私とGちゃんも強せい参加で、次の場所に行きたくてもやめてくれなかったので、屋上から「第4」「多目的室」「5年生の教室」を鬼ごっこでめぐりました。しかし、速すぎるとついてきてくれないし、おそすぎるとつかまって氷になってしまうので、そのかげんが大変でした。

迷子の捜索をしたり、何とか次の場所へ行くために知恵を絞ったりという場面もありましたが、みんな何とか無事にミッションを終了して教室に戻りました。

「かわいかった~」「『楽しい』って言ってくれたよ~」

「(用意した)カードやシールを喜んでくれた!」

「サプライズで手紙を書いていてくれた」

と口々に報告し合い、

「次はいつ一緒にできるの?」と、楽しみにしている5年生です。

 

「自分が1年生の時はただただパートナーにしてもらうのが『楽しい』っていうだけだったけど、こんなに準備してくれていたんだね。」

「5年生の今、僕たちが楽しんでいる裏側でその準備をしてくれている人がいるってことかな。」

という振り返りを書いた人がいました。

1年生のお世話をしながら、大人への階段をまた一歩上ります。

説明会ご参加ありがとうございました

おかげさまで、本日の説明会は予定通り開催することができました。

ポロニアホールにお越しいただくのは、実に2年ぶりでした。

色々とご不便をおかけいたしましたが、様々ご協力いただき感謝申し上げます。

WEBアンケートの締切は5月16日(月)となっております。よろしくお願いします。

 

席数の関係でご要望に添えなかったみなさまには大変申し訳ありませんでした。

次回、6月25日(土)の午後に小学校説明会を予定しております。

詳細確定次第、HPでお知らせいたします。

 

桐朋小学校 教務

5月14日(土)説明会について

初等部説明会にお申込みくださった皆様

◯明日(5月14日 土曜日)の説明会は、予定通りに開催いたします。

・それぞれの受付時間内にお越しください。(早すぎるご到着はご遠慮ください。)

・受付票を印刷いただき、検温の記録等をご記入の上、受付にご提出ください。

・入室時の検温、手指消毒、マスク着用にご協力ください。

・1家庭2名様までのご参加となります。

・雨でしぜんひろばがぬかるんでおります。ご見学希望の方は、歩きやすい靴で、また軽装でお越しください。(レインシューズなどもご検討ください)

また、天候状況によってはご案内できない可能性もあります。ご了承ください。

 

桐朋小学校 教務

水泳の授業が始まりました

4~6年生では4月の最後の週から、水泳の授業が始まっています。

今回は5年生の授業の1コマを紹介します。

桐朋小学校の水泳は、リラックスして長く気持ちよく泳げるようになることを大事にしているので、まずは呼吸法から。

いきなり水に入らず、プールサイドで呼吸の仕方をしっかり確認します。

そのあとはけのびの復習。力を抜いてぷか~っと浮く。そのあと、最初に練習した呼吸をします。

 

リラックスしたけのびができたら、今度はドル平で泳いでみます。

去年やったことを思い出しながら、ゆったりと。

5年生では今学期、色々な種類のドル平に挑戦し、クロールなどの近代泳法につなげていく予定です。

 

子どもの声に聴く [Ⅱー296]

2022年3月、卒業を迎えた6年生Mさん、Sさんが学習のまとめとして「世界平和」「平和を願う」を綴りました。読ませてもらい、たくさん学びました。

世界平和 /桐朋小学校6年 M

ぼくは、友達に誘われてラオス応援プロジェクトという学校でやっている寄付活動の係をやりました。ラオス応援プロジェクトは、ラオスにぼくたちのもう小さくて着ることのできない洋服やはけない靴などを寄付してもらい、その服などをラオスに届けることが仕事でした。

ぼくちたちの活動は、主に寄付する物を入れる段ボールを各クラスに配ったり、その段ボールの回収をしたりすることでした。この寄付活動により、ぼくたちと近い年齢の人たちを助けることができ、人の役に立ってうれしかったです。

ぼくは、このラオス応援プロジェクトの寄付活動で「ラオス」という国がどのような国かを知りました。ラオスという国は東南アジアにあり、発展途上国です。ラオスの首都はビエンチャンで、言語はラオス語です。また、面積は24万平方キロメートルで、日本の本州と同じくらいの面積です。人口は約649万人で、東京の人口の約半分ぐらいです。

また、お金がなくて小学校を退学する子どもが毎年1万人以上はいるそうです。

ほかにもラオスでは、地球温暖化の影響もあり、洪水などが多発しています。元々貧しい国が家を失ったり、家が残ってもきれいに掃除する水がなかったり、食料を確保したりすることがとても困難だったようです。このような地球温暖化により災害が起きて、現地にいる人たちがどれほど大変な思いをしているのかをラオス応援プロジェクトで身近に感じることができました。

ぼくがラオス応援プロジェクトをしたように、お母さんも小中学校の時には廃品回収をしていたそうです。廃品回収とは、古新聞、古雑誌、空ビン、空缶などを回収してお金に換えることです。

お母さんの学校では換えたお金をアフリカのマラウィ―という国に寄付していました。マラウィ―は、アフリカの東の方にあり、発展途上国です。マラウィ―の首都はリロングウェで、言語は英語です。また、面積は約11万平方キロメートルで日本の約3分の1です。人口は1862万人です。

マラウィ―の国では電気が通っている場所が10%で、5歳から17歳までの子どもの35%以上が児童労働をさせられているそうです。その児童労働は大きな丸太を運んだり、タバコを作るための作業をしたり、大量の水を長距離運んだりしているそうです。それを少しでも改善するために寄付をして、井戸を掘ったり、学校を作ったりしたとのことです。

いろいろな国が貧しかったり、豊かであったりするけれど、お互いに協力して、生活が平等に安全になればいいと思いました。生活の仕方が違うと考え方も違うと思いますが、お互いを尊重して協力していくことは大切だと思います。

今、ウクライナをロシアが攻撃しています。ロシアの戦車が人が乗っている乗用車を踏みつぶしていく映像をみました。また、ミサイルがマンションを直撃していました。そのマンションの人によれば、朝、目が覚めたらすごい大きな爆撃音があり、急いでマンションの地下にあるシェルターに隠れたそうです。そのようなウクライナから逃げるため、車が長い列をつくっていたり、長時間歩いていたりしている人もいました。そのような状況を知って、ぼくはショックを受けました。

修学旅行で広島に行って、戦争がどれだけおそろしいことかを感じたのに、このようなウクライナとロシアの戦争が起こっていることにビックリしました。

今のロシアとウクライナの戦争がどんどん大きくなり、第三次世界大戦のように世界中の戦争にならないようにしてほしいです。一日も早くみんなが安心して生活出来るようにしてほしいです。

ぼくは豊かに暮らせているけれど、世界中ではいろいろな理由でつらい思いをしている人たちがたくさんいます。そのためにもみんな協力する必要がある。

平和を願う /桐朋小学校6年 S

卒論では、違うテーマを考えていましたが、ウクライナへのロシアの侵攻があまりにもショックだったので、どうしたらこの戦争を早く終わらせられるか、考えました。

なぜウクライナを攻めたのか? 「兄弟国」とも呼ばれるかつてのソ連の仲間をなぜロシアは攻撃するのか。背景にあるのは、2014年にはじまったウクライナ危機だ。14年2月に政権が崩壊し、親米欧政権が誕生した。これに強く反発したロシアは、ソ連時代から黒海艦隊の基地があるウクライナ南部のクリミア半島を占領し、住民投票で意思が示されたとして一方的に併合した。

さらに、ウクライナ東部でもロシア系住民が迫害されているなどとして、ロシアの支援を受けた親ロシア派の武装勢力が政府庁舎などを攻撃して占領。2つの地域が独立を宣言し、親ロシア派とウクライナ軍との紛争が続いてきた。

19年に就任したウクライナのゼレンスキー大統領は、昨年からNATOへの加盟を訴えるなど、米欧寄りの姿勢を強めた。

2022年2月21日、親ロシア派がウクライナ東部の支配地域で名乗る2つの「人民共和国」の独立を一方的に承認し、24日にウクライナへの侵攻に踏み切った。

理由を調べてみて思ったのは、なぜ、自分の国では無いウクライナの人をまきこんでまで戦争をはじめてしまったのだろうかと、まったく納得がいかなかった。たとえば、ぼくの住む日本に、こんな理由で攻めてこられたら、たまったもんじゃないと思いました。ウクライナがNATOに加盟したとしても、ロシアを攻めるとは限らないし、他の国の政治に口を出すだけではなく、武力を使うのはおかしいし、絶対によくない。

今まで2年間、桐朋小学校で、平和について学んできた。戦争の体験のことを聞いたり調べたりしたから、今回、ロシアがウクライナに侵攻をしたことを、学校から帰り、夕方のニュースで知った時は、驚きとショックでした。同じ位の歳の子が「死にたくない。戦争をやめて。」とシェルターで涙を流しながら言っているのを見て心が痛かった。

ロシアの要求は、ウクライナの非軍事化と中立化。ウクライナの要求は、即時停戦、ロシア軍の撤退。ぼくが考えても、この交渉は成立するとは思えない。ロシア側の要求だと、ウクライナを自分の国にするようなものだから。

ぼくの好きなスポーツ界にも、大きな大きな影響をもたらしている。ロシアとベラルーシは北京オリンピックに出られない。サッカーなどもロシアを排除。フィギアスケートの世界選手権もロシア代表は出場できず、今後も国際試合への参加は今は認められていない。本当は、政治とスポーツは別のものであるべきだし、一生懸命練習していることを考えると、かわいそうだなと思うけど、ウクライナでは、命も危ない人、明日、生きていられるかわからない状況なので仕方ないと思う。

ロシア人と、ウクライナ人が、この戦争に賛成しているとは思えない。ぼくの周りにはロシア人はいないけど、アイスショーで来日した時に、サインをくれたアリーナ・ザキトワ選手は、とても親切で優しかった。ぼくはロシア人が全員悪いわけではないと思う。

戦争はもうはじまってしまって、どうなったら終わるのかがわからない。もう、1日でも早くこの戦争が終わることを願うしかない。戦争が終わったとしても、壊れてしまった建物は、すぐには戻ってこない。死んでしまった大切な人たちも生き返ることはもうない。戦争をはじめる前に、戦争を起こさないようにできなかったのかが不思議でしかありません。

世界中で反戦デモが起きている。ドイツのベルリンでは、約10万人が反戦デモを行い、ロンドンやマドリードなどでも多くの人が戦争反対を訴えている。日本でも渋谷でウクライナ人が、新宿でロシア人が反戦デモをしている。ロシアでも、各地で、反戦デモが行われていて、ロシア国内でも、少しずつ停戦を求める声があがってきている。

今こそ世界中の人が、ぼくがこの2年間桐朋小学校で学んだ戦争の悲さんさや、戦争の恐ろしさをみつめ直して、戦争をとめる声をあげていくべきだと思う。遠い国の知らない人、自分には関係の無いことと思わないで、この問題に向き合えば、いい方向に向うと思いたい。

この卒業論文が読まれるときは、この戦争が終わっていてほしい。ウクライナの人が家族と笑顔で過ごせる日が来ますように。

ぼくは、世界中の平和を願っています。(参考文献 朝日新聞)

2021年12月下旬、6年生は広島へ行き、戦争の被害、加害を学びました。学びをまとめ、2022年3月、5年生と保護者に分散報告会をしました。まとめの最中に、ウクライナで「戦争」が起きたのです。

私は広島や大久野島、それから世界中が被害を受けて大変なことになっているのを聞いて、知るだけではだめだと思います。知ったことをまた次の世代へつなげていく、それが平和のための第一歩だと思いました。/そして、今ウクライナ情勢で、ロシアが攻撃を続けています。それは、今この瞬間から八十年前の悲劇が起こる可能性があるということです。それは、絶対にだめなので、なんとか止めたいです。/緊張したけど、核の恐ろしさをうまく伝えられたと思います。

今回の学習発表会で、大久野島の毒ガスの被害などのグループだったから、他のグループの発表は何をするかなど詳しくは知らなかったけれど、修学旅行で学んだことをまた深く知れてよかったです。/今はロシア軍がウクライナを攻めて、自分自身で孤立の道へと歩んでいます。本当に昔の大日本帝国がたどった道を進んでいます。また、戦争が行われるなんて、二度とあってはいけないことだと思います。」など、広島修学旅行での学びとウクライナで起きていることを結びつけて考えていました。

学校の「朝日小学生新聞」「毎日小学生新聞」には、ウクライナ関連の報道記事が連日掲載され、子どもたちと読んでいます。

4月13日の朝日小学生新聞には、ロシアに住んでいた「アプリコット」さん(6年生)の記事が掲載されていました。アプリコットさんは、父の仕事でロシアに住んでいましたが、「ロシアによるウクライナへの侵攻があって、急にロシアから出ていかないといけなくなりました」。

アプリコットさんは、「もし私がどこかの国の大統領で、ロシアでの経験がなかったら、私は多分、他の国と同じようにロシアへ制裁を科すという結論を出すと思います。しかし、この状況に置かれた私が今、どうするか決めろと言われたら、答えを出すのがとてもむずかしいです。/なぜなら、戦争に、ロシアの行動に、反対しているロシア人を私はたくさん知っているからです。そんな人たちを巻きぞえにして、苦しめなければロシアを止めらないかもしれないということに悲しくなります。/一日も早く、みんなが安心してくらせる世の中になってほしいです。」と述べています。

ウクライナで「戦争」が「なぜ起きたのか」「起こさないことはできなかったのか」「ウクライナ、ロシアの子どもたちは」「どうしたら止められるのか」など、子どもたちと考え合いたいと思います。大人である私たちは、子どもたちに、これは大人が解決すべき問題なんだ、と伝えたいです。

連休中、上記の課題について本を読み、考えました。川崎哲さんは、「今日、国連憲章によって戦争は基本的に違法化されている。それでも現実に戦争は起きてしまうのだが、そうなったからといって国家がとることが許される戦闘手段は無制限ではない。戦争においても守らなければならないルールこそ、国際人道法である。」「ロシアによるウクライナ侵略戦争のような国際法違反の横行をみてしまうと、国際法など無力だと感じてしまう人もいるだろう。略 核兵器禁止条約に限らず、国際条約の定めを最終的に強制する術は今日の世界に存在しない。それでも、たとえば検証能力を高め、違反を公正に探知することができるようになれば、国家間の議論を通じた外交的解決の余地は高まる。条約など無力だと刹那的になって武力依存に突き進めば、その先には破滅しかない。この正念場で、私たちの理性と倫理が問われている。」(『世界』2022年6月号)と述べていた。

吉田文彦さんは、「核軍縮への新たな行動原理」として、「核戦争に勝者はなく、決して戦われてはならない」という「基本認識」の徹底、これを「行動原理」として「共有する」ことを繰り返し述べている。今回の危機的状況にも「核の恫喝には核の恫喝」ではなく、「強力な経済制裁の決定と実施に傾注」をという。論文の最後に、ジョージ・ケナンさんの「現時点の暗さや、近年われわれが抱いてきた無力感によって意気消沈するのではなく、世界平和のためのわれわれの努力を倍加させようではないか」(同上)と書いていた。私たちは、考えて、考えて、声をあげ続けていこう。

「ここがおれたちのかくれがだ」

グループ(班)でしぜんひろばビンゴに挑戦をしました。

「とびいしをわたる」「ねこのおきものをさがす」「さいこうのかくれがをみつける」

「どかんをとおりぬける」「なかまとしぜんひろばをいっしゅうする」

「しまになかまとのる」「四つ葉を見つける」「やまのてっぺんにのぼる」といったミッションが。

  

全てのマスをクリアする必要はなく、やってみたいという気持ちや仲間と挑戦することが大切。

「楽しそう!」「早く行こう!」といった意見もありましたが、中には「僕はやりたくない」という意見もありました。

まずは一緒にしぜんひろばに行き、やりたくなったりできそうなことが見つかれば参加するという約束にしました。

 

四つ葉のクローバー探しに夢中になっている班や、飛び石を渡ったことがない仲間のサポートをしている班も。

「とびいしをわたる」は少しハードルが高めだったので、同じ班の仲間の誰かがクリアできたらOKということにしました。そのおかげか、池ポチャはなんとか3人で済みました。

以下、子ども達の感想です。

「ミッション系は楽しい」「他の人がどこに行くか全部決めちゃって、全然話を聞いてもらえなかった」

「はじめて木に登れたよ」「ブランコを押してもらえたことがうれしかった」

「飛び石が飛べるようになったよ」「時間が短かった」

   

「ここがおれたちのかくれがだ」

説明会お申し込みについて

多くの方にご興味をお持ちいただき、ありがとうございます。

本日正午のお申込み受付開始直後、一時サーバーがつながりにくい状況があったようです。

大変ご心配をおかけいたしました。

現在は通常に繋がっております。12時20分現在、午前中の枠はまだ若干のお申込みが可能でございます。

どうぞよろしくご検討ください。

 

桐朋小学校 教務

縄文のティーパーティー

6年生は多摩センターにある東京都埋蔵文化財センターへ社会科見学に訪れました。

40年にわたり調査研究されたこの地域の埋蔵文化財をつぶさに見学できる施設です。

昨年度は訪問が叶いませんでしたので、こうして学芸員さんに案内していただきながら、実物を目にできる幸せを噛み締めました。

土器をパズルのように再現する体験コーナーや、縄文時代の植生を再現した庭園にある当時の住居見学などもあり、6年生は好奇心いっぱいに学習しました。

午後は、近くの広い公園でひと遊び。

久しぶりにおもいきり外ですごせる自由時間、歓声をあげて走り回る子どもたちの姿がありました。

木立の切り株のまわりに集まっている人たちがいます。

おいで、おいで、と手招きされたので覗いてみると・・・

なんとも素敵な春の食卓が出来上がっていました!

小さなお花をさらに細かくほぐしたり、木の芽を刻んだり、豆をさやから出して並べたり。

縄文人になりきって、使い勝手のよさそうな石や小枝を利用してたんぽぽも調理?しています。

たんぽポン、たんぽぽポン、はしニッシモ、・・・

独特の名前もつけて、みんな楽しそう!

優雅な縄文のティーパーティーの始まりです。

この切り株を見ると、単なる「おままごとだな」と思われるかもしれません。

ですがこの遊びには多くの要素が詰まっていると感じました。

直近の授業をすこし思い出してみましょう。

・歴史の授業で学んだ、狩猟と植物採集の歴史

・理科で学んだ植物の仕組みと、分解したりスライスして調べた経験

・音楽の授業で学んだ記号の名称(箸ニッシモはイタリア語のpianissimoっぽい響きです。)

それに加えて、

・午前中に埋蔵文化財センターで出会った木の実を擦りつぶす道具や、石器や土器

・毎日の食卓の光景や、配膳の習慣(菜箸の扱い方や、葉っぱの敷物のアレンジなど、本当にお見事でした!)

などなど、いろいろな要素が絶妙に融合していることが想像されます。

 

・・・いやいや、こんな分析は実に野暮なことでした。

どんなに知識があったって、きれいな色の花や実をぱっとみつけて、友だちと一緒に思いきり楽しめる気持ち無しにこの素敵な時間は生まれません。

「あそびって、すごい!子どもたちって、本当にすごい!」

木漏れ日のティーパーティーにお呼ばれしながらそんなことを思った素敵な午後でした。

まだまだ6年生の縄文探訪は続きます。