投稿者: tohoblog
幼稚園保護者のみなさんとの学習会② [Ⅱ‐263]
園庭の旗
[Ⅱ-262]の続きです。保護者の方から、・園として今大切にしていることは何ですか ・3学年それぞれの発達段階で大切にしたいこと(Ⅱ-261) ・子どもの権利について ・子どもの心が社会の中でどう育っていくのか ・子どものやる気をどう育てていくのか ・子どもがこの状況下(コロナ禍)でどう感じているか ・今後子どもの社会性が変わってくるのか ・個性とわがままの違いについて 考え合いたいという願いが出され、私も学んで参加しました。今回は、「2、子どもの権利について」です。
プレイルーム前、みんなの願いの木を掲示してくれた6年生
(1)子ども、子供 ~なぜ【子ども】を選ぶのか
大人や社会に従属した「子供」ではなく、一人ひとりの「こども」が人権の主体であること、社会の担い手、主権者であるという子ども観(子どもの見方、味方)をもちたいと思います。。
辞書的な意味では、子供の供は、お供をするなど、従者という意味があります。
詩人 小森香子さん 「子どもは 神様への お供え でも/大人たちのお供 でもない/一個の人格をもった 人間です だから/子供と書かずに 子どもと書きましょう…」と教えてくれました。
(2)子どもの権利について
①児童憲章(1951年~、今年で70年)
桐朋幼稚園では、まず指導や教育ありきではなく、子どもの権利という側面から、児童憲章(51年)、児童権利宣言(59年)、子どもの権利条約(89年)の精神を大切にしてきました。
児童憲章には、「児童は、人として尊ばれる」「児童は、社会の一員として重んぜられる」「児童は、よりよい環境のなかで育てられる」「すべての児童は、心身ともに、健やかにうまれ、育てられ、その生活を保障される」「すべての児童は、個性と能力に応じて教育され、社会の一員としての責任を自主的に果たすように、みちびかれる」など、「子どもの権利」という記述はありませんが、子どもの権利の内実が書かれています。それが、初等部の「原点に子どもを」という考え、実践の根本にあります。
②「子どもの権利」について、りんごの木の会発行の「特別通信」(2021年2月発行)を読んでください。(今回は略)
③幼児期の子どもの権利を大切にするとは
上記の特別通信に、林大介さんがドイツの保育園見学のことを書いています。「ベルリン市は、公園改修のために日々の利用者である保育園児にヒアリングを行いました。略 4歳児一人ひとりに、握りこぶし大の緑の球・赤い球がついた長い棒2本を持たせ、公園を散策。行く先々で子どもが「緑の棒(心地よいと感じる場所)」か「赤の棒(変えたほうが良い場所)」を地面に挿し、「砂場の砂がさらさらしていて気持ちいい(緑)」「階段のわきに滑り台があるといいなあ(赤)」「昔は水遊びができたみたいだけど犬が入るから遊べなくなった(赤)」など4歳の子が話す内容をベルリン市の職員が聴き取り、公園の改修につなげます。「子どもは〇〇と思っているに違いない」と決め付けるのではなく、子どもも市民・主権者と位置づけているのです。」学び実践したいと思います。
③休園、休校の子どもたち
2020年2月27日、前首相による全国一律休校要請(法的根拠や科学的裏付けがない)が出され、日本のほぼすべての自治体、教育委員会、私学は休校にしました。2020年3月から5月まで休校の人がたくさんいました。再開後も時差、分散登校などが続きました。未知のコロナの感染が拡がり、入院、死者が増え、治療法が確定せず、ワクチンの開発の目途が立たない中でした。
要請に対して、私たちはどう対応したのかを振り返りました。本校では、休校を伝えた時に子どもの声を聴き、考え合うことができなかったと思います。休校に入るまでの準備期間を持てませんでした。国連子どもの権利条約には、「子どもたちの意見が聴かれかつ考慮される機会を提供すること」「意思決定のプロセスにおいて子どもの意見が聞かれ、かつ、考慮される機会を設けること、子どもは現に起きていることを理解すべきであるし、世界的流行への対応としてなされる決定に参加していると実感できるべきである」という「参加の権利」があります。こうした権利が十分に尊重されなかったという反省が私にはあります。
休校は子どもにとってどうだったのか。2020年5月、日本小児科学会は「休校による感染拡大防止効果は乏しい一方で、子どもの心身に及ぼすデメリットが大きい」などの報告をしました。10月、「新型コロナ・民間臨時調査会」がコロナへの政府の対応を検証した報告書を発表しました。その中に、専門家会議関係者の「子どもは感染源にほとんどなっていない。疫学的にはほとんど意味がなかった」などの証言も記されていました。2021年に入り、文科省は、幼、小、中、高などに対し、「子供の健やかな学びの保障や心身への影響の観点から」、「一律に臨時休業を求めるのではなく、地域の感染状況に応じた感染防止策の徹底を要請する」としています。
子どもの感染についてによく学ぶこと。本園、本校には公共交通機関を使用している人が多く、不特定多数の人と接触する機会が多いこと。子どもたちの育つ権利、守られる権利、参加する権利、学ぶ権利、仲間と成長する権利など大切に考えてすすめていかなくてはならないことなどを大切にしていきます。
幼稚園の様子から。左 手足が自由に使え登ることが楽しい 右 枇杷をとろうと集まる子どもたち
(3)子どもの権利の歴史に学ぶ ~『エミール』の読み直し
ルソーによれば、子どもは「弱く生まれる」。「弱く生まれる」から、発達の可能態(性)が大きい。豊かに育つ存在である。
豊かな感性が理性を育てるという視点も書かれている。ルソーの「理性と感性」の捉えについて、「まず豊かな感性の開花、それが理性を支える」といいます。大切にしたいことです。
『センス・オブ・ワンダー』(レイチェル・カーソン)では、「「知る」ことは「感じる」ことの半分も重要ではないと固く信じています。子どもたちがであう事実のひとつひとつが、やがて知識や知恵を生み出す種子だとしたら、さまざまな情緒や豊かな感受性は、この種子をはぐくむ豊かな土壌です。幼い子ども時代は、この土壌を耕すときです。」につながります。
人間の成長全体をルソーは『エミール』で書き、「教育とは、無駄をすること」「ゆたかな、たっぷりした時間」など大切なことを述べています。
また、乳幼児期に育てる大切な内臓感覚(この内臓感覚を基本に脳の活動をしているー快不快のメッセージを出せる身体、身体のメッセージを捉える脳))、脳科学の知見(健康に身体を育て、身体中で感動し、身体中で自然のものを吸収していく。そして脳にきちんと情報を伝達し、精神の根底をつくり出していく。その過程が大切で子どもの心がつくられていく)にもつながるととらえました。(共同研究者の久保健太さんからの学びも含む)
しぜんひろばで園児たちがたのしみました
転編入試験は行いません
2021年9月入学の転編入試験は、どの学年も欠員が生じておりませんので、行いません。
なお、すでに次期[2022年4月入学]への転編入学希望カードをご提出されている方には、2022年1月下旬にその募集の有無について発表し、ご連絡いたします。
[参考]
次の入学希望カードを学園から送付します。
○2022年4月入学・・・2022年度の第2学年から第5学年
○2022年9月入学・・・2022年度の第1学年から第4学年
請求期間 2022年1月15日(土)まで
平日9時~16時 土曜9時~12時
請求方法 代表電話03-3300-2111 内線552 学務課へお電話下さい。
以上
6月5日(土)WEB個別相談会開催します
お申込みくださった皆様
明日のWEB個別相談会は、予定通り開催します。
ご予約完了時のメールをご確認いただき、お名前表示設定などご準備ください。
どうぞよろしくお願いします。
教務
1、2、3(サ)ーン、パッ
2年生の水泳の時間の様子です。
教室で事前に、めあての確認と、感染症対策のシュミレーションを行ってから、プールに向かいます。
この日のめあては「いきつぎのやりかたとビームの出し方」
水中で息が苦しくならないよう、顔を水から出すときに、上手に口から息ができたかどうかわかるヒントが「ビーム」です。
あごは、水中。口は水面。この位置で、パッと一気に息を吐くと水面がぶわっと浮かび、ビームが出ます。
ビーム出すには一気に「パッ」と、まとめて息を吐かないといけないので、これが結構むずかしいのです。
一気に息を吐きだすと吸い戻す力が働きます。風船を口で膨らませたときにフゥ~・・・ハァー・・・フゥ~・・・と、自然に息を吸う・・・そんなイメージが近いでしょうか。
プールは可動床なので、30cmの深さからはじめます。
ワニのような姿勢で「1、2、3ーン、パッ」
深さを60cm。75cmなどに変えて、「1、2、3ーン、パッ」。
目の前に水がピシャッと水鉄砲のように飛んだ時、それはそれはうれしいです。
1、2(水中)、3ーン・・・の間に目線を床から前(水上)へ顔を動かすのですが、頭が上がりすぎると、あごが水中から出てしまいます。
それを意識できるように友だちに、あごが水中でビームが出るちょうどよい頭の位置に手をかざして、自分の頭の動きをイメージできるように練習しました。
感染症対策を大人だけでなく、子どもたち同士でも意識しあって、できる活動を増やしていくこと。
学習も感染症対策も主役は自分たちという意識をもって、これからもやっていこうね!
ひかるもの、いっぱい!
朝の会をしぜんひろばで行なっていたクラスと遭遇。
ちょうど教室にもどるところでした。
3日前から「育ててきた」泥団子をみせてくれました。
ピカピカ、つるつるしていいかんじです。
どうやら土の採取場所が大事らしいのですが、それは秘密だそうです。
ほかにもいいものを持っているひとが!
かなへびと、四つ葉のクローバです。
朝の日差しをあびて、みーんな、きらきら光っています!
何かを発見したときの目、感動したときの心の動き、自然の豊かさ、
ぎゅっとつまった 一場面でした。
幼稚園保護者のみなさんとの学習会 [Ⅱ‐262]
保護者の方と学び合う会(2021年度1回目)をオンラインで行いました。準備をすすめてくださったみなさま、たいへんお世話になりました。事前に、保護者の方から質問をいただいて、私も学んでいます。ありがとうございました。
【寄せられた質問】・園として今大切にしていることは何ですか / ・3学年それぞれの発達段階で大切にしたいこと / ・子どもの権利について / ・子どもの心が社会の中でどう育っていくのか / ・子どものやる気をどう育てていくのか / ・子どもがこの状況下(コロナ禍)でどう感じているか / 〇今後子どもの社会性が変わってくるのか / 〇個性とわがままの違いについて 〇2つを特に考え合いたいという意見、要望が出されました。
1、園として今大切にしていること、3学年それぞれの発達段階で大切にしたいこと
(1)発達の主人公は、子ども
発達は、自分自身の願いによって、外の世界と自分自身にはたらきかけ、いろいろなことを取り込みながら新しい自分を創造していく歩み。
子ども自身の心の動き、子どもは自分で立ち上がり歩み出すことを大切にしたい。
この発達のちからがたくましく、豊かになるような生活をおくりたい。
(2)自分の人生の主人公へ。活き活きした人へ。活き活きした人生を!
そのために、
- ★好奇心をはぐくむ
もっとやりたい、もっと知りたい、意欲的に取り組むなど、好奇心をいっぱい持ってほしい。まわりには、おもしろそう、たのしいことがたくさん。好奇心をもち、達成感や満足感を味わおう。
- ★感動する心をはぐくむ(心を耕す)
楽しい、嬉しい、悲しい、つらいなど、いろいろと感じることを大切にされると、心が豊かになります。そして、ありのままの自分を愛することができるようになり、周りの人の心を大切にしていけるようになります。
- ★安心感や信頼感
園、家庭、社会、(世界)を、子どもが安心して自分を伸ばしていける場にしていきたい。安心感があるなかで、挑戦してみよう、失敗してもやりなおせるなどのおもいと経験から、自分を豊かにします。
★それぞれの発達段階で大切にしたいこと
園案内 3歳児 たっぷり遊び、「楽しさ」「安心」を感じ、「やりたい」を満喫します
4歳児 友だちとかかわる中で、「一緒」と「違い」に気づきます
5歳児 園生活を仲間と主体的に取り組みます
それぞれのクラス通信からの「肉付け」や大切なことが変化、発展し、『桐の朋』などでお伝えしています。幼稚園ホームページのたよりでもお伝えします。
異年齢の交わり 子どもの憧れ、やる気、成長モデル、頼られる …
何回かに分けて掲載していきます。
「大切な存在」だから頑張れる〜学校探検〜
今日はわくわくの1日。
パートナーの5年生と学校探検があるのです。
この日のために、5年生はひとりひとりがパートナーのことを想い、
「どうやったら 楽しんでくれるか、面白く学校案内ができるか」を考えました。
手作りのスタンプラリー用紙、BINGO形式の学校案内、首かけカード、
多種多様なアイデアと案内の仕方に、思わずこちらも聞き入ってしまいます。
「次どこにいくかは、サイコロできめよっか!」
「くじを引いて!出たところをさがしてみよう!」
ひとりひとりの頼もしい顔を見て、説明を聞いて
あぁきっと、たくさん時間と想いをかけて この日を迎えてくれたんだろうな。
これはきっと、夜中までかけてつくってくれたんだろうな。
見ているこちらの胸が熱くなりました。
ただ案内するだけではなく、1年生が学校に少し慣れてきた5月に、
「ここからは富士山が見えるんだよ」
「わたしの お気に入りの場所はここだよ」
「ここで こうやって遊ぶと楽しいよ」
「職員室にはこうやって入るんだよ」
など 工夫を凝らした学校探検をしてくれた5年生。
学校を歩いていると、あちらこちらに1・5年生の姿があった日。
1年生は嬉しすぎて、気持ちが盛り上がって思わず走り出します。
「あ!ちょっとまって〜!」
取り残された荷物を急いで持ち、はぐれないように追いかけ 振り回される5年生。
1年生の気持ちを受け取り、「まぁいいよ。いっておいでー!」と声をかけつつ
後ろから あたたかく見守っている5年生。
どの場面、どの表情にも 愛が溢れた時間でした。
教室に戻ってきた1年生は、もうニコニコ。
5年生がつくってくれた用紙をにぎりしめ、何度も見返す1年生。
こちらまで ニコニコが伝染してしまいました。
WEB個別相談会(年長対象)ご予約について
本日(5月30日)午前10時より、WEB個別相談会のご予約を開始します。
本ホームページ、説明会/体験会予約画面よりお手続ください。
・本相談会は、年長児のご家庭対象です。
・昨年度(2020年2月)開催のWEB個別相談会にご参加くださった方は、恐れ入りますがご遠慮くださいますようお願いいたします。
・受付完了時に自動送信されるメールを必ずお読みください。
ご参加、お待ち申し上げます。
桐朋小学校 教務
本日のWEB説明会にご参加の方へ
本日13時より、第1回WEB説明会を開催します。
トップページ、下部のバナー「WEB 説明会 会場」よりお進みください。
お申込み受付完了メールにてパスワード(PW)をお送りしております。
このPWを、コピー&ペーストしてお使いいただくことをおすすめいたします。
視聴方法などのお問い合わせがある場合は、13時から15時までお受けします。
どうぞご家族みなさまでご視聴ください。
ご視聴後、アンケートへのご協力もよろしくお願いいたします。
桐朋小学校 教務
想い、想われる経験を
5月が終わろうとしています。
桐朋の桜の木々も、すっかり緑に早変わり。
1年生も 朝の準備や遊びに少しずつ慣れてきました。
そんな教室には、今も大きい子たち パートナーの5年生の姿がちらほら。
教室の入り口、窓からも5年生が1年生の教室の中を覗いています。
はじめの頃からずっと、「パートナーの子はしっかりと準備できているかな?困ってないかな?」
親心のようなもので、あたたかく 時にドキドキしながら見守ってくれている人たちの姿。
何か困っている1年生がいると、パートナー以外の子にも目線を合わせて話をよく聞いてくれて
喋り方やテンポも 1年生に合わせる5年生を見ると、本当にすごいなぁとしみじみ思います。
そんな風に見守られている1年生はというと、
教室に入るやいなや、
「今日ね!朝パートナーさんと同じバスにのってきたんだよ!」
「パートナーさんのことすこしだけみれてね、手をふったんだよ!」
「朝ね、ころんじゃったんだけど 5年生が助けてくれたんだよ!」
と 言葉の中には5年生のことがいっぱい。
そして、なんとお掃除のやり方も
はじめの頃は特別に パートナーさんが教えてくれるのです。
「おそうじ」ってなんだか あそび よりも嬉しくない人もいるけど
「パートナーさんとのおそうじ」は違います。
お掃除がなかった日は、「ねぇ次いつ おそうじあるの〜!」と淋しそう。
パートナーさんの力にはかなわないなぁ、としみじみ感じる毎日です。
5年生、素敵な時間を ありがとう。