投稿者: tohoblog
受けつぐ記憶〜終わらなかった戦争〜
6年生の学習の大きな柱の一つである、平和学習がスタートしています。
6月には、東京大空襲で被災された元木キサ子さんをお招きし、6年生は保護者と共にお話をうかがいました。
感染予防対策のため中継の形をとりましたが、元木さんはたくさんの資料を示しながら、別室の子どもたちに真っ直ぐに語りかけてくださいました。
元木さんは、10歳の時に東京大空襲に遭いました。戦時中の苦しい生活の様子や、空襲の恐ろしさ。そして「日本の戦争は8月15日で終わりました。私たちの戦争は8月15日で終わりませんでした」と、戦争孤児としての辛い経験についても、くわしくお話くださいました。
親を失い、戦災孤児となった元木さん。想像以上に壮絶な生活について聞かせてくださり、ありがとうございました。このような事がもう起こらないよう願い、努力しなくてはいけないと思いました。(6年生)
戦争孤児で、一生懸命生きてきて、苦しみに耐えて、とても心が強い人だと思った。改めて、戦争がいけないということを痛感した。世界の法律で「戦争をしない」というのが必要かなと思った。(6年生)
小学校4年生でご両親を亡くされたとお聞きし、その後の人生の困難を想像すると、胸がしめつけられるようでした。子を持つ親として、戦争は絶対してはいけないと思いました。また、元木さんがご自身の体験を伝えてくださっているからこそ、次の世代が戦争を起こさないように行動することができます。辛い体験を話すことも、辛いことだと思うのですが、それをして下さっていることに感謝の気持ちを持ちました。渡されたバトンを我々親世代も、次の世代につないでいきたいと思います。(保護者)
「戦争は本当に恐ろしく、悲しい。これからは、平和を大切にしながら、様々な地球規模の課題解決に向かっていってほしい」という元木さんからのメッセージを、子どもたち・保護者の方々は、しっかりと受け取りました。
ハッピーフェスティバルinTOHO〜1日目〜
夏の日、4年生の学年行事「ハッピーフェスティバルin TOHO」が行われました。
今年は、八ヶ岳に行って合宿をすることは叶わないけれど、
学校の校庭や自然広場、校舎を使って、ふだんはなかなかできないことに、
思いっきりチャレンジしてみることにしました。
行事名も、子どもたちが話し合って『ハッピーフェスティバルinTOHO』としました。
目標は「みんなで楽しく協力する」こと。
この日に向けて、73人の子どもたちが、進行係やキャンプファイヤー係など、
それぞれの係に所属し、アイデアを出し合って準備をすすめてきました。
≪1日目≫
開会式のあとに 4年生全員でおにごっこ。
係の子たちがオリジナルルールを考えて、進行しました。
午後には、火おこし体験を行いました。
矢間式やファイヤースターターを用いての火起こし。
必死にがんばっても、なかなかつかない火。その尊さを感じる時間になりました。
その火を使って、自分たちが畑で育ててきたジャガイモをゆでて食べました。
夜には、キャンプファイヤー。校庭の真ん中で大きな火をたいて、みんなで輪になって歌ったり踊ったり・・・。
ふだん見ることのできない夜の学校、キャンプファイヤーの火、友達とわいわい盛り上がったこと…
特別な時として、子どもたちの心の中に残っているといいなと思います。
〜子どもたちのふりかえりより〜
・みんなと協力できた場面がいっぱいあってよかった。特に協力できたと思ったところは、火起こしの時に友達が中心になったところだった。たのしかったなあ。
・今日みんなといっしょに火おこしをがんばったことが、すごく心にのこりました。最初はやげん式火起こしでがんばりました。かけ声をかけてがんばりました。
・私はキャンプファイヤーチームで司会をまかせてもらいました。めったにできない経験ができてよかったです。この1日は私にとって一生忘れられない宝物になりました。
・私が一番心にのこったことは、夜にやったキャンプファイヤーです。司会もよかったし、点火の儀式も楽しかった。12月の歌の最後に歌った「どんどんもえろ~」の時にぶぉっと燃えたので、歌ってすごいなあと思った。毎日こんなに楽しけりゃいいのにな。
・総合の時間、みんながどれだけがんばってきたかが、わかりました。てきぱきしていたので、スムーズにいっていました。私はさいごにやったキャンプファイヤーが一番楽しかったです。練習ではうまくいっていなかった火起こしも、やげんしきで火がついたことなど、すごくうまくいっていました。
・今日、4年生で1度しかないハッピーフェスティバルをやった。キャンプファイヤーうまくいったし、じゃがいももおいしかった。ぼくは、炎がもえるところは忘れられない。
夏を、桐朋を、全力で楽しむ!
夏も真っ盛り。
セミの声も心地よく校舎を包みこむように鳴り響いています。
それに負けないくらい、5年生の声が響き渡る夏の日。
今年、八ヶ岳の合宿に行くことはできませんでした。
たくさん話し合って、今だからできることを、「あきらめる」だけではない方法を
全員で探ってきた時間。
変更に変更を重ねながらも、全員で「今この時間」を楽しもうという気持ちが形になりました。
自分たちでやりたいことを話し合い、8つの活動が出来上がりました。
木を切り工作をしたり、玉ねぎで布を染め上げたり、
水てっぽうで思いっきり濡れたり、学校全体を使って遊びを企画したり。
どの遊びも、子どもが考え、企画し、運営し、遊びます。
企画書を担当の先生に持っていくのですが、その紙を見たときから
どれだけ考えてきたか、どれだけ想いがこもっているか伝わってきました。
そして何より、学校中に弾けた笑顔と声があふれていたこと。
確かにそこには、八ヶ岳ではできなかったこと・今だからこそできたことがあふれていました。
その時間の愛おしさを抱きしめたくなった、そんな夏の日の思い出です。
7月の校内行事から [Ⅱ-270]
7月中~下旬に予定していた4年生八ヶ岳合宿、5年生八ヶ岳合宿は、コロナ感染拡大のために実施できなくなりました。
子どもたちと先生たちで、代替行事をいろいろと計画しました。5年生ならば、「高尾山登山を通して、自然の豊かさを味わう体験をする」「班・係・学年での活動を通して、話し合い、協力し合い、理解し合う関係を深める」「野外において、自分たちで火を起こし、料理を作りあげる」「ひとり一役を担い、できるだけ自分たちの力で行事を作りあげる」ことを目的に、たのしい、充実した内容を考えて取り組みました。実施に向けて力を発揮する子どもたちを頼もしく思いました。
しかし、4度目の緊急事態宣言が発令され、これまで子どもたちと一緒につくってきた行事の一部を変更せざるを得なくなりました。とても悔しい、残念な気持ちでした。
校内での行事に切り替えて取り組んだ子どもたちの様子です。
暑中お見舞いでいただいた手紙には、たのしかったよ! 心に残った! 満足したぞ! などと綴られています。
保護者の皆さま、活動へご協力をありがとうございました。
メダカの学校
昨年に引き続き、桐朋学園芸術短期大学の先生からメダカのたまごをいただきました。
産まれた日付ごとにビーカーに分かれていて、とても小さいながら確かに大きさに差があります。
小さいものが見えにくい大人の横で、子どもたちは「あ、いたいた!」とすぐに見つけて、素早い動きを追っていました。
5、6年生は自分のメダカを決めて理科の授業で観察を続け、夏休みを前に自宅に連れ帰ることになりました。
身近に観察対象があると、好奇心も刺激されます。新しい理科の自学ノートが掲示されるのを楽しみにしています。
サプライズ・お手紙のプレゼント!
4月、入学する前から1学期間、
1年生は様々な人から愛をもらってきました。
その中でも1番結びつきが深かったのは5年生のパートナーさんです。
入学前の電話かけから始まり、教室の飾り付け、
横で連れ添って不安な入学式の入場を手伝ってくれたこと、
一緒に学校に来てくれたこと、
お手紙ファイルのプレゼント、有形無形、様々なギフトをもらってきました。
そんなパートナーさんに向けて
1学期の終わりに、今度は1年生からギフトを。
1学期に一生懸命習った文字で、自分の手で書いた字で、気持ちをお手紙にして贈りました。
「たくさんのことをおしえてくれて ありがとう。」
「これからも だいすきだよ。」
「いまは ○○ちゃんと(がっこうに)きているから だいじょうぶだよ」
「○○くんも がんばってね」
内容はもちろんですが、
直接お手紙を渡せたこと。
「どうぞ」「ありがとう」と恥ずかしがりながらも言えたこと。
パートナーさんのはにかむ顔を、一番近くで見られたこと。
「よろこんでくれるかな?」とドキドキしたこと。
その時間が素敵で、心の色が溢れた瞬間でした。
面白卓球、アイディア続々!!
梅雨が明け、一気に真夏の暑さがやってきました。
夏休み中も1学期の様子を中心に「桐朋小だより」を発信していきます。
今日は「卓球団」のお話です。
5,6年生が週に1コマ行う「団活動」。多くの学校ではクラブ活動という名称でしょうか。
桐朋小学校では子どもたち自身が「こんな活動をしたい」と呼びかけることから始まります。
加入の希望を募り、いくつかの手続きを経て「団」が成立します。
(手続きというのは、5,6年生がともにメンバーにいること、活動場所と安全が確保されること、などです。)
ですから、毎年同じ団があるとは限りません。
今期はサッカー、バドミントン、理科実験、イラストマンガなど全部で9団が木曜日に活動しています。
さて、卓球団です。
本来は第3体育室に卓球台をいくつも並べるところですが、
時差登校などの影響でこの施設が使えず、多目的教室が割り当てとなりました。
それを承知で集まってきた19名の子どもたち。
正規のものよりふたまわりほど小さな机を台に、球を操っています。
球に回転をかけたり、ぎりぎり端っこを狙ったり。
いわゆる「試合」がひと段落すると、今度は「面白卓球」の時間です。
実は机の厚みがありすぎて、ネットが固定できません。
ですから手で持つ「ネット係」が必須です。
なんだか面倒にも思えますが、それが以外と面白い要素になっています。
ネットをゆらゆら波のように動かしたり、斜めに配置したり、球をくぐらせてみたり。
卓球ラケットではなく、段ボール板を手にはめてみたり。
同時に2つの球でサーブしたり。
受け手が一定の速度でラケットを回していて、それにめがけて球を当てたり。
毎回、どこかで「新技」が開発されていて、見ている方も飽きません。
制約があるからこそ、工夫したくなる。
いつもの友達ではなく、異学年のメンバーだからこそ生まれる発想もあります。
「普通の卓球」の実力はそれほど向上していないかもしれないけれど、
ワクワク満載の「多目的室の面白卓球」の紹介でした。
自分の意思と力で自己形成をすすめる主体として生きる [Ⅱ‐269]
初等部で育った人が、どんな人生を歩んでいるのか? 卒業生の様子を知りたい、卒業生の声を聴きたいという願いが届きます。今回、内藤智文さんの歩みから学んでみたいと考えました。(コラム[Ⅱ―265]に加筆修正)
…ジャンプ競技との出あいは幼稚園生の時に長野オリンピックを見に行ったことでした。それに触発されてジャンプを始めました。桐朋幼稚園の誕生会で、スキージャンプの選手になりたいという夢を話したことを覚えています。(内藤さんは、「好きなことをいくつも持つ」こと、「夢への道のりを描く」ことを大切にしてきたと話されていました。)
小、中学生の時、毎年スキージャンプの大会に出ました。毎冬、北海道の下川町に合宿に行っていた縁で、高校からは下川の高校に通いました。人口は三千人ですが、葛西紀明さんなど多くの選手を生んだ町です。高校、大学と北海道でジャンプ競技に打ち込みました。でもオリンピックは遠い世界でした。
大学卒業の時に、茨城県で四年後の国民体育大会(国体)に向けてジャンプの選手を探していると知り、大学院に進むのではなく、働きながら社会人選手の道を選びました。国体で結果を出すことを目標に練習を重ねました。社会人三年目になって結果が少しずつ出て、ワールドカップに出場したり、韓国の平昌オリンピックにテストジャンパーとして加わったりしました。日本のトップ選手に並んだのです。
自分でも驚きでした。幼稚園の頃からの夢が実現したのです。(100~142.5m、4~5秒間空中にいるそうです。「思ったよりも短い時間」で、気持ちいいジャンプになった時、からだが後ろから持ち上がり、「うお~、いったあ」と心の叫びがあるそうです。)
社会人になって大きかったことは、練習の計画や方法などをすべて自分で立てなければならないということです。また、自分だけでなく、多くの人の期待を背負って取り組んだことも大きかったです。フルタイムで仕事を持ち、時間の制約の中で競技を続ける。何を大切にするか、どうすれば無駄を省けるか、真剣に考えました。それが自分を高めることにつながったのでしょう。
今は、北京オリンピックをめざしています。十月の大会で出場権が得られるかどうかです。あと数か月で、どうすれば競技力を上げられるか、毎日それを考えています。ただ、オリンピックだけでなく、もう一つ大きな夢があります。それは世界で一番大きなジャンプ台で飛ぶことです。ワールドカップでは250mのジャンプ台もあり、そこで飛ぶことが小学生の時からの夢です。(5月オンラインでのインタビュー)
内藤さんは、自分の意思で、自分らしく活動することを選んでいます。自分の意思で練習を重ね、自分の力を試し、力をつけていきます。周りの支えや期待も受けとめています。自分の意思と力で自己形成をはかる主体となり、かけがえのない人生を歩んでいます。
内藤さんの歩みから考えてみました。人間は、誕生時から好奇心旺盛で、いろいろと(やってみたい)(試してみたい)願いを持って行動し、変化、成長します。好奇心を大切に行動できる人は、「親和的承認」(=親密で信頼できる人に認められること。山竹伸二氏からの学び)が満たされていると思います。子ども時代、やったことのない行動は、スリルやどうなるかわからない怖さがあり、叱られるかもしれない不安もありますが、根底に「親和的承認」があれば、安心感を持ち、未知なる世界へ飛び出していくことができると思います。
「したい」ことに没頭する経験は、子どもが自分のやりたいことを拡げ、主体的な意思をもった人間になるうえで、とても大切です。大人になった時、自分のやりたいことを楽しみ、集中して取り組める人間になれる、夢や理想を抱き、それを実現しようと取り組む人間になれる可能性が拡がります。
内藤さんの歩みと桐朋教育をつなげて考えてみました。出発点は、一人ひとりが自分について「自分は自分でいいんだ」「今、ここにいていいんだ」「失敗してもがんばればいいのだ」という自己肯定感、自尊心をしっかりと実感できることです。そのためには、周りの人から「あなたはあなたでいいんだよ」「失敗してもまたがんばればいいんだよ」と言ってもらえ、自分でも「そうか自分は自分でいいんだ」「失敗しても、また挑戦しよう」と思うことができ、自分も周りの人のように認め、励ましていけることです。
また、「我が人生、いかに生くべきか」「何をもっとも得意とするか」について、さまざまなものに取り組み、経験し、深く学ぶなかで、他者と切磋琢磨し、刺激しあいながら、その答えを模索していく、そして、そのことを可能とする力をつけていくことを大事にしている学園です。
WEB説明会のご参加、ありがとうございました。
7月・WEB説明会へご参加いただきありがとうございました。
ミライコンパスマイページより、アンケートの送信をお願いしています。
締め切りは、7月19日(月)23:59です。
次回、9月4日(土)の体験会は未定となっておりますが、
8月21日以降、ホームページにてお知らせいたします。ご確認ください。
桐朋小学校
夏季休業中の資料請求について
桐朋小学校は、本日より夏季休業に入ります。
また、8月12日(木)〜8月16日(月)は学校閉鎖期間となります。
この前後にご請求いただいた資料の発送には、通常よりも日数がかかる場合がございます。
ご了承ください。
なお、学校案内「幸せな子ども時代のために」は、
本HP「電子ブック」での閲覧も可能ですが、ぜひお手元に置いていただければと存じます。
年長のご家庭に限らず、どなたもご請求可能です。
また、1学期の学校生活は「桐朋小だより」にて随時発信してまいります。
ぜひご覧ください。
暑い毎日、みなさまどうぞお元気にお過ごしくださいませ。
教務