学年の集い(6年生学年開き)

6年生は体育館を使って学年開きを行いました。

72名が一堂に会するのは本当に久しぶりです。

椅子をながーく2列に並べて、クラスごとに座ると思いきや。

「今から、学年全体のお誕生日順に座ります!ただし、無言で!よーいスタート!」

さあ、そこからが速かった!ゼスチャーしたり、指で数を示したりしながら、あっという間に4月から3月までの座席が決まりました。

念のために、名前と誕生日を確認していきます。同じ日に生まれた人が3人もいたりして、びっくりしました。(その中でも、生まれた時間順に正確に席を決めていました!)

座席が決まってひと段落したところで、今年度の抱負を代表の人が発表します。

「委員会活動をがんばりたい」

「行事を成功させたい」

「心配性なところがあるから、心配しすぎず過ごしたい」

「小学校最後の1年を、大事にしよう!」

それぞれの言葉で話してくれました。

司会の代表委員の進行も見事でしたね。

 

最後に、行事を中心に1年間の流れを確認しました。

みんながとっても楽しみにしていた5月の合宿は、今の状況では難しいことがわかってとってもガッカリしましたね。当然です。

でも、落ち込んでいる暇はありません。八ヶ岳高原寮には行けないけれど、その代わりに「今できること」をみんなの知恵と工夫と熱意で探ることが決まりました。

早速実行委員に名乗り出てくれた人がたくさんいて、頼もしい限り。

みんなで、最高の1年間にしようね!!

パートナーとの素敵な出会い

待ちに待った入学式当日。

この日は、パートナーさんとのはじめての登校。

待ち合わせ場所を電話で決めたら、ドキドキワクワクは最高潮です。

 

5年生は、1年生と出会った時の会話を作戦会議していました。

1年生だけじゃなくて、実は5年生も緊張していたんだね。

教室に入ったら名札をパートナーさんがつけてくれます。

教室の使い方、トイレの行き方を教えてくれて、何を言わずとも1年生の側で寄り添う姿がありました。

緊張の中にも、頼もしさがあり、どこか誇らしげな5年生。

そんな5年生をしっかりと見つめる1年生。

入学式が終わった後、1年生から出た言葉は、

「今日は5年生と帰れないの〜?パートナーの人今どこにいるの〜?」。

一方5年生の方も、入学式の時間 1年生を見たくてウズウズ。

帰りも1年生と偶然会えないかソワソワ。

 

お互いが思い合っていることを確認できた、大切な出会いの1日になりました。

 

 

 

 

入園、入学おめでとうございます [Ⅱ-258]

式で一人ひとりに渡した園章、校章の話です。

園章、校章は、桐がかかれています。渡した後に、「園章、校章の桐には、『一人ひとりを大切にするよ。』『自分のことを大事にしていこうね。』という願いが込められています。」と話しました。

桐朋の朋の字については、「仲間という意味です。友だちと、周りの人(保護者の方、先生たちも)といっしょに育ち合おうね。」と話しました。ばら組、ゆり組、2~6年生、先生たちは、たんぽぽ組の人たち、1年生の人たち〈仲間〉の入学をとっても楽しみにしてきました。

園章、校章のことで付け加えます。私たちの学園は、戦後、東京文理科大学、高等師範学校の指導と協力を得て、第2の出発をしました。桐朋の名称は、両校(後に統合して、東京教育大学)の校章「桐」に由来しています。桐朋学園の初代校長、理事長が、東京文理科大学学長の務台理作先生でした。先生は、1947年教育基本法制定に深くかかわり、「一人ひとりの人格を尊重し、自主性を養い、個性を伸長するという、ヒューマニズムに立つ『人間教育』」を桐朋の教育理念の基本に据え、これまで私たちは大切にしてきました。

続いて、式で、みんなに贈った〈かわり絵〉のことです。3月末から4月のはじめ、2年生一人ひとりが大事に育てたチューリップがきれいに咲きました。入園、入学の日は、満開のチューリップを見ることは難しいと思い、絵をかきました。それから、しぜんひろばに行って、たんぽぽの絵をかきました。一人ひとりが自分らしく素敵な花をたくさん咲かせてほしいと願いました。

朝、1年生の教室に2年生がいて、1年生といっしょに過ごしてくれています

保護者の皆様、お子さんのご入学おめでとうございます。その人その人の自分らしさ、持ち味をだいじに育ててほしいと思います。自分の人生の主人公に、社会の担い手になる根っこを育ててほしいと思います。

自分の人生の主人公に育つために、大切にしたい3つ〈好奇心を育てよう〉〈いっぱいの安心感のなかで〉〈心を動かす、感動する心を育もう〉をお伝えしました。

〈好奇心〉もっとやりたい、もっと知りたい、意欲的に取り組むなど、好奇心をいっぱいもってほしい。周りには、おもしろそう、たのしいことがたくさんあります。好奇心をもち、達成感や満足感を味わってください。

〈安心感〉学校も、家庭も、子どもが安心感して自分を伸ばしていける場にしていきたいです。安心感があるなかで、挑戦してみよう、失敗してもまたやりなおせるなどの経験から、自分を豊かにしていきます。

〈心を動かす、感動する心〉楽しい、嬉しい、悲しい、つらい、いろいろと感じることを大切にされると、心が豊かになります。そして、ありのままの自分を愛することができるようになり、周りの人の心を大事にしていけると思います。

一人ひとりが素晴らしい可能性を持っています。いろいろな人やものごとにかかわって、自分を変化、成長させていってください。保護者の皆様とともに、子どもたちを支え、成長をたのしみにしていきたいと思います。

 左 しぜんひろばで四つ葉のクローバーをたくさん見つけている子どもたちからいただきました。右 八重桜の花いっぱいの渡り廊下

先生たちの春の勉強会

みなさんは、春休みどんなふうに過ごしましたか。

先生たちは2020年度のまとめをして、2021年度の準備をするので

ほとんど毎日学校に来て、打ち合わせをしていました。

ずっと座りっぱなしの会議が続く中、一コマだけ「しぜんひろば」での勉強会がありました。

ひとつは、大きな災害がおこった時に「かまどベンチ」などを使えるようにする練習です。

数年前に、卒業生や保護者の皆様、そして同窓会の方が贈ってくださったこのベンチ。

きっとみんな座ったことがあると思いますが、こんな秘密があったなんてびっくりしませんか?

座面をはずして、風除けをつけて、その中で薪をもやします。

焼き芋をする時の鉄製の「ふね」や、幼稚園で管理している「ミニかまど」なども使って、

どのチームが最初に着火できるか、がんばって挑戦しました。

ちょっと肌寒かったこの日。あたたかな炎の色と湯気をたてるお鍋に、気持ちがほっとしました。

災害時は、アルファ米を食べる時などにここで沸かしたお湯がきっと活躍することでしょう。

もうひとつは、しぜんひろばの草花しらべです。

見本のブーケと同じになるよう、目をこらしてしぜんひろば中をあるきまわって草花をさがします。

図書室の前のベンチにならべてあるのが、完成したものです。春の緑、すてきでしょう?

 

第1回学校説明会のご案内

本校にご興味をお持ちいただきありがとうございます。

コロナ禍で制限の多い毎日が続いています。

その中でも大切にしていきたい幼児期・児童期の育ちについて、

桐朋学園初等部 園長/校長 中村博がお話いたします。

 

第1回 学校説明会  5月8日(土) 本校ポロニアホールにて

①9:30~  ②11:00~  ③13:00~

 

・密を避け、人数を絞って開催します。

4月17日(土)10:00より申し込み受付を開始します。

本ホームページ「説明会・体験会予約画面」よりお手続きください。

・お子様のお名前でお申込みいただくと、お一家庭2名までご参加いただけます。

(保護者1名/保護者2名/保護者1名+お子様1名 このいずれかの組み合わせです)

・説明会前半のお話は、保護者向きです。

・説明会の後半は、ご希望の方を校舎見学にご案内します。(上履きをご持参ください。)

・発熱等、風邪症状のある方はご参加いただけません。(くれぐれもご無理のないようにお願いします。)

◆感染拡大状況によってやむを得ず中止となることもございます。

実施の最終判断は、前日7日(金)正午にHPにてお伝えいたします。

 

みなさまのご参加をお待ちしております。

桐朋小学校

 

 

 

新年度を迎えて [Ⅱ-257]

新年度を迎えて ―桐朋学園で、私たちが大切にしてきたことー

1941年、第一山水中学校(国立)、山水高等女学校(仙川)(「教育こそ永遠である」山下亀三郎氏のご寄付をもとに)として学園が開設。2021年、創立80周年を迎えました。あらためて、学園の存在意義と今後を<1947年制定教育基本法と桐朋>という視点から考えたいと思います。

桐朋学園として第2の出発は、1947年教育基本法を原点としています。

一人ひとりの人間とその個性を大事にし、その人その人がもっているよさや特徴が十分に発揮されるような教育を行おうとしてきました。桐朋学園の教育理念は、「一人ひとりの人格を尊重し、自主性を養い、個性を伸長する、ヒューマニズムに立つ人間教育」です。

そこには、戦争の反省と戦後の願いが込められています。教育勅語にもとづく教育の反省、画一的に上からの統制を行い、従わないものには「非国民」という烙印を押す自由のない教育の反省のうえに立ち、一人ひとりの人間を大事にしよう、その人その人の個性を尊重する教育を行おう。教育への国家の介入、統制はできるだけなくし、教育にあたる一人ひとりが責任と良心にもとづいて自由に教えることができる、学ぶものも学びたいものを自由に学ぶことができる、という考えにもとづくものでした。

1947年教育基本法前文には、「われわれは、さきに、日本国憲法を確定し、民主的で文化的な国家を建設して、世界の平和と人類の福祉に貢献しようとする決意を示した。この理想の実現は、根本において教育の力にまつべきである。われわれは、個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成を期するとともに、普遍的にしてしかも個性ゆたかな文化の創造をめざす教育を普及徹底しなければならない。ここに、日本国憲法の精神に則り、教育の目的を明示して、新しい日本の教育の基本を確立するため、この法律を制定する」と書かれています。私たちが願う現在と未来を、保育、教育において実現する、そのような保育、教育のなかみを桐朋学園は試行錯誤しながら行うことを決意したのです。

現在の日本は、教育の自由や独立性が心配な状況が見られます。また、「男女平等 日本120位/156カ国」「ミャンマーでは多くの市民(子どもの命が奪われている)が国軍側の武力行使で殺されている」など問題があります。そして、「深刻な地球緊急事態」(地球温暖化、生態系破壊、パンデミックへの対応など)に直面し、「地球の安定性と自己回復できる経路」(「グローバル・コモンズの責任ある管理」が必要)へ大きく舵を切らなくてはならない「人類史上の岐路」にいると考えます。

桐朋学園の原点は、時代がかわっても大切なことを示しています。私たちが生きている時代がどんな時代なのか、どういう課題があるのか考え話し合い、学園の原点を踏まえ、未来を創っていきたい。

※「教育基本法と桐朋教育」は、『学ぶこと、未来へ』小柳敏志前理事長の著書に学ぶ。「グローバル・コモンズの責任ある管理」は、『世界』2021年5月石井菜穂子論文、j・ロックストローム論文などに学ぶ。

写真はすべて桐朋幼稚園(4月12日)