投稿者: tohoblog
被爆アオギリ二世 植樹プロジェクト [Ⅱ-217]
先日、しぜんひろば委員会(5.6年生)の子どもたちが全学級に行き、[被爆アオギリ 植樹プロジェクト]のお知らせをしました。
2019年10月、6年生が広島へ修学旅行をした際、[被爆アオギリ二世]の苗木をいただいてきました。[被爆アオギリ二世]について、各学年の人たちがわかるように話してみました。それを植樹する日時、場所を伝え、「植える様子を見守ってもらえるとうれしいです!」と呼びかけました。
左 広島平和公園の被爆アオギリ 右 いただいてきた[被爆アオギリ二世]
被爆アオギリには、次のメッセージが書かれています。
昭和20年(1945年)8月6日、爆心地から北東へ約1.3㎞、広島市中区東白島町の旧広島逓信局の中庭で被爆したアオギリは、爆心地側の幹半分が熱線と爆風により焼けてえぐられましたが、樹皮が傷跡を包むようにして成長を続け、焦土の中で青々と芽を吹きました。
その後、被爆アオギリは昭和48年(1973年)に平和記念公園に移植されましたが、[平和を愛する心]、[命あるものを大切にする心]を後世に継承するため、この被爆アオギリが実らせた種を発芽させて育て、成長した苗木を「被爆アオギリ二世」と名付けて配布しています。
皆さんの手で大きく育て、平和の尊さを伝えていってください。広島市長 松井 一實
この特別な苗木を、これから桐朋小学校のみんなで大事に育てていきたいと思います。
本日の昔あそびの会は、予定通り行います。
本日の昔あそびの会は、予定通り行います。
参加する人は、暖かい服装で安全に登校しましょう。
転編入試験を行います。(2020年4月入学)
2020年4月入学の転編入試験は、以下の学年で行います。
新5年生 女子1名
試験日は2月15日(土)です。詳細は、募集要項でご確認ください。募集要項・入学願書は、1月20日(月)~2月6日(木)、学園総合受付にて配布します。(無料)
尚、学務課にて希望カードを記入して頂いた方には、2020年9月入学の転編入試験の有無をお知らせ致します。
(16日15:40一部訂正)
3学期開始!
年が明けて、新学期が始まりました。
始業式。2年生は一足先に集合し、始業式で発表する歌のリハーサルをしていました。元気な明るい歌声が聞こえてきて、いいなぁと思いました。本番もみんなで声を出して歌い、終わった後にほっとした様子が見られ、とってもよかったです。
司会は代表委員会の5,6年生です。大きな声と低学年の子が聞き取りやすいスピードで話してくれていました。
全校児童が集まって、新しい年、今の学年で最後の学期のスタートを切りました。
教室に戻ると、カルタをやっているクラス、友だちと沢山遊ぶ活動をしていたクラス、今年の目標を書いてみたクラスなど、それぞれが久しぶりの学校を楽しむ活動をしていました。
このクラスは、何やらゲームでしょうか。「1!」「2!」「3!」と一人ずつ数えていくカウントアップ。声がそろってしまったらやり直しです。久しぶりなので心をそろえる遊びのようです。でも心がそろってしまうと、声がそろってしまいますね。お互いの動きや心に目を向けて沢山笑っていました。
それから、福笑いならぬ、「黒板笑い(一筆書きバージョン)」というゲームもしていました。お題を聞いて、その絵を描いていく遊びですが、ポイントは一筆書きしかできないというところ。チョークが黒板からはなれたらもう書けません。次の人にバトンタッチ。6人で一つの絵を仕上げました。全部で3問やり、お題は馬、キリン、あと一つは秘密だそうです。
笑顔がはじける新学期。3学期もよろしくお願いします。
2020年がはじまりました [Ⅱ-216]
子どもたちと出会えて嬉しかったです。新年もどうぞよろしくお願いします。
-いただいた年賀状から― よい一年にしていきましょう!
★今年は、りかちゃんのようふくをたく山つくりたいです。一りん車の手ばなしもちょうせんします。
★2年生になるのが楽しみです。なわとびをがんばりたいです。
★学校でたくさん遊びたいです。
★ケンカをなくして、楽しい学校にしてください。
★冬休みに入ってから、うれしいお知らせがありました。それは、習っている書道の作品が展覧会で金賞をとったことです。今年もたのしくがんばっていきたいと思います。
★今、小数が好きです。もっとべん強をがんばりたいです。
★3学期、実験団にもっと力を入れていきます。
★昨年はドロケイがはやって、一年があっという間でした。私は、1年の時と4年を比べたら差があり、ビックリしました。
★今年は鉄ぼうをがんばりたいです。
★水曜日も6時間目ができるから、放課後を伸ばしてほしいです。
★今年の目標は、バタフライの泳ぎを上手に泳ぎたいです。
★目標は、「何でもこわがらずに勇気を出してやる事」と「お友達の気持ちを大切にする事」です。
★今年の目標は、楽しみながら、集中して学習していく事です。
★昨年は八ヶ岳合宿でたくさんお話しができて、すごくうれしかったです。合宿以外でもたくさん話したいです。5年生になるのが楽しみです。
★クラスがえなので、友だちをいっぱいつくりたいです!
★初めての八ヶ岳へ行ったり、運動会で大繩をやったりしました。今年はどんな一年になるでしょうか。そして、5年になったら、西と東のクラスがえがあります。ドキドキです。
★5年生になるのが楽しみです。勉強をもっと頑張りたいです。
★きょ年はなわとびをがんばりました。今年エイサーなど、体育をがんばります。
★5年生は急に勉強がいそがしくなって、とても大変な1年だったけど、いろんな行事が楽しくできた感じがして、自分でも成長したなと思える最高の1年でした。今年は小学校生活最後の1年なので、いろんなことを思いっきりやって、5年生より成長できる1年にしたいです。
★5年生になり、パートナーと委員会が始まります。楽しみです! 新しいしぜんひろば、毎日のように遊んでいます!
★パートナーが楽しみです。仲良くしたいです。
★6年生の修学旅行がとても楽しみです!
★今年は最上級生になります。修学旅行などたくさんの行事があるので楽しくやりたいです。
★今年は6年生になります。野球と勉強がんばりたいです。思い出いっぱいつくりたいです。
★6年生の運動会楽しみだね。
★小学校生活、あと少しですが、残りの3カ月、最後の委員会などがんばりたいと思っています。
★今年から中学生になります! 中学生では、「好きな事」と「勉強」を両立して頑張ります!
★色んな事をチューい深くがんばりたいです。
他にもたくさんありました。願いをつくり、それに向けて取り組む過程が尊いと思います。自分を自分で成長させているのですから。
また、他者の役に立ちたいと書いて教えてくれた人がたくさんいて、嬉しかったです。
冬に読んだ本から。障がいをもつ子が書いた詩です。
最高記録
ぼく 最高記録だしたよ/でもびりだったんだよ
-ぼくの最高記録というのがいいな。びりでも。-
2学期の振り返り① 運動会が無事終わりました
2学期の振り返りです。運動会の様子をお伝えします。
各学年、特別時間割に入ってからの運動会へ向けた仕上げの練習を一生懸命行い、運動会を迎えました。10月6日、運動会当日は、雨模様で開催が危ぶまれましたが、何とか開催できました。それでも開会式後の3年生の「みかぐら」の発表中、雨脚が強くなり、終了後一次中断をし、30分ほど様子を見ることにしました。その中でも3年生は、雨の中集中して最後までしっかりと踊り切り、すがすがしい顔で踊りを終えることができました。
その後、運よく雨も上がり、時折晴れ間も見れる天気になり、その後の学年の表現の発表と対抗競技はしっかりと行うことができました。残念ながら、中断の影響でPTAの出し物の「大玉送り」は、中止になってしまいました。それでも子どもたちは、みんなで夢中になって運動会を楽しむことができ、笑顔で運動会を終えることができました。
運動会を見に来ていただき、大きな応援をいたいただいた保護者の方、前日や当日の準備やお手伝いをいただいた係りの保護者の方、そして何よりも高学年の係の子どもたちの自覚を持ったそれぞれの仕事をしっかりと取り組んでいた姿には、感心しました。このようにみんなで作り上げた運動会を無事に終えることができたことに感謝いたします。

小雨の中の開会式の様子

3年生みかぐら、小雨の中でしっかり踊りました

2年生、みんなでそろって花笠音頭

4年生、縄跳びの表現(ダブルダッチ)

3年生、綱とり。作戦を立てての合戦

1、2年生のかわいい玉入れ。

1年生、荒馬踊り。思い切り跳ねます。

5年生、勇壮な沖縄のエイサー。この日は沖縄の園田青年会の会長、副会長の生演奏とリードでおどりました。

6年生、岩手県の七頭舞、難しい動きをかっこよく踊り切ります

対抗競技開会式の連合旗の入場。1年生から6年生の代表が一緒に入場

2年生、3人で気持ちを合わせてマルタを持ってのリレー

1年生、二人で力を合わせて走ります。

4年生のかけっこ綱引き。綱のある所まで、みんなで走って綱引き

5年生、全員リレーのゴールの瞬間。いい表情してます。

6年生、旗取り。棒倒しの安全版。一瞬で決まる時もあります。

3,4,5,6年合同の大玉リレー。対抗競技の最後の種目。これで総合優勝が決定します。

優勝したチームに贈られる優勝旗。今年は白組が優勝
一人ひとりの、幸せな子ども時代のために [Ⅱ-215]
2020年がはじまりました。どうぞよろしくお願いします。
冬休みに入り、園舎の改修、園庭や畑のフェンスの工事をすすめていただいています。今日(1月6日)は、学園へ年賀状が届く日です。届き次第、返事を書きます。
ヒロシマ修学旅行・平和の子の像
今年の願いです。一人ひとりが現在を充実させて生きること、その人らしく生きることを大切にします。子どもは、かけがえのない存在です。一人ひとりを主人公とした学校でありたいと願い、『子どもを原点にした教育の実現』『社会の主人公となりゆくための根っこを育てること』を教育目標とします。学園の教育理念に、1947年制定教育基本法(深く関わった務台理作氏が初代理事長、校長)の精神、「一人ひとりの人格を尊重し、自主性を養い、個性を伸長するという、ヒューマニズムに立つ『人間教育』」を据えています。この精神をもとに、学校を人間が育ち合う場にし、一人ひとりが大切にされる社会を創造したいです。
ゆり組の子たちと深大寺蕎麦遠足(12月)
願いがかなうように、一歩いっぽ努力してすすめていきます。
一休庵さん、お世話になり、ありがとうございました。
12月・・・満たされました。
すでに冬休みに入りました。
12月は2年に一度の音楽会に向けた練習がありました。3年生は音楽会のトップバッターをつとめました。練習から一致団結。学年72人で心をそろえて取り組みました。初めてのリコーダーも日々持ち帰って練習するなど、意欲的でした。本番も練習通りの力を発揮する3年生の姿がありました。
音楽会本番は、どの学年も見ごたえ満点で、心が満たされました。
音楽会が12月の一大イベントです。大きな行事とは別にささやかですが、西組でもこんなことが。
終業日前日、畑に植えた大根をぬきました。乾燥が続いたこと、季節外れの暖かい日が何日かあり、その付近に虫にはっぱを食べられちゃったり、日光の問題などで、なかなか思ったように育たなかったのですが、毎日水やりを続け、なかなか立派な大根が1本だけ収穫できました。
「この1本がみんな栄養をもっていったのかもね。良く育った!」
その大根を使って、終業日にみんなでおみそ汁を食べました。大収穫・・・ではなかったので本当に1杯ずつだったけど、育てた大根が食べられたことがうれしそうでした。
何より、終業日はお弁当なしで下校なので、みんなおなかがすいています。あっという間に食べちゃった人、名残惜しそうに随分時間をかけていた人、「明日から休みだね~。」と冬休みのことをまったり会話している人、いろいろでしたが、帰る前のちょっとした腹ごしらえになり、みんなのおなかが満たされました。
「ごちそうさまでした!!良いお年を!」
元気な声がうれしかったよ。
今頃、冬休みをどう過ごしているかな?
冬休みの間、出来たら2学期のことを振り返り、何か記事に出来るといいなと思っています。
私たちらしく学びをすすめていきます~「地球市民の時間」と外国語の学習~[Ⅱ-214]
2020年度より本格実施する外国語の教科化(5・6年生)と外国語活動(3・4年生)についてです。桐朋小学校では、外国語の学習を「地球市民の時間」という枠組みの中に位置づけ、桐朋小学校らしいねらいを持ちながら新たに取り組んでいきます。
冬・園庭での子どもたち
1.桐朋小学校の「地球市民の時間」とは
「地球市民の時間」は、子どもたちがこれからの未来を地球市民として、世界の平和や持続可能な未来のために考え行動できる人に育つ、その土台となる学びの時間です。具体的には外国語・外国語活動(英語)や、総合と社会科の多文化共生教育・国際理解教育の分野の学習を、広く包括的に「地球市民の時間」と呼んでいきます。
本校では、これまでも総合や社会科の授業で、平和、環境、SDGs(持続可能な開発のための17の目標)、子どもの権利条約*などの学習に取り組んできましたが、今後はそれらの学習も「地球市民の時間」に位置づくことになります。私たちは、学ぶということは、ただ知識や技術を獲得するだけでなく、その後の人生におけるものの見方や考え方を創っていくことであると、考えています。
*子どもの権利条約は、子どもの基本的人権を国際的に保障するために定められた条約。子どもの生きる権利、育つ権利、守られる権利、参加する権利を定めています。2019年11月20日に採択から30年を迎えました。
冬・畑で生き物を探す子どもたち
2.桐朋小学校の「地球市民の時間」で大事にしたいこと
この「地球市民の時間」の学習において大事にしたいことは、大きく次の2点と、それに続く各分野の3点です。
■多様性を尊重し、世界の人々とともに、地球市民として世界の平和や持続可能な未来のために考え、行動できる人を育てる。
■多様な言葉、コミュニケーション、文化に対する感性と能動的な態度を育てる。未知のものとの出会いや、新しい学びをおもしろいと感じる学習姿勢を育てる。
□人との出会いを通じて、多様な言語・文化・生き方に心を開く。(多文化共生教育)
□世界に目を向け、戦争・紛争と平和、SDGsなど、現代的課題を考える。(国際理解教育)
□多様な言語・コミュニケーション・文化を尊重しつつ、一つのツールとしての英語を学ぶ。(外国語)
冬・今年も園庭で、れもんが育っています
3.「地球市民の時間」における 国際理解・多文化共生教育の学習と具体的な取り組み
3年生から6年生までそれぞれの学年に応じて、総合と社会科では国際理解・多文化共生教育に取り組みます。
地球的規模の課題が山積する現代において、子どもたちが未来に向かって、世界の平和や持続可能な未来のために考え、行動する地球市民となりゆくための教育は、とても大事なことだと考えています。
国際理解・多文化共生教育では、外国の人々と実際にふれあう経験を通して、多様性を尊重し、そのことを積極的・肯定的にとらえる力や学習姿勢を育てていきたいと考えます。同時に、多様な中にも共通性や普遍性があることに気づき、同じ地球の仲間として共に未来を生きていくための土台を創っていきます。
具体的な取り組みとして、まず、中学年では「人と出会う、ものと出会う」ということに取り組んでいきます。英語圏のみならず、自分の日常の環境にはない言語・習慣・文化をもって生活している方々と触れ合うことで、異文化との出会いから興味を深めていきます。内容は、「外国の人と出会おう」、「その国のものと出会おう」「日本のことを伝えよう」などです。
高学年では、中学年で学習したことを踏まえて「地球市民として育つ」ことを目指していきます。世界の子どもの生活・習慣・文化などを切り口に、戦争・紛争と平和、人権、環境の問題などの現代的課題やSDGsの学びと、それらを学ぶことの意味を深めていきます。また、外国のことや世界の子どもの生活を知る・そこから考える・調べる・何らかの形で表現したり交流したりする、などの活動をします。
冬・しぜんひろば、園庭でよく育つなつみかん
4.「地球市民の時間」における 外国語(英語)の学習と具体的な取り組み
これまで桐朋小学校の外国語活動は、「コミュニケーションを大切にし、楽しいと感じられる英語体験」を大事に考え、行なってきました。その中で子どもたちは、活動を楽しみ、外国人講師やゲストの方々と触れ合ってきました。
来年度から新たに始まる外国語(英語)の学習では、3~6年生まで授業の中で、学習指導要領に示される外国語の内容を精選し、専門の外国語講師より集中して学びます。併せて、年2回の特設授業で、英語を母語とする外国人講師とふれあい、コミュニケーションの楽しさを体験します。このようにさまざまな活動を組み合わせて、総合的に学習を進めていきます。
子ども期(ここでは幼児期、児童期)に大切にすることは何でしょう? [Ⅱ-213]
乳幼児、児童期にスマホは必要?
私たちの生活を進化(便利、快適に)させている情報通信分野。負の側面として、子どもの「人間としての育ち」に悪影響を及ぼしていないか捉えておきましょう。
電子メディア接触の早期化、長時間化が乳幼児期から進んでいます。年齢別子どものインターネット利用状況では、0歳6.1%、1歳18.3%、2歳46.6%、3歳45.2%、4歳56.4%、5歳67.8%、6歳66.8%、7歳68.9%、8歳71.2%、9歳77.3%と続きます。年齢があがるにつれ、利用状況が高まります。利用時間は、0歳から9歳で、61~164分です。(内閣府政策統括官報告より)
基本的な発達に必要な直接体験する時間が少なくなり、ことば、コミュニケーション、目や脳にも影響があると言われています。医師らが保護者へ「スマホに子守りをさせないで」、児童へ「スマホの時間私は何を失うか」と呼びかけています。世界には高校生になるまでスマホを持つことを禁止している国や、乳幼児がスマホやタブレットの画面を見る機会を極力避けるよう呼びかけている国があります。
5歳児・ゆり組の子の演奏を見つめる3歳児・たんぽぽの子たち
子ども期に大切なこと
子どもはゆっくり、じっくり、時間的な間があって育ちます。そこには、子どもの中から湧き起こる「してみたいなあ」という意欲、新たなことに挑戦したい願いをもち、実現させ、新しい自分を築いていきます。「できるかな、でも難しいな」という出来るようになるまでの心の揺れ、葛藤なども大切にされて育ちます。受容的、応答的な関係の中で、認められる、あてにされる、役にたつなどの実感を持ち成長します。
それぞれの時期に、その時しか出来ない生活(遊びや学び)を送り、その時しか味わうことのできない感情や思考とともに、たくさんのことを自らの内に育てていきます。そのことを幼稚園で発行する「桐の朋」や「つうしん」でお伝えしています。
子どもには生存、生活、成長発達、遊び学ぶ権利があり、満たされることを求めます。こうした経験の積み重ねが、子どもが自分の人生の主人公となり、社会に主人公として参加することに繋がります。すべての市民が社会の主人公となり、主権者として社会に参加、参画するようになってほしいです。
永井先生、ありがとうございました
子ども期の発達保障を
2019年3月、国連子どもの権利委員会(CRC)が「日本政府第4・5回統合報告書に関する最終所見」として、「子ども時代」(子ども期)の発達保障を求めました。それは「社会の競争的な性格による子ども時代と発達が害されることなく、子どもがその子ども時代に享受することを確保するための措置を取ること」という要請で、私たちは重く受けとめなくてはなりません。
先日参加した「子どものからだと心・全国会議」では、日本の子どもの現状に対して「子どもの意見を聞きながら、友だちと遊びこんだり、家族とゆったり過ごしたり、十分な睡眠をとったり等々、時間的にも精神的にも社会関係的にも、豊かな子ども期を過ごせるような仕組みをつくろう。そのためのおとなのゆとりも保障しよう。」という提言がなされていました。
子どもの権利条約が国連で採択されて30年、日本で批准されて25年がたちますが、大きな課題です。
手作り笛で演奏する先生とたんぽぽの子どもたち
『子どもの心はどう育つのか』
精神科医の佐々木正美先生より学ぶことが多くあります。先生は、「乳児期には子どもというのは豊かな基本的な信頼感を育てられなければならない」と述べています。乳幼児期に限らず、土台として大切にしていくことだと思います。「乳児期に最も豊かにその感性が育」ち、「基本的な信頼感を他人に対しても、自分に対してもしっかり持っている子どものほうが、次の自律的な活動に取りかかりやすい」と述べています。脳科学の知見から、記憶と感情をつかさどる「海馬」の感受性期=育ちざかり時期が3~5歳であると学んだことに重なります。
続いて、幼児期から児童期は「好奇心や探究心が開発される時期です。想像力や創造力の基盤であり、勤勉さにつながります。子どもの悪戯の多くは未知のものを探究するための実験です。」と述べ、「十分子どもに経験、体験させてあげられれば、子どもの中に自発性というものを育ててやることができる。そのことは創造的に生きる原動力となるものです。」(ポプラ新書)と言われています。
幼稚園から小学校の子どもの育ち、卒業生のあゆみに触れて、佐々木先生の言われていることの大切さを感じます。
玉ねぎの皮(カレー作りの)で染めたスカーフを首に
未来と現在を繋いで考える
保育学会会長の汐見稔幸先生は、「今後、全てはコンピュータになっていくことで、20年後には今の仕事は半分くらいしか無くなっていくだろうし、生活そのものが頭を使うとか、身体を使うということがほとんど無くなってしまって、うまくいくと本当に楽な社会になるけれども、下手をすると人間はやることがなくなっちゃう。(中略)だから私たちはやはり面倒でも、手でつくることを子どもたちと楽しんでもらうとか、しょっちゅう議論しながら「そうか」ってお互いに教え合うということがどれだけ大事かを体験してもらいたいし、感じるということを豊かにしたい。人間の認識というのはまず感じて、それを理屈で説明しているんだけれども、その感じるということは訓練していかなければいけない。いろんなものを見たり体験したりしたら、感じる世界が開発されていくんだけど、本当のものを見たことがないというふうになると困る。」など、未来を見据えて現在の子どもの育ちの課題を述べています。(『桐朋教育』50号特集インタビュー)
私たちの保育でも、いろんなものを実際に見たり体験すること、そのことで感じる世界を開発していくことが大切だと考えて実践をし、子どものあゆみから振り返りをしています。
よく学び、理想を掲げ、実践をすすめたいと思います。