社会科見学

11月21日に社会科見学に出かけました。

4年生の『わたしたちのくらしとごみ』『わたしたちのくらしと水』の学習の一環で実施しました。

見学先は〔中央防波堤埋立処分場〕と〔有明水再生センター〕です。

<中央防波堤埋立処分場>
都内には、最終処分場がいくつかあります。中央防波堤にある処分場は、東京23区の「不燃ごみ」「粗大ごみ」を破砕処理し、可燃ごみを処理した灰と共に埋め立てるところです。今のペースで埋め立てると50年でいっぱいになり、埋立処分ができなくなります。
ごみを埋め立てる時は、ごみの上に土をかぶせ、その上にごみを埋めてまた土をかぶせることを繰り返します。この埋立方法を【サンドイッチ工法】と言います。ごみの上に土をかぶせるのは、風でごみが散乱するのを防いだり、発生するガスで燃えたりすることを防ぐためです。
また、不燃ごみの中から鉄やアルミニウムなどを取り出したり、プラスチックごみをペレットにして再生するなど、埋め立てるごみの量をできるだけ少なくする努力が続けられています。
子どもたちは【3R】(スリーアール:リサイクル、リユース、リデュース)によってもごみは減らせることとともに、限りある資源を有効活用・再利用することにつながることを学び、自らの生活を見直すことを考えるきっかけとなりました。

<有明水再生センター>
家庭などで使われた水、いわゆる下水を処理する施設です。汚れた水をキレイにして川や海に戻す役割を担う施設ですが、単にキレイにすることを目的とはせず、「地球環境を守る」ことを目指しているという説明を聞き、奮闘する職員や機械(設備)を目の前にして、大変さや役割の重要さを学びました。
『水環境防衛隊』の隊員になるための探検隊として、施設の中に入って見学していきましたが、その過程で汚水の汚れがなくなっていく様子や臭いの変化を体感しました。

見学は、単純に知識を増やすことだけが目的ではなく、直接見聞きすることで、そこで働く方々の大変さや思いも知ることも目的としています。子どもたちは、様々な学びから自らの生活を振り返り、一人一人が出来ることに取り組んでいきます。

新海面処分場が、最後の埋め立て地。これ以上大きくすることは出来ない。

不燃ごみを「ペレット」にして再利用する。

サンドイッチ工法。50cmの土の間に3mのごみが挟まれているのが分かる。

128kgのハンマー。複数のハンマーを高速回転してごみを破砕する。

埋め立てられているごみを通って汚れた雨水を処理している。

およそ30年前の様子。ごみはそのまま埋め立てられていた。

現在の埋め立て地の様子。

不燃ごみを破砕している様子。

ごみを積載したまま重量を測り、ごみの量を記録している。

1日3,000枚捨てられる布団。マットからスプリングが取り出されている。

風力発電。一般家庭の800軒分が賄われる電力が発電されている。

30年前に埋め立てられたごみが一部見えている。

新海面処分場。これ以上は広げられない。

施設の説明を聞く子どもたち。

水道水⇒下水⇒活性汚泥を交ぜた汚水⇒微生物によって浄化された水⇒薬品できれいになった水

オイルボール。家庭などから流された油が下水管の中で固まったもの。

施設の上部にある体育施設は、宇宙船を模している。

6つの穴からは、水をキレイにする過程で出る気体の排気口。

水環境防衛隊の探険スタート地点。

施設の説明を聞く。

汚水はいくつもの施設を通ってキレイになる。

第一沈殿池の中の汚水。臭いも強烈だ。

第二沈殿池の中の汚水。臭いが劇的に減っていることが分かる。

キレイになった水の中で泳ぐ生き物を見ている。

焼き芋大会への1年生準備

桐朋小学校で毎年恒例になっている1年生5年生合同焼き芋大会に備え、

先日サツマイモを掘り出しました。

サツマイモの苗を植えてからはや数か月が経ちました。

苗を植えてから子どもたちと雑草を抜いたり様子を確認する日々が続いていました。

 「サツマイモはいつ抜くの?」

「まだ大きくならないの?」

「早くパートナーさんとお芋食べたいな」

と、ずっと常々心待ちにしていた焼き芋大会も間近に迫っていました。

 

11月に入り、ついにサツマイモを掘り出すことに。

どうやって抜くのか、

どうやったらサツマイモを傷つけないか、

を子どもたちと確認し、いざ実戦。

 

「おっきいーー!!!」

「折らないで抜けた!」

と畑から次々と出てくるサツマイモに子どもたちは大興奮。

「あのちっちゃいねっこみたいなやつが、こんなに大きくなるのってふしぎだね」

とサツマイモの成長に感動しながら焼き芋大会への準備を終えました。

「全国学力・学習状況調査」への不参加と本校の取り組み[Ⅱ-322]

毎年この時期に、来年度実施の「全国学力・学習状況調査への参加、不参加」についての調査があります。本校では、2007年度より実施の「全国学力・学習状況調査」へ参加していません。私立学校の参加は40~60%ほどです。

不参加の主な理由は、本校は子どもの発達にあわせた教育課程の自主編成教育を行っており、履修の時期が公立小学校と違っているため、出題される問題が未履修の場合があるためです。それから、問題の内容が本校の子どもたちの実態や課題とあわない場合があるからです。他の理由としては、素早いフィードバックが難しいためです。児童の学びの充実や学習状況の改善などに役立てていきたいと考えると、数か月後の返却は避けたいです。しかし、「全国学力・学習状況調査」への参加は、毎年小6、中3生それぞれ100万人前後いて、採点者が1,000名いたとしても答案処理とデータ入力などで数か月かかってしまう現実があります。他私学の不参加の理由を見ると、「独自の教育理念や方針と異なる」「教育理念に合わないので、参加することに支障がある」などがあげられています。

本校では、5、6年生の1学期と2学期に「復習テスト」を実施し、子どもたちの学力、学習実態をつかみ、学力、学習の変化をつかんでいます。その結果を授業にいかします。子どもたちにも、自分の良さと課題を見つめ、定着をはかり、今後にいかしてほしいと願って取り組んでいます。

授業や「復習テスト」などでは、「全国学力」調査で出題された問題で、ぜひ本校の児童にも向き合ってほしいと思うものについては取り出して行う場合もあります。

 小3。みんなで遊ぶからたのしい。 

今後、「全国学習・学習状況調査」が測りたい学力を明確に定義し、学力の実態把握、分析をし、それを教育政策の成果と課題を検証するようなものに変わっていく場合は、本校も参加を検討することを考えていきます。

福岡教育大学川口俊明准教授が、「一般に国や世界を対象に実施される大規模な学力調査では、異なる時点の調査結果を比較して、点数が上昇した(あるいは下降した)といった判断ができることが重要です。そうでないと、自分たちの政策が効果的だったのかどうかがわからないから」(川口俊明『全国学力テストはなぜ失敗したのか 学力調査を科学する』岩波書店)と述べていましたが、課題について改善をはかり、よいものになってほしいと願っています。

最後に、すぐ改善してほしいことをあげます。都道府県別の平均正答率の公表による「都道府県の順位競争」、市町村別、学校別の平均正答率の公表によりテスト対策に偏った授業が行われていること。また、学力テストを教員評価と結び付け、給与を上下させること。子ども、教員らを苦しめないでほしい。

左 幼ゆり組。多摩動物園に行った後で、動物の絵を描きました。右 園庭で焼き芋をしました。 

子どもたちの自己実現

子どもたちの自己実現の機会の保障のため、

総合の授業で「プロジェクト学習」を行っているクラスもあります。

 

「クラスの仲間と一緒にやってみたいことってある?」からスタート。

わいわい仲間と話し合って、様々なプロジェクトが立ち上がります。

 

「そんなの無理!」は禁句です。

「やってみたい!」という生まれながらにもった主体性を最大限に尊重し、

「どうやったらできるか」を考えるところに当事者意識が生まれ、試行錯誤する子に育ちます。

 

「秘密基地プロジェクト」は、

クラスのみんなが雨に日も外で遊べるようにと、ベランダに基地を作っています。

「木の家プロジェクト」は、教室内に2階建ての家を建設中。

道具の使い方もどんどん上達しています。

「子どもだからこのくらいで・・・」という制約は取っ払って、

大人も子どもも一緒に楽しみながら学んでいます。

学園で戦争と平和、人権を学び、考え合う時間をつくりたい➀[Ⅱー321]

ミャンマーでの軍による人道危機、シリアはじめ世界各地での悲惨な状況、そして2022年2月にはじまったロシアのウクライナへの侵略。プーチン大統領は核兵器を脅しに使う。私たちは侵略、紛争、戦争、核戦争をリアルに感じる現実を生きている。それに対して、私は「無力」を感じながら、この状況を受けとめて教育実践をつくりたい。地球市民として平和への声をあげていきたい。

5、6年生が、桐朋学園大学のホールでオーケストラの演奏を聴かせてもらいました。学生さん、先生方、ありがとうございました。

桐朋学園において、小学校高学年くらいから大学生まで、戦争と平和、人権について学び、考え合う時間をつくりたい。たとえば、戦争の悲惨さを伝えること。戦争になるとどういうことが起こるのかを知ること。

小学校では、1996年から広島修学旅行に取り組んできた。被爆者の久保浦寛人さん(当時19歳。爆心地から2.1㎞の広島駅で被爆。広島平和記念資料館被爆者証言ビデオを見てほしい)、幸元省二郎さん(当時7歳。爆心地から1.5㎞の稲荷町で被爆。被爆者の声〝被爆を語る〟を見てほしい)たち被爆者、大久野島で毒ガスの製造をした村上初一さん(毒ガス資料館初代館長)などたくさんの方から体験を聞かせていただいた。今年は、平和ガイドの方と平和公園碑めぐり、笠岡貞江さん(90歳)より被爆証言を聞く、平和資料館見学をするなど、現地で被害の実態を知り、感じ、考えた。また、加害の実態を大久野島で学び、大久野島から平和と環境を考える会の山内正之さんの講話を聞いて平和への思いを強くもった。6年生は学んだことをまとめ、5年生や保護者らに語り伝えていくことを通して自分(たち)の平和をつくる取り組みをすすめる。

6年生平和学習の取り組みとして、夏休みに祖父母や親戚から戦争体験を聞き、まとめ、クラスで学び合った。東京大空襲の体験をMさん(本校元保護者、桐朋短大卒業生)たちから保護者と一緒に聞いて話し合った。広島より被爆証言の会、被爆体験伝承者で被爆2世の山岡美知子さんに来校(国立広島原爆死没者追悼平和祈念館 被爆体験伝承者等派遣事業)していただき、原爆の実相、お母さんの被爆体験などを聞いた。

私たちは戦争の悲惨さを学ぶことを大切にし、「東南アジアにおける重要戦略資源の軍事力による獲得」(吉田裕『アジア・太平洋戦争』岩波新書)の国家意思のもとでの加害の実態も大切に学ぶ。日本の戦争責任は、アメリカを中心にした主要参戦国が対日賠償の請求権を放棄し、極東国際軍事裁判の戦争責任問題に関する直接的言及はないなど、加害の歴史を見えなくさせられてきた。

戦争が起きると、自分たちや相手の生活、人生がどうなってしまうのかを知ることが大切である。修学旅行で行った大久野島では、毒ガスが製造され、その毒ガスを中国で「少なくとも2000回使用し、8万人以上の人たちを毒ガスで殺傷」(山内正之『大久野島の歴史 三度も戦争に利用され 地図から消された島 毒ガス被害・加害の歴史』大久野島から平和と環境を考える会発行)した。毒ガスは国際条約で使用禁止のため、秘密に使われ、敗戦後、国際条約違反の毒ガス使用を隠すため証拠隠滅が行われた。2000年代に入り、中国では道路工事、建物建設工事、下水道工事などで、土地を掘ったりしている時に、日本軍が証拠隠滅のため中国に遺棄した毒ガスが出てきた。当時、それが毒ガスとは知らず、亡くなった人、健康を害し、高い医療費負担、働くことができなくなって生活が困窮するなどが起きた。毒ガスのついた土とは知らず遊んでいた劉浩さん(9歳)、馮佳縁さん(10歳)、高明さん(12歳)、蓋尊旭さん(12歳)、周桐さん(13歳)ら子どもたちが被害にあった。その後、被害を受けた人たちが、毒ガス事件の様子や被害者の気持ちを訴えるために訪日した。「少し歩いただけでも呼吸が苦しくなって、疲れてしまいます。…大好きな歌も、すぐにのどが痛くなって歌えなくなりました。…大きな水ぶくれが気持ち悪いといって、友だちが遊んでくれなくなりました。…」と、馮さん(当時13歳)は語った(化学兵器CAREみらい基金編著『ぼくは毒ガスの村で生まれた。あなたが戦争の落とし物に出あったら』合同出版参照)。次号に続く。

   6年生が、地球環境危機について学び、考え合う。

一つ一つの楽器の音色

前回のオーケストラ演奏会の続きです。

曲の演奏のほかに、楽器紹介の時間もありました。

ひとつひとつ、形も音色も異なる楽器にみんな興味深々!

食い入るように見つめていました。

それぞれの楽器の特徴がよくわかるように、と工夫をこらしたミニ演奏をしてくれた学生さんたちに感謝します。

子どもたちがよく知っている映画の曲もあり、楽しい時間でした。

〇「そんな風に使うんだ!」と思う楽器があった。それはトランペットだ。ぼくは息をふくだけで音が出ると思っていたけど、唇をふるわせていた。

◯楽器紹介で一つ一つの楽器の音を聴くだけでも、オーケストラとは違う良さがあるな、と思いました。

◯印象にのこった楽器はファゴットです。重そうなのに、器用に音楽を操っていてすごいなと思いました。

◯ホルンは、グーにした手を入れて吹くという難しい技でとてもきれいな音を出していてびっくりしました。

◯トランペットの唇の動きに興味が沸きました。その動きとトランペットが合わさって音がキレイになる事は初めて知りました。

◯トロンボーンの楽器の一部が外れると知って、とてもびっくりしました。

〇ラッパを吹くとき、虫みたいな音をだしているなんて初めて知りました。

◯ソロのフルートは金ピカでキラキラしていて直視できないくらい眩しかったです。

〇いつか私も、風に乗るような音を出すハープに挑戦したいです。

◯僕はパーカッションをやっているので、つい打楽器の方に耳を傾けていました。

◯楽器を持っている人は拍手できなくて、足で拍手してて面白いなと思いました。

◯ジブリが大好きなので、映画とは違う楽器で聴けてよかったです!

◯僕は指揮者が中央に立つ理由がわかりました。他の楽器から自分の楽器へいつ来るのかを伝えてくれる事です。演奏で最も重要な人は指揮者なのだと実際に感じました。本当に素晴らしい演奏でした。

「また聴きたい」「来年もぜひ!」という声がたくさん届いています。

同じキャンパスの中で、こんな素敵な交流を持てる豊かさをあらためて感じた秋のひと時でした。

生の迫力!オーケストラの響き

5、6年生は、桐朋学園大学 宗次ホールでのコンサートに参加しました。

高学年玄関に集合してわずか5分で会場に到着!なんて恵まれた立地なのでしょう!!

新設の木造ホールにもみんな興味深々です。

入場すると木の香りがする!と嬉しそうでした。

 

演奏してくださるのはもちろん、桐朋学園大学と桐朋女子高等学校音楽科のみなさんです。

曲目は、ビゼー 「アルルの女」第2組曲から、メヌエット。

ベートーベン 交響曲第5番より、1楽章。

指揮は、清水醍輝先生。お話は、合田香先生でした。

生のオーケストラ鑑賞は初めてという人も多く、客席の目の前で繰り広げられる演奏にたくさんの刺激を受けたようです。

以下に子どもたちの感想を抜粋します。演奏会の様子が伝わるでしょうか。

チューニングの時、ああ、始まったな、と感じました。

〇始まったしゅんかんに、宗次ホール以外の場所にワープした気がしました。

◯ハープなどのうらで奏でられている低い、海の底のような落ち着いた音。始まりのフルートは鳥のさえずりのようでした。

◯指揮者の人が、パッと動いたと思ったら、ジャジャジャジャーン!とホール全体に音が響いて驚きました。かっこいい!と思いました。

〇地面がふるえていて、大きな音で一体感をかんじでとても心に残りました。

◯曲がはじまると舞台から花がとんでくるような感じで、ずっと無言で聞きました

◯低い音から高い音までがたくさん一気に聞こえて、とても感激しました。

〇運命の迫力がすごかった。なんだか、上、下、上、下・・・とムゲンに続いているように思いました。

◯後の方で見えにくいのは個性豊かな楽器ばかり。一種類でも何かの楽器がなければ、その曲は完成しないのだと思います。ぼくはそのキレイな音色を聞かせてもらいました。心に残る演奏でした。

◯いろんな楽器に注目して聞いてみたのですが、どれも大切な役割をしていて、とても楽しかったです。

◯聴き慣れた曲だけれど、やっぱりホールにきて聞くとはく力がすごくて、音がすごい綺麗だと思った。

◯音はそれぞれちがうはずなのに、一つにまとまっていて、せんさいな音が一つずつ重なって、ホール中きれいな音が響き渡っていました。

〇(感想を言うとき)きんちょうして、「あーえーっと」となってしまい申し訳ありませんでした。本当は運命は「デデデデー」というところで、心がその音程と合わせて「ドクドク」だったり、地面が「ガタガタ」とゆれ、僕の心もゆれていました。

次回は、楽器紹介の感想を紹介しましょう。

きょだいな きょだいな

絵本『きょだいな きょだいな』(長谷川摂子 作 / 降谷なな 絵 福音館書店)を使った国語の授業。

自分で考えた「きょだいな 〇〇」を自由に書いていきました。

一人ひとりのアイディアが面白く、発表の時はみんなでおなかを抱えて笑ったのでした。

あったとさ あったとさ

ひろいのっぱら どまんなか

きょだいな かみひこうきがあったとさ

 

こどもが100人 やってきて

かみひこうきにのって かぜがふいて うちゅうのはてまで とんでった。

 

きょだいなそうじき あったとさ

そうじきでんげんオンにした。こどもはぜんいんすいこまれ、中でずっとくらしてる。

 

「きょだいなコーンスープがあったとさ」

「コーンスープを食べながら、スープおんせん作ったとさ。」

 

授業の最後は、担任の先生からのサプライズ。

きょだいな きょだいな キャベツが登場!

実はこれ、北海道の大学に通う卒業生から小学生へのプレゼントでした。

面白いものを見つけたので、みなさんに少しお裾分けをしようと思います。

これは『札幌大球』というキャベツです。これを育てている場所は北海道だけだそうです。

 北海道ではとてもたくさん雪が降ります。昔は今のように保存の方法がうまくなかったので、キャベツは周りの葉が凍ってしまいました。大きいキャベツなら、周りが凍っても、まだ中に食べられるところがたくさんあります。農家の人が大きいキャベツからタネをとって、育った中で大きいものからまたタネをとって、何度も育てるうちにとても大きいキャベツができました。

いつものキャベツとどれくらい違う大きさでしょうか。よかったら見てみてください。

みなさんが楽しい小学校生活を送れるよう、応援しています」

 

大きなキャベツに目をまるくして、大喜びの小学生。

好奇心いっぱいに学びながら、小学生が喜ぶ姿を思い浮かべて届けてくれた卒業生。

それぞれの年代の「とうほっこのワクワクが」こんなふうにリレーされている様子に、職員室の先生たちもとっても嬉しくなりました。

子どもたち、豊かに育て! [Ⅱー320]

調布市私立幼稚園協会の研修会を桐朋学園ポロニアホールで行いました。調布市の約90名の保育者が参加されました。対面での実施は3年ぶりでした。会場に来られなかった約50名は、後ほど録画した内容を学びます。

調布市私立幼稚園協会の研修会は、何十年と続いてきました。初等部創設メンバーの大場牧夫先生によれば、「1968年調布私幼としての出発があったのだろう」「自然領域をめぐっての調布の環境調査と、題材調査という立派な仕事をやってのけた」「調布市の公私立の保育所の先生方に声をかけて、とにかく研究会を一緒にやりましょうということで、かなりの保育所の先生方が参加して下さるようになって、(中略)私立幼稚園の研究会で、幼保一緒になってやっているのは殆どありません」「考えるという部分を軸にやってきたこの研究会が、今日まで持ち続けてきたことの大事さを私たちはもう一度考えてみる必要がある」「つまり、実技講習にながれなかったという事に、実践者としてのプライドを持ってほしいということです」「こういう地域の研究会と園内研とをしっかり固めていくということが、私達のこれから、子どものためにやるべきことなのだろうと思います」(すべて『原点に子どもを』調布市私立幼稚園協会研究部保育実践問題研究会、1991年より引用)などの大切にしてきたことがあります。

そして、私たちは大切にされてきたバトンを引き継いで、現在、未来に実践、研究、研修をすすめていかなくてはならないと受けとめています。大場先生より研修会で学んだ方が現在園長先生をされ、その園の保育者が研修に参加して学び合うなど、調布市からよい保育、教育を発信し、広げようとしています。

今回の研修会講師は、大妻女子大学の久保健太さんでした。久保さんには、桐朋幼稚園の共同研究者として、初等部研究会講師として、7年間学び、たいへんお世話になっています。

 秋、プラタナスなどの葉に囲まれています

久保さんと保育者の皆さんとで学んだ子どもの育ちについて書きます。本コラムをみてくださった方とも共有したいと思いました。

はじめ、保育園の子どもたちが、段差があってなかなか動かすことのできないリヤカーを何とか動かそうとしているビデオを見ました。そして、子どもの様子や保育者のかかわりについて考えました。子どもたちが力を合わせ、試行錯誤する、保育者がほどよい距離で見守る、子ども(たち)が育つ環境について、などのいろいろな視点から考えました。ビデオを見て、保育者同士で意見を聞きあい、グループからの発表を久保さんが受けとめて話してくださいました。

〇子ども(たち)の「やりたい」という主体的な学びを大切にする。

〇子ども同士の協働を大切にする対話的(ことばだけでない姿なども)な学びを大切にする。挑戦、失敗、試行錯誤を繰り返す中で、子どもたちは様々なアイデアをやりとりしている。

久保さんは、ビデオを見た保育者の学びを整理し、さらにエンゲストローム(フィンランドの教育学者)の理論から、学びの深さを

➀教えられた通り、いわれた通りの仕方で問題を解決しようとする。

➁自分たちで状況を把握しながら、問題を解決しようとする。

③自分たちの状況把握、問題解決の仕方すら問い直しながら、新たな解決方法を編み出す。

と話されて、ビデオと繋げて➁や③を深めてくださいました。

話を聞いて、私自身、学びに対して、➀の教えられた通りいわれた通りということが染みつき、なかなか抜けだせないことがあると振り返りました。それから、子どもたちには、➁や③を大切に育ってほしいと願い、日常の保育では待ってみることを大切にしようと考えてみました。

久保さんは③について、「アイデアを出し合って、新しい方法を編み出し合うことは、それが「やりたいこと」であれば、楽しいはずであるし、そうして自分たちの引き出しを増やしていくことは、「生き方の幅」を増やしていくことにもなるはずだ。それは「自分(たち)は応答してもらえる存在なんだという信頼感」「自分(たち)のことは自分(たち)で決めるという自己決定」「自分(たち)の世界は自分(たち)でつくるという主体性」を中身とした民主主義の実現でもある。そのための種は、人間の中に埋め込まれているので、まずは日常の一瞬一瞬において、その種が開花するようにかかわってやることをしようと思う。」(『生活経済政策』№269、2019年、「日常生活と民主主義と教育をつなぐ理論」)と述べています。大切にしたいことです。

それから、子ども同士の協働の意味、大切さについて触れます。

別のビデオでは、紙パックの飲み物へストローが挿せない子とまわりの子、保育者の関わりを見ました。その子は、できないから保育者にやってと言いました。その子が保育者に対して、これまでの関わりにおいて応答される安心感が感じられました。その場面で応答した保育者は、向かいにいる子に頼んでみることを促し、一緒に頼みました。そして頼まれた子はストローを挿して渡してあげました。このような子ども同士で応答されることによる安心感や信頼感を育てたいと学びました。

子どもたちは、応答されることによる安心感や信頼感をもつことで、相手に対する信頼感と自分は他者に応答してもらえる大切な存在という自分への信頼感を育てていくと考えます。

それから、自分でやってごらんという段階は、保育者との関わり、子ども同士の関わりで応答されることによる安心感や信頼感が育っていることがあって、この段階にすすんでいくことを学びました。

年長の人たちは、秋の遠足で多摩動物公園へ行ってきました。

実りの秋〜収穫〜

5月にどろんこになりながら田んぼに植えた稲。

暑い夏を超え、水の量に気をつかいながら秋を迎え、水を止めて乾かしました。

時間割と稲の様子をにらめっこ。

ぐぐっと穂が垂れ下がってきて、さあそろそろ収穫の日、「稲刈り」です!

初めて見る刃の先がギザギザになっている稲刈り用の鎌を手に、真剣に一株をつかみます。

自分の手や足を切らないように、でも稲をちょうどいい長さで切れるように緊張しながら鎌を動かします。

「やったー切れた」「はぁー緊張した~」と、

交代しながら一人二株ずつ刈りました。

干すために班ごとに束ねてみると、「なんか…これだけ?」田んぼで見た時は沢山あるように見えましたが、教室のテラスに「はさがけ」をしてみると、たった九~十束。

その次は「脱穀」。わらからもみを離して最初の種もみの状態にします。

「またこれを芽出ししたら米になるってこと?」そう、その通り!

収穫した米は次の年のお米の種でもあったのです。

稲1本に何つぶのお米がついていると思う?

「30か40粒?」「そんなにある?」「1,2,3…」一人一本ずつ数えてみると、

多少はありながら1本から多くて100粒前後の米がありました。

班の分を全部脱穀するのは大騒ぎ。

割り箸でしごいてピョンピョン飛び散る人、

お椀を伏せてその中に穂の部分を入れてしごいて全部お椀の中に納める人、

手の爪で取る人など。思い思いにアイデアを出し合って全て種もみになりました。

芽出しする分をとっておき、次の日は「もみすり」。

すり鉢に種もみを入れて野球のボールでゴリゴリとこすります。

取れたもみ殻をふーっとふいて新聞紙の上に吹き飛ばします。

「わー!」時々向かいの友だちの頭にかかったりします。

作業をしていると自然にボールを回す人、すり鉢を押さえる人、

周りに飛び散ったもみ殻を集める人、と分担のローテーションが出来上がります。

どんぶり1杯分のお米を玄米に摺るのに約1時間もかかりました。

そして、「なんだかどんどん減ってない⁈」稲→種もみ→玄米にするうちにとうとうお茶碗1杯分になってしまいました。

でも、過程で出たもみ殻も藁も貴重なもの。

1年生との焼き芋会の焚き付けやわら細工に使えるので捨てずに大事に取っておきましょう。

やっと、お米を炊く日になりました。

ガラスのお鍋に入れてコンロに乗せます。段々いい香りが漂い、

交代で鍋の中をのぞいてみました。

「炊飯器の中ってこうなってたんだ~。」「そのためにガラスの鍋にしたの?」

「初めて見た。」においをかぎながら、お腹が空いてきましたね。

お弁当の時間に炊き立ての玄米を一人ひとすくいずつ配りました。

お味は…「うまい!」「見た目よりはおいしい」「…びみょう…」感想は人それぞれでしたね。

横着した班の“もみ付き米”もあり、ちょっとジャリジャリしたけれど、

田植えから育てた無農薬のお米をやっと口にすることができました。